「夢に向かって順調だな。和也!」
僕の書いた論文を父さんに見せたら凄く喜んでくれた。今僕は大学が用意してくれている寮に住んでおり、半年に一回程度実家に帰る。
「でも少し痩せすぎよ。栄養が足りてないと頭も回らなくなるわよ。」
母さんは少し心配しているらしい。今日はいっぱい母の味を食べさせてもらおう。実際ここ最近は研究に没頭してあまり食べれてなかった。
「チコの墓に行ってくる。まだ夜ご飯まで時間あるでしょ。」
そう僕が言うと父さんと母さんは静かに頷いた。
チコの墓は家の庭の隅に置かれている。今時は墓を作ることは珍しいことで、ましてやロボットの墓を立てたなんて周りから見れば変人だろう。でもこの墓はチコの為のものであり、僕の夢の礎でもある大事な物なのだ。僕は墓に手を合わせ、家に戻った。
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