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#普通
野々さくら
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ありあ
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忍はそこでVHSを一時停止した。
それまで流れていた映像が止まり、ブラウン管の中で貴船の姿が静止する。
「この番組はね?」
忍はテレビへ目を向けたまま説明を始めた。
「1994年から96年までの
2年間放送されてた番組でね」
信愛は先ほどの番組説明を思い返し、不思議そうに首を傾げる。
「さっき観てる人の証言を頼りに
解決って言ってましたけど
それってどう言う意味ですか?」
「昔はこの手の番組が多かったんだけどね
生放送で未解決事件の概要を公開して
番組を観てる人に情報提供を呼びかけるんだよ」
「なるほど・・・その情報を使って
未解決事件を解決させるんだ」
茜が納得したように頷く。
焔垂も感心した様子で口を開いた。
「今は殆ど、こういう番組やってませんよね?
モキュメンタリー作品とかでなら
それっぽいヤツ観た事ありますけど」
「まあ、今は昔と違って
テレビ持ってない家庭も増えたからね」
「あぁ、確かにそうですね。現に俺も
テレビなんて殆ど観てないですから」
そこで茜が、ふと思い出したように忍を見る。
「でもなんでこの番組をウチらに?
参考になればって言ってましたよね?」
信愛も続けて問いかける。
すると忍は、どこか意味ありげな表情を浮かべた。
「本題はここからさ」
そう言って、再び再生ボタンへ手を伸ばす。
「続きを再生するね?」
「は、はい・・・」
信愛の返事を確認すると、忍はVHSの再生を再開した。
停止していた画面が動き出し、再び貴船の声が会議室に響く。
◇ ◇ ◇
「そして今週もこの方にご協力をお願いします」
画面の中の貴船が、カメラの向こうへ視線を向ける。
「霊媒師の御船愛子さんです
御船さん、よろしくお願い致します」
貴船の言葉の直接、画面が切り替わり、和装姿の若い女性が映し出される。
「はい、よろしくお願い致します」
御船愛子と呼ばれている女性は、カメラに向かって一礼する。
その瞬間。
「ああああああ!」
突然、茜が大声を上げた。
「な、なんだよ急にでかい声出して」
焔垂が驚いて茜を見る。
しかし茜は興奮した様子で、ブラウン管テレビを勢いよく指差していた。
「信愛じゃん!信愛が出てる!
ほら!この女の子の人!」
茜の指の先。
古びたブラウン管の中には、『御船愛子』という名の、信愛と瓜二つの女性が映し出されていた。
龍河は何も言わず、ただその顔をじっと見つめる。
「な、なに!?この人!?」
信愛自身も、画面の中の女性を見て目を見開いた。
焔垂も信愛と画面を交互に見比べる。
「た、確かに・・そっ、そっくりだな・・・」
だが、すぐに朝陽があることに気づく。
「で、でもこの番組は94年から96年なんでしょ?」
「そうだよ!産まれる前だから信愛な訳ないよ!」
さくらの言葉に、茜はますます混乱したように声を上げる。
「じゃあ誰なの?この信愛に似てる人!」
信愛は答えられなかった。
いや正確には『答えられるはずがない』が正しい。
自分が産まれるよりも遥か昔の話なのだから。
1994年に放送されたテレビ番組の中に、自分と瓜二つの女性がいる。
そして、その女性の名は御船愛子。
信愛はブラウン管に映るその顔から、目を離すことができなかった。
「誰なんですか?この御船愛子って」
信愛は忍に説明を求めた。
コメント
1件
うわあ…やっぱりこの話、好きだなあ。信愛そっくりの霊媒師が画面に映った瞬間の茜の叫び、めっちゃ衝撃だった。94年から96年の番組ってことは、信愛が生まれる前の話でしょ?それなのに瓜二つって…伏線なのか偶然なのか、もう気になって仕方ない。忍さんの「本題はここから」もゾクッとする言い方だし。続き、すごく気になります😭