テラーノベル
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#ドッキリ
ある日、若井はなんとなくスマホをいじっていた。
SNSを流し見していると、ふと見慣れない言葉が目に入る。
「夢小説?」
聞いたことはあるような、ないような。
少し気になって、そのまま検索してみる。
出てきたのは——自分たちの名前。
「……は?」
思わず声が漏れた。
スクロールしていくと、どうやらファンが書いた物語らしい。
「え、これ俺ら……?」
半信半疑のまま一つ開いてみる。
内容を読み進めていくうちに、若井の口元がじわっと緩んだ。
「はは、なにこれ……おもろ」
現実とは違う設定、やたら甘い展開。
ツッコミどころだらけなのに、不思議と嫌な感じはしない。
むしろちょっと面白い。
「涼ちゃーん、ちょっとこれ見て」
隣にいた涼ちゃんにスマホを差し出す。
「何?」
興味なさそうに受け取った涼ちゃんは、画面に目を落とす。
数秒、無言。
そして次の瞬間——
「……なんだこれ。気持ち悪い」
即答だった。
そのままスマホをぐいっと若井に押し返す。
「え、そんな言う?」
「いや普通に無理。なんで僕らがこんなことしてんの」
眉をひそめたまま、露骨に嫌そうな顔。
若井は苦笑しながらスマホを受け取る。
「いやまぁ、ファンの人が書いてるやつらしいけどさ」
「だからってさぁ……」
涼ちゃんはため息をついて、そっぽを向く。
若井はもう一度画面に目を落として、小さく笑った。
「でもさ、ちょっと面白くない?」
「面白くない」
即答。
「即否定じゃん」
「当たり前じゃん」
ぴしゃりと言い切る涼ちゃんに、若井は肩をすくめた。
それでも、なんとなくもう一度スクロールしてしまうあたり——
若井も案外、嫌いじゃないのかもしれなかった。
次回500
コメント
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おっと......こちら側の世界へようこそ🎸さん ( ( (