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右側にぎゅっと曲がったところで、見えにくい岩の上に乗り上げてしまった。
水の流れのせいで、船が右へと回転しはじめる。
「まずい。とにかく漕ぐぞ」
あわてて2人で漕いで、石の上から脱出成功。
そうしたら右側の河原部分に、前のカヌーががっと突っ込むのが見えた。
他の2艘も見える。
ここで休憩のようだ。
「どうでした。ここまでで」
「楽しかったけれど、ちょい腕がしんどいですよ」
これは流山先輩だ。
僕の方はそれほどでもない。
なにせ僕は主にブレーキ役。
津々井先輩も、カーブを抜ける時しか漕いでいないと思う。
真面目に漕ぐと、前の艇に追いつきそうだったし。
それでも充分楽しいけれど。
「ここでちょうど3分の1くらい。結構早いですね。水が程良く多くて、流れがいい感じです。皆さん体調はどうですか。ここなら車で戻れますよ」
「そんな、勿体ないのです」
流山先輩が言う。
その意見に同感だ。
これは楽しすぎる。
「さて、ここから1区間約30分、前後を交代してみましょう。
この区間にはカーブが3箇所あります。最初の1箇所が一番難しいかな。基本はどこも内側べったりで通過です。
あと、この区間には浅い場所があります。姿勢を崩す前に、全力で漕いで勢いで脱出して下さい。
前が重い分、操作性が悪くなりますよ。後の人はよく考えて前に指示を出して下さい。前の高校生は、後の中学生の指示に従う事。いいですね」
えっ。
確かに後ろに乗って、自分で艇をコントロールしたいとは思っていたけれど、いきなりか。
それも、最初に難しいところが来るとはなかなか厳しい。
でも面白そうだ。
「大丈夫でしょうか」
彩香さんが、ちょっと自信なさげに言う。
「大丈夫、自信を持って私に指示して下さいね」
そう先生が言って。
「じゃあ、宜しくな」
津々井先輩が前に乗る。
スタートだ。
栗原さんと先生の艇を先頭に、流れに入っていく。