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夏目萌*優しい彼~コミカライズ
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#大人ロマンス
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重田💋(omoda)
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「北丘サンだって四六時中一緒にいられるわけじゃないんだろ?」
「確かに……一人か二人くらいには事情を話しておいた方がいいかもな。昼食も俺が同席できないときは外に出ない方がいい」
「……分かった。そうする」
亜佑美は少し不安そうにしながらも素直に頷いた。
これまでは周囲に迷惑をかけたくないという気持ちから必要以上に事情を広げることを避けていた。
だけど今はそんなことを言っている場合ではないのが現状だ。
「つーかこれ……俺らも気をつけた方が良さそうだよな? 相手は俺らのことも邪魔だと思ってるわけだし」
「そうだね」
陽向の言葉に朝陽も頷く。
「各々一人でいるときは警戒を強めた方が良さそうだ。こうなると木葉だけ気にしていればいいって話じゃないからな」
「陽向、お前はまだ高校生だから特に気をつけろよ」
朝陽が陽向に向かって念を押す。
「まあ、気をつけるけど……兄ちゃんや北丘サンだって気をつけろよ。ってかむしろ子供の俺より二人の方が相手からしたら狙ってきそうだしさ」
「とにかく、お互い気をつけよう」
今後は亜佑美だけではなく、全員が警戒を強めることを念頭に置いて生活していく。
それが今の彼らに出来る最善の対策だった。
四人がこれまで以上に周囲へ警戒しながら生活して二週間程が経った週末の夜、朝陽の家で食事をするため亜佑美と界人は朝陽が運転する車でマンションへ帰ってくる。
車を降りエントランスへ向かおうとしたところでちょうど陽向も帰宅して四人がエントランス付近で顔を合わせた。
「ちょうど良かったな」
そんな何気ないやり取りをしていると、少し離れたところから一人の男が俯いたままこちらへ歩いてくる。
帰宅時間ということもあり周囲には他にもマンションへ向かって歩いてくる人が何人か居ることもあり、本来なら男も住人か来客なのだろうと考えるのが自然だった。
けれど、警戒していた朝陽は男から視線を外さず、男が近づいてくるにつれて朝陽の中で警戒心が強くなっていく。
そして、男が四人のすぐ近くまで来て突然顔を上げ明らかな敵意を向けているのが確認出来たその時、
「亜佑美さん、危ない!」
朝陽が叫ぶと同時に男の手がポケットへと突っ込まれ、取り出されたものを見て朝陽の表情が強張った。
手にしているのは小型のナイフで、男は迷うことなくそれを振り上げながら朝陽たちへ向かって突進してきた。
「――っ!」
朝陽は咄嗟に亜佑美を抱き寄せ自分の身体で庇い、その声に反応した陽向と界人も反射的に慌ててその場から一歩後ろへ下がった。
「クソッ! 何なんだよ!」
避けられた事に逆上した男はナイフを振り回しながら怒鳴り声を上げる。
「こんなに男とつるんで! クソッ! 死ねよ!」
朝陽は亜佑美を自分の背後へ隠すようにしながら男の動きを警戒する。
男の視線は亜佑美だけを追っているようだった。
「俺が先に見つけたんだぞ!?」
男は意味の分からない言葉を叫びながら再びナイフを振り上げる。
「それなのに何なんだよ、コイツらは!!」
明らかな殺意を感じさせるその姿に周囲からも悲鳴が上がった。
「誰か、警察呼んで!」
マンションの住人らしき人々が距離を取りながらスマートフォンを手にしている中、男はなおも亜佑美へ近づこうとしていた。
「お前……!」
そんな男の腕を陽向が掴み、界人もすぐさま加勢する。
「離せ!」
男は激しく抵抗して二人を振りほどこうとするけれど、
「クソ! 離せよ!!」
陽向と界人が男を地面へ押さえつけてその動きを封じた。
その弾みで男の手からナイフが落ちると、朝陽はすぐさまナイフを蹴り飛ばして男から十分に距離を取らせる。
それでも男は抵抗を続けていた。
「ふざけんな! 俺が先に見つけたんだぞ!」
何を言っているのか分からないけれど、異様な執着だけははっきりと伝わってくる。
少しして、近くの交番から駆けつけた警察官が到着すると男はその場で身柄を拘束される。
「暴れるな!」
「クソッ! 離せよ!」
男は最後まで喚き散らしていたが警察官に取り押さえられてそのまま連行された。
コメント
1件
うわ、緊迫した展開でしたね……。朝陽が咄嗟に亜佑美を抱き寄せて庇うシーン、すごく印象的です。それに陽向と界人が即座に男を取り押さえるところもカッコよかった。あの「俺が先に見つけたんだぞ」っていうセリフからにじみ出る異様な執着、本当に不気味でした。四人の連携が光る回だったけど、これからますます油断できない状況になりそうでハラハラします。続きが気になる!