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「ねぇ麗蘭、知ってる?」
「何なに?」
「『人生転売ヤー』!」
「あ〜! なんか話題のやつだよね!人生を売ってく、みたいな?」
「そーそー!」
私達が 放課後の校舎で話していた話題は、「人生転売ヤー」についてだった。
聞いた話によると、「人生転売ヤー」は、自分が吸い取った「人の魂」を人生として、他の人に売りさばいていくらしい。
そしてそれを買った人は、たいてい命を奪われるんだとか―――。
それは何故かと言うと、
“人生転売ヤー が自分の人生を奪っていったから。”
だ。
その自分の人生も、他の人に売られていくんだ。
その「人生を買う」提案をされた人は、彼の圧に逆らえないらしい。
「ほんっと怖いよね〜。 ま、どうせデマカセだろうけど。」
「だよね笑 こんな噂、嘘としか思えないよね笑」
「うんうん。 だって、人生に飽きた人の所にやってくるんだもん。」
「だよね! 安心安心!」
そう軽く話を終わらせてから、私は靴箱に行こうとした。
―――でも、私の足は棒のように止まってしまった。
目の前に立ち塞がる物があったからだ。
いや、「人」があった。
それは―――
「新しい人生、買ってかない?」