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セーフハウスの狭い脱衣所
太宰は目の前の難問に頭を抱えていた
自分のシャツ一枚に包まれた中也が眠たげに目を擦りながらトコトコと寄ってくる
「だざ………ねむ……」
「だめだよ中也、火薬の匂いがこびりついてる。まずは汚れを落とさないと」
「ほら、私が洗ってあげるから」
大人の中也なら「手前が洗うだと?殺すぞ!」と喚き散らす場面だが今の彼はされるがままにシャツを脱がされ真っ白でモチモチした肢体を晒している
太宰は深呼吸した
(落ち着け、相手は3歳児だ。中身はあの小癪な中也だけどね)
浴室の湯気に包まれると中也は初めて見るシャワーの飛沫に「ひゃっ」と声を上げ太宰の太腿に必死にしがみついた
「こわ…い…あめ、ふってる…」
「ふふ、雨じゃないよ。ほら、温かいだろう?」
太宰は中也を膝の間に座らせ、丁寧に泡立てたタオルで小さな背中を撫でる
大人の中也の体は幾多の死線を越えた傷跡と鍛え上げられた筋肉の塊だ
だが今の肌は吸い付くように滑らかで驚くほど柔らかい
「…だざ、いいにおい」
「それは石鹸の匂いだよ。……あ、こら、動かないで。目に泡が入るよ」
中也は気持ち良くなったのか太宰の胸にぺたりと背中を預けくつろぎ始めた
太宰の長い指が中也の細い首筋や小さなくびれをなぞる
無意識のうちにその手つきは洗うという目的を超え愛玩動物を愛でるようなねっとりとした愛撫に近いものへと変わっていく
(……ああ、いけないね。今の中也は私の言葉を疑うことすら知らないのに)
太宰の指先が中也の耳裏に触れた
中也が「くすぐったい」と身をよじり太宰の顔を見上げる
濡れた髪が額に張り付き大きな瞳には信頼の色だけが灯っている
「……だざ、だいじ?」
「……………ああ、大事だよ。世界で一番手のかかる宝物だ」
太宰は中也の頬についた泡を親指でゆっくりと拭った
その指先が幼い唇をなぞる
中也は無邪気にその指を食もうとして太宰の指先を甘噛みした
「………っ」
背筋に走るゾクリとした熱
「中也、それは大人になってからやる事だよ」
太宰の声が少し低く熱を帯びる
湯気の中で赤く染まった中也の肌
記憶がないからこそ本能で太宰を唯一の何かだと認識しているようなその態度
太宰は中也の小さな体を抱き上げわざと耳元で囁いた
「早く大きくなってよ。そうじゃないと私の理性が先に壊れてしまう」
中也は首を傾げ太宰の首筋に顔を埋めた
「……たざ、あったかい…………」
心臓の鼓動が重なる
太宰は中也を湯船から引き上げるとバスタオルにくるんで強く抱きしめた
🌟🎈(nrkr)/宇宙
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