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12月
産むことを伝え、益々腹の中にいるということが意識できた。2ヶ月目に突入して突然悪阻がき出して屋敷から出ることも少なくなる。
「失礼します。エドワードです」
「入れ」
ベッドにいるままエドワードを迎えハンカチを口に抑える。
「今重役に伝えてきました。リモートで良いそうです。皇族への訪問は、、、」
「明後日。直前までこうしておくから用意しっかりしときゃ大丈夫だ」
「承知しました。リモートの用意しますね」
女性でさえ個人差がすごいというのに男性だとほぼ100パーセントで辛いものが来るらしい。
生理というものを体験していないからであろう。
「、、、あそうだエド。」
「はい?」
「お前食事の時ここでとれ」
「えぇ!?」
「食堂にも言ってない。責任シェフだけに伝えてあるから」
とにかく誰にも話さない、重要機密として国の身ごもりは扱っている。知っているのはエドワード、身の回りの世話をする執事2人、そして責任シェフ。明後日皇族へ伝えるからまた少しは増えるだろうが。
「そのとき提供されるのをお前が食って、俺はなんかスープでも、、、」
「せめて屋敷の者だけにも話しませんか?サーだけが辛い思いを、、」
「いいって言っただろ!」
「、、はい」
俺だって頼りたい。でも国にとっての安心はあてにならないんだよ
結婚というのは存在しなくて同盟目的であるし
例え愛した人がいたとしても国同士だと一緒になることはできない。それは植民地になるということを意味してしまうから。それだけは
そんなこと思うぐらいなら堕ろせよって言われるかもしれないが命が生まれることすら望まれないというのがどれほど悲しいことか。だからせめて産む。そこまでが俺の任務だ。
世界会議
「─おっともう2時間経ってたね!30分休憩で!」
ザワザワとしだす室内。この時喋り出すグループは決まっているし、かたまり出すグループも決まっている。
今日の俺には日本の化身、本田菊がきた。
「こんにちはアーサーさんお元気ですか?」
「あぁ菊。いつもと変わらないぞ」
「今月は月の最後に行われた会議であったので日本では祝日が被るんですよ。宜しければイギリスへお邪魔してもよろしいですか?」
「あ、あぁ」
返事をどうするか迷った時急に吐き気を催した。
「っすまない!」
トイレへ駆け込んだのは良いものの、立ち上がれない。足が震えてるという訳でもないのに。
なんとか壁に張り付いて立ち上がり手洗い場へ向かう。ハンカチを口に抑えている自分の青い顔といったら
「はっ、、滑稽だな、」「大丈夫ですか?」
「えっえぇ!?」
なんと登場したのは菊。おもむろに菊自身もハンカチを取り出し渡してきた。
「先月から体調が悪そうでしたね。今日も朝いらっしゃった時から顔色が悪かったですよ」
「あ、あぁすまない」
体調が悪いですませれてほっとした。菊は長生きしているからか勘が鋭い。そこでまたウッとなったときふと菊が発言する
「もしかしてアーサーさんおめでたですか?」 「え?」
あぁもうダメだこれは隠せないところまで来た。
菊の真っ直ぐな目を見てそう思った。あぁと返事をしたいところだったがとてもそんなことできる体調でもなくまた便器へ向かう。
「安心してください。次の時間までまだ時間もありますし終わったあとも時間はあります。秘密にしていることぐらい私にも分かっています」
「、、、っすまない」
会議後
真横に座るフランシスが話しかけてきた。
「アーサー。このあと暇だろ?アントーニョとポルと一緒にBARに行こうぜ」
「あぁすまない。今回はやめとく」
「えぇ!?」
スペインの化身、アントーニョが思わず大きな声を出してしまう。それにルートヴィヒやアルフレッドが反応してこちらを見る。やばいやばいと思いワタワタしてしまう。
「あ、アントーニョてめぇ声でかいって」
「お前いっつも着いてったやん!?珍しっ!!」
「ほらアントーニョ。アーサーが声でけえって言ってるよ」
「あぁすまんすまん。堪忍してや」
「お、お前、なぁ!」
ここでもまた吐き気が出てくる。エドワードが外で出迎えているはずだから外へ行けばすぐに倒れ込めるのに。
この感覚久しぶりだ
周りに敵がいるような感覚。みんなの視線が集まり、もうダメかと思った時ある声が響く。
「すみません」
背の高い欧州の隙間にひょこっと顔を出す。菊だ
「アーサーさん、私と約束していたのですよ」
「えっお前菊と連絡なんかとってたのかよ!」
「わ、悪いかよ」
「すみません人気のお店へ行くので私たちはここで失礼させていただきます」
「なんの話ししてたんだい?」
「アル。」
「飲みいこーやーって話やで。アルには程遠いな」
「お、俺にだって酒ぐらい飲めるよ!」
「シェイク片手に何言ってんのさ」
「甘い方が好きだからさ!」
「じゃアルフレッドにはまだ早いな」
ビールが有名なルートヴィヒがサッと言う。
「俺のおすすめの店へ行くか?今日は会議にしっかりと参加してくれたし兄さんも暇だと怠けていたから」
「ルーイはいくのか?」
「あぁまぁ。フェリシアーノはどうする?」
「俺も行こっかなぁ親分がいるなら兄ちゃんも来ると思うよ」「はぁ!?」ロマーノが赤面する。
それに反応してアントーニョは嬉しそうにニヤニヤする。
「4人、参加するよ」
ドイツ、南北イタリア、プロイセンの参戦と聞いたらほかの国々も参加をしたいと言い出す。
再びザワザワしだす会議場を背中に体を支えながら菊はゆっくりと歩幅を合わせてくれる。
「ほんとうに、すまない」
「謝らないでください。これが当たり前なんです」
「ゆっくりお話しましょう」
車の中でもエドワードにソワソワさせながら二人一緒に乗り込んだ。
屋敷へつくと俺はベッドに、菊は椅子に座り込む
「エド。もういいぞ」
バタンと扉が閉じたのを皮切りに俺から喋り出す
「2ヶ月。相手は、知らない」
「知らないんですか!?えぇと、、」
困らせてしまっただろうかモゴモゴと口を動かすがキリッとしてこちらを向く。
「それでもまずは、私に話すという決心をしていただきありがとうございます。」
「こっちも、感謝しかないよ」
「産まれるのですか?」「あぁ」
「国、同士であれば産まれる子にも影響はあるのでしょうか、」
「まだ分からないんだ。医者にもどうとも言われなかったしな。でも、国だったとしても男性が出産するのはリスクがあるんだと。」
「体の作りは女性と男性では違いますからね」
「あぁ。悪阻も長くなるだろうと、言われた」
「、、、あの少し提案してもよろしいですか?」
「なんだ?」
「私、しばらくお邪魔してもよろしいでしょうか?」「え?」
「誰にも知られたくないなら尚更、サポートするのは当たり前です。それに私は妊娠中の心得もあり1部の思いはアーサーさんの子が元気に生まれるのを見たいということもありますが、」
ガッと両手を握り下を向く
「、、、っ頼む!!」
「、、はい。よろしくお願いしますアーサーさん」
ニコッと笑い手を握り返してくれた。ここでまた気持ち悪くなり菊は体制を変えるのを手伝う。
「ほんとうにありがたい、でもなぜここまで、」
「───見てきた経験がある故、ですかね」