テラーノベル
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りょん.
#ご本人様には関係ありません
ばななそーだ🍌🍹
家に帰って、部屋に入ると同時に力が抜けた。
ベッドに腰を下ろして、なんとなくスマホを開く。
通知欄に並んでいる、さっき交換したばかりの名前。
――大森元貴
――若井滉斗
少しだけ迷ってから、藤澤はそのどちらかをタップした。
投稿欄が開く。
画面の中で、二人はギターを持っていた。
楽しそうに笑いながら、音を鳴らしている。
歌っている動画もあった。
画面越しなのに、まっすぐ届いてくるような声。
飾っていないのに、ちゃんと“音楽”になっている。
(……すご)
思わず、そんな言葉が漏れる。
スクロールしても、似たような投稿ばかりだった。
どれも楽しそうで、迷いがなくて。
――やりたいからやってる。
そんな感じが、そのまま伝わってくる。
ふと、自分のアカウントを開く。
投稿欄は、空っぽだった。
何もない。
指を止めたまま、しばらく画面を見つめる。
(……出してないだけだ)
出せなかった、の方が正しい。
投稿して、誰かに見られて、
また何か言われて、笑われて。
それを想像するだけで、手が止まってしまっていた。
画面を戻す。
もう一度、二人の投稿を開く。
変わらず、楽しそうにギターを弾いている。
何も気にしていないみたいに、自由に音を出している。
藤澤は、小さく息を吐いた。
「……いいな」
ぽつりとこぼれる。
羨ましい、なんて言葉にするのも少し悔しいけど。
それでも、画面を見つめながら――
ほんの少しだけ、口元が緩んだ。
次回500
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