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流れは結構速い。
なので後で津々井先輩が、姿勢制御でちょっと漕ぐ位。
僕は最初、流れに出る時以外はパドル上げっぱなしの状態が続く。
ただ、流れに近いところですーっと滑るように動くのは、なかなか気持ちいい。
そう思ったら、前にカーブが見えた。
先生からの列が、川の左側へすっと寄る。
「そろそろ行くぞ。前は左下げ準備、頼む。一気に曲げるから」
そしてカーブの全容が見える。
流れは真っ正面の岩に向かって当たって左へカーブ。
しかも正面に消波ブロックが見える。
参考資料で見た、一番危険なパターンだ。
「それでは……左下げ!」
カーブにさしかかったところで指示が入る。
パドルを下げて、左側でブレーキ。
きちんと水に抵抗あるよう、パドルのブレードが垂直に水に入る形で。
そして後では、津々井先輩が右集中で漕いでいる。
ドリフトをするようにきれいにターンしたところで、
「漕ぐぞ、左左、左左、左、右、左、右、上げて」
突き進むように艇はカーブを突破した。
突き進みすぎて、前の竹川さん達の艇に近づきかける。
後で先輩が右左にブレーキ。
前の2人は真面目に漕いでいるのだけれど、確かに推進力が違う感じだ。
でもこの動き、未体験で楽しい。
すぐに今度は右カーブ。
さっきより急なカーブだ。
でもさっきと同じ要領で、あっさり抜ける。
決まった、そんな感じだ。
前の艇は、ちょっと外側にふくらんだけれど、無事通過。
そして流れは一層速くなり、今度は左の緩いカーブ。
忙しいけれど楽しい。
遊園地のアトラクションなんて、目でないくらい面白い。
自分達の力で操っているというのが、もろ感じられる。
後の指示だけでは無い。
僕の漕ぎ具合で、艇の姿勢がすぐ変化する。
それがわかるのだ。
しかも水が本当に綺麗。
日差しを浴びるところでは、底の玉砂利まで見える。
玉砂利の上を、さーっと滑るように艇が動いているのがわかるのだ。