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#普通
野々さくら
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ありあ
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忍は、ブラウン管に映る女性を見つめながら、その名を改めて口にした。
「御船愛子・・・この番組に毎週
レギュラー出演していた霊媒師だよ」
「霊媒師?」
信愛が聞き返す。
すると焔垂が、疑問を口にした。
「でも番組って未解決の事件を
解決しようっていう番組ですよね?
そんな番組になんで霊媒師が?」
「この御船愛子は、本物の霊能力者
として有名だった人でね
『千里眼』が使えたと言われてるんだよ」
「せ、千里眼?」
聞き慣れない言葉に、茜が目を丸くする。
焔垂はすぐにその意味を思い出した。
「千里眼って確か、遠く離れてる場所の
出来事とか、隠されてる物事とかを
見通す事ができる超能力の事ですよね?」
「おお、詳しいね。そう!
君の言う通り千里眼はそういう力だよ」
「へえ〜・・そんな力があるんだ」
朝陽が感心したように呟く。
忍は再び御船愛子へと視線を向けた。
「御船愛子はその千里眼を使って
未解決事件の被害者の遺品から被害者の念を霊視して
事件解決の糸口を見つけるって役割を担っていたんだ」
「被害者の念を霊視・・・」
信愛がその言葉を小さく繰り返す。
聞けば聞くほど、現実離れした話だった。
さくらも眉をひそめる。
「なんかめっちゃ胡散臭く感じるんだけど」
「確かにそう思ってしまうのも
無理は無いな。けどね──」
忍はそこで一度言葉を切った。
「御船愛子が霊視した未解決事件は
『100%』解決してるんだよ」
「ひゃ、ひゃくぱーせんと!?」
茜の素っ頓狂な声が響き渡った。
朝陽も驚きを隠せない。
「て事は千里眼が使えるって言うのは・・・」
「ガチって事になるよな」
焔垂が呟く。
偶然やまぐれという言葉では、到底説明できない数字だった。
忍はそんな彼らの反応を見ながら話を続ける。
「だから毎週、未解決事件調査隊では
御船愛子の霊視コーナーがあったんだ
そのコーナーはそれは凄い人気でね」
「確実に解決するんなら
誰だって観たいって思いますよね」
「ああ、そういう事だ」
忍は頷いた。
「その結果、平均視聴率は29%
最高視聴率は38%だったんだ。まあ
放送していた時間帯が土曜日の21時だったから
それが味方した結果ではあるんだろうけどね」
「にしてもすごいよね」
「ああ、38%なんて今はまず無いだろうな
そんなバカみたいな視聴率・・今なら
2023年のWBCレベルじゃなきゃ出ないよな」
茜と焔垂が感心する中、信愛は改めてブラウン管の中の御船愛子を見つめた。
信愛とあまりにもよく似た顔。
ただの他人とは思えないほど、その面影は重なっている。
「かなり影響力があった
すごい人だったんだね」
「社会現象レベルだよね」
さくらと茜は感心する。
するとその言葉を聞いた朝陽が、少し考え込むように信愛を見る。
「でもやっぱ信愛先輩に
似てることが気になりますね」
すると茜が、何かに気づいたように声を上げた。
「やっぱこの御船愛子が
信愛のお母さんなんじゃない?」
「え!?」
信愛が驚いて振り返る。
茜は信愛とブラウン管の中の女性を交互に見比べた。
「いやだってさ?こんなに似てるしさ」
あまりにも似すぎている二人。
「おまけに霊媒師でしょ?共通点あるじゃん?」
茜の言葉に、朝陽も考え込むように頷いた。
「た、確かに・・・顔が似てるって だけだったら
『他人の空似』で否定できたかもしれませんけど
霊媒師って言われたら否定できないかもですね」
焔垂も完全には否定できないらしい。
「確かに『んな訳ねーだろ』
とは断言出来ないよな」
信愛は何も言えなかった。
「この人が・・・お母さん?」
信愛は画面に映る御船愛子をじっと見つめる。
自分とよく似た顔。
そして、自分と同じように霊的な力を持っていたという女性。
もし本当に、この人が自分の母親なのだとしたら、何故それを今まで隠してきたのだろうか?
疑問はますます膨れ上がるばかりだった。
「編集長さん?」
茜が忍へ尋ねる。
「この御船愛子さんは今どうしてるんです?」
「それがね・・実を言うと分からないんだよ」
「え? 分からない?」
忍の表情がわずかