テラーノベル
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本日はソニアの妹、ミニソニアがやって来る。到着は夕方の予定だ。
それまでは特にやることもないので、ビーチでのんびり日光浴を楽しむことにした。
「ジリジリと照りつける日差しが眩しいぜ」
ジャガーにもらったサングラスをかけ、ビーチベッドに寝転がる。
丸一日肌を焼けば、俺も夏男――。ソニアの妹を迎える頃には、ワイルドな陸サーファー風のNTRキャラになっているかもしれない。
ジャガーはナンパに夢中、ソニアや爺やたちは妹ちゃんを迎える準備で忙しい。
そのため、ビーチにいるのは俺一人だった。
静かな波の音を聞きながら、ゆったりとした時間を過ごす。
たまには、こういう穏やかな海も悪くない。
「うわ豚が寝転がってる。焼き豚だぁ!」
「ほんとだ、豚だぁ!」
クソガキどもめ、次俺を焼き豚とか言った奴は王子の権力を使って殺す。
「豚だ豚! アハハハ、豚が寝てるや!」
よーし、余は寛大な男だ、次言ったやつを殺す。いいのか母親? 余は恥も外聞もなく王族の権力を傘に着れる男だ。止めさせないと後悔することになるぞ?
「ちょっと、そこの豚さん、豚さーん」
「お前いい加減にしろよ! 俺は子供だろうが容赦せんぞ!」
「なにを容赦しないんです?」
俺を見下ろしていたのは艶のある黒髪の少女。歳は俺と同じか1個下くらいで、透き通るような綺麗な白肌をしている。
南国の島なのに、ジャケットにブラウス、青のチェックミニスカートと制服みたいな格好をしている。
ポケットに手を突っ込んで、気だるげな雰囲気が漂っており、風になびく長い髪を鬱陶しそうにしている。
「うーん黒」
風になびくスカートから下着が覗くも、彼女はそれに気づいていないようだ。
「あのー聞きたいんですけどー、この島にラウル・グランツって人いますよね」
「うん、いるよ」
「その人の屋敷に案内してほしいんですよー」
「いいよ」
この子もしかして……。
彼女の後ろを見ると、侍従と思しき女性が数人見える。
あー間違いないな、ソニアの妹ご一行だろう。ただ妹がわざわざ声をかけてくると思えないので、この子は妹ちゃんの騎士? もしくは友達かな。
「って言っても簡単だよ、向こうの丘の上に見えてる屋敷だし」
「あぁあそこ、結構遠いな……」
少女はだりぃと言いたげに顔をしかめる。
「島を巡回している馬車があるし、それに乗ると良い」
俺は丁度来た馬車を指さそうと立ち上がると、クソガキが不意に俺の後ろに周り俺の海パンをずり下げる。
「丸出しだぁ! キャハハハハ!」
悪ガキどもは笑いながら走り去っていく。
丸出しの俺はしばしフリーズ。眼の前の少女が悲鳴を上げるかと思ったが、彼女は俺の下半身に視線を下ろすと視線を戻してから、もう一度下半身を見る。綺麗な二度見だ。
「…………」
「失敬、プリンスのプリンスが出てしまったようだね」
俺は紳士的にパンツを上げると、少女は遅れて「ギャアアアアアアア!」と汚い悲鳴を上げる。
すると侍従っぽい女性が駆け寄ってきて、「この痴漢男め!」と彼女と共に殴る蹴るの暴行を受けた。
「こんの変態! 露出魔! 死ね!」
ギタギタにされた俺は、砂浜に顔面をつけ腰をあげたしゃくとり虫のポーズで倒れる。
ケツにはビーチフラッグを突き刺されて、酷い姿だ。
「これだからリガルドなんかに来たくなかったんだから!」
怒り心頭した少女は、侍従達とともにそそくさと馬車に乗り込んで屋敷へと向かっていた。
◇
酷いものを見せられたと怒り心頭するソニアの妹、ロゼリアは切り替えようと声音を調整する。
「あーあーお姉様、お姉様、お姉様♡ よし、いける」
発声練習を終えると、馬車はラウルの屋敷近くへと到着。
さすが王子、目もくらむような豪邸に住んでいると思いながら大扉を開いて屋敷の中へと入った。
「お姉さまっ♡」
ひらひらとスカートを揺らしながら、屋敷の中にいたソニアへと抱きつく。
彼女は姉の前では、あざと妹キャラを作っていた。
