この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、事件等には一切関係ありません
「そうか。そう……だったな」
「栗橋さん?」
僕に第一夜を思い出させた佐伯は、幼さの残る口調で僕を呼んでいる。
手に持った携帯からは、不安げな佐伯の声が聞こえる。
僕が栗橋と名乗る前、一夜だけ自らが走り回った夜。
直前まで辿っていた記憶に、息を吐く。
今ならばよくわかる。
栗橋と佐伯は、時間軸の異なる同一人物だ。
ゲームのプレイヤーは喰われてゲームオーバーになり、この世界に囚われたまま記憶を無くし、今度は自分が元凶となって友人知人をこの悪夢に引きずり込む。
そして、元凶は都合よく、自分のことを忘れていくのだ。
一度死んだプレイヤーが「元凶」であるなら、佐伯たちの初期状態にも合点がいった。
プレイヤーがスタート時に持っている記憶は、元凶が本来持************
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