コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
男性(国)妊娠表現あり
BL表現あり
国名ではなく、それぞれの人名で会話して行きます→例外として、国の存在・その側近以外は人名を知らないと仮定した上で名前を呼び合います。
イギリス(アーサー)目線で進んでいきます
10月
「おめでとうございます。7週目です。」
「━━━━━は?」
英国のある病院の一室にてそう告げられ、椅子に座ったまま呆然とする。医師は冷や汗をかきながらエコーの写真を何度も確認し、看護師も同じようにオロオロする。秘書のエドワードも頭を抱え今にも倒れそうだ。
「、、、どうされますか?」
「少し、時間をくれないか?」
帰り道、車の中でひたすらエドワードに問いただされる。
「誰とされたんですか!?今のご時世別に有り得なくは無いですが!!!リスクがあるとご存知ですよね!?!?」
キーキーと喚く光景をよそに俺は耳を塞いで街を見て運転手もお決まりという顔をしながら運転を続ける。やがて屋敷につき、またも問いが続く。
「、、、サー。私が言う問題とは貴方だけではなくイングランド国民の国際問題にもなるかもしれないということなんですよ」
「、、、あぁ。」
国という、半永久の存在が半永久ですらもない人間を産むかもしれない、その育てはどうする?
、、相手も国であったら?
「世界会議は1ヶ月に1回なのが功を奏しましたね。今はまだ期間があるらしいのでよく、、、、お考えを。」
バタンと扉が閉じ部屋が一気に静かになる。
あーーという声と共にベッドへ倒れ込む。悪阻と言われる症状がまだないものの、やはり気が落ちると体調も悪くなった気がする。お腹をふと触る。本当に命があるのかと思うとドキドキしてしまう。ここでもう一度冷や汗をかいて悪寒がするような考えと言えば、この子の父親のことだ。
7週目という言葉からして9月の行為だろうか。ここで当たり前のように話すが、相手は男だ。
9月のはじめにヤッた髭野郎。
後半ぐらいにヤッた独立していった弟。
フランシスとはお互い長い期間を共にしてきたため、それも長らく続いてきたが、アルはごく最近になる。和解してからというものの7月はやはり体調が悪くなるものでアメリカの家で世話になっていた。そこから100何年か続いた頃、気づいたら迫られていた。でも行為をしたのはその9月のみだ。
父親を考えたが、考えれば考えるほど吐き気がでてくる。鏡を見るとやつれた自分が写り思わず割りそうになる。
これは絶対に《隠し通さなければ》ならない。父親など気にしてられない。決めた。産む。
世界会議は1ヶ月に1回。
誰にも気づかれないように、ひっそりと。
この子を守らなくては。
11月
「やっほー!みんなー!ヒーローの登場だぞ!」
アメリカ合衆国の化身、アルフレッド・F・ジョーンズの登場とともに会場は静けさをつくる。
開始は10時。しかしポツポツと空席が目立つ。欠席者をとろうとドイツの化身、ルートヴィヒが名簿をとった瞬間ドアが勢いよく開く。
「ヴぇー、シエスタしてたら時間過ぎてたよォー、!」登場したのは北イタリアの化身フェリシアーノ・ヴァルガス。
「またフェリシアーノは、」
これが世界会議のお決まりである。
一方老舗ヨーロッパ民は日本国の次に早く来ている。いつも通り髪を弄るのに集中しているフランスの化身、フランシス・ボヌフォアの横に腕を組み蔑むような視線を送るイギリスの化身、アーサー・カークランドがいた。
その後、ワチャワチャしながらも世界会議は終わった。いつもなら会議担当の公務員らが化身達にコーヒーや紅茶、何か飲み物などを提供して回るが、今日は早めに出ようと荷物をとる。
「えっお前帰るのか?珍しいな」
「お前と違って俺は忙しいんだよ」
「あっ女の子がいないからかぁ。ごめんねお兄さんイケメンで♡」
「て、てめぇ、、」
殴りたい気持ちをガッと押し殺しフーっと息を落ち着かせてから一言
「まぁいい。別に言っても変わんねぇしな」
一度も振り返ることなくサッと出ていったが、会場内は1部静かになっていた。
「アーサーが、!?」「こらえたで!?嘘やろ!」
そんな声があちこちで飛び交いフランシスはグルグル思考を巡らせていた。
ヨーロッパ州から離れた席にいるアジア州はその声は聞こえていなかったはずだがある東アジア州の国はその様子を眺めていた。