「やっと会えました〜! お姉さまったら、全然帰ってきてくれないんですもの! もう、すっごく寂しかったんですからぁ!」
ソニアの腕にしがみつき、甘えるように頬を擦り寄せる。ソニアはその勢いに少したじろぎながらも、嬉しそうに微笑んだ。
「随分と早かったな、到着は夕方だと聞いていたがまだ昼だぞ」
「お姉様に会いたくて早くに来てしまいました♡ それでお手紙で話してくれたラウル王子はいずこに? ご挨拶をさせていただかないと」
「それがまだ帰ってきてないのだ。多分まだビーチで遊んでいるのかもしれん」
「あっ、ビーチで思い出しました。この島変態の露出狂が出ますよ!」
「露出狂?」
「そう、丸出しです! 話してたら突然丸出しにする男です!」
「そんな危険な男がいるとは、許せんな」
「お姉様、やはりリガルドは危険なのでは? 早くトリスタンに帰ってきて下さい」
「ん、ん~む……」
ソニアが言い淀んでいると、玄関から音がする。
「あっ、帰ってきた」
「それではわたくし、失礼のないようご挨拶に参ります♡」
ロゼリアはルンルンとスキップで玄関に行くと、金髪の水着姿の少年がさっきの丸出し男に肩を貸して歩いていた。
「誰か来てくれ!」
ジャガーが声を荒げると、ソニアやステラ達が駆け寄ってくる。彼女たちはボロボロのラウルを見て悲鳴を上げる。
「まぁなんてことなの!?」
「一体何があったんだ!?」
「ビーチでボコボコにされて寝転がされてたんだ。ケツにビーチフラッグまで突き刺さってて、人間のやることじゃねぇよ!」
ジャガーが悔しさの滲む声で叫ぶと、ステラはふらっと倒れ、ヨハンナは「反政府軍か!? それともタランチュラの野郎が来たのか!?」と憤る。
「おのれ、王子をこのような目に合わせるとは許せん! ロゼリア、来る前にビーチに寄ったと言っていたな? 何か怪しい奴は見なかったか!?」
ソニアに聞かれ、ロゼリアは嫌でもその丸出し少年の正体に察しがつく。
「あ、あの……お姉様、まさかとは思いますが、そちらの”ふくよか”な方がラウル王子?」
「ああ、ダークラインでリガルド、ギデオン、トリスタンを率いて魔獣を打ち破った英雄だ。彼のおかげでリガルドと他国の国交が正常化していると言っても過言ではない。世界平和に必要な人物と言ってもいいだろう! これがもし戦争を望む他国の人間の仕業なら、国際問題は免れん!」
拳を握りしめ、憤るソニア。
ジャガーは顔をしかめ、ゴクリと息を呑む。
「こりゃ戦争になるかもしれねぇぞ……」
「ヨハンナ様、海賊騎士たちに出動要請を。賊が船で逃げるやもしれません!」
「わかった!」
爺やは「よくもラウル様を、仇討ちですぞ!」と息巻いている。
ドタバタした屋敷で、汗だくになったロゼリアはゆっくりと手を挙げる。
「どうしたロゼリア、何か怪しい奴を見たのか?」
「い、いえお姉様……それ、わたしがやりました」
「…………?」
「あの……王子とは気づかずビーチで道を尋ねたら、その……お丸出しになられまして……。勢い余って従者と共にボコボコに……」
真実が語られると、屋敷がシンと静まり返る。
「わ、わたし、もしかして処刑でしょうか?」
「最悪リガルドと戦争かもな」
こいつ王子だしと、ジャガーがポツリとこぼすと、ロゼリアは青ざめる。
コメント
1件
ぎゃははははは!!!!もう最初から最後まで爆笑しっぱなしだったよ!!😂💕 悪ガキに海パン下ろされるラウルとか、冷静に「プリンスのプリンスが出た」って言い放つとことか、ソニアの前であざと妹キャラ炸裂させてたロゼリアがまさかの本人だったオチ…最高すぎて頭抱えた😭✨ 二度見のギャグセンスも秀逸だし、屋敷のドタバタ感と静まり返る空気のギャップが神がかってたよ!! ラウルほんと可哀想だけど面白すぎて笑いが止まらんかったw 次話も待ってるね!!🌸
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ありんす
1,095
ねこなさま🐈⬛💘
7
す㍄
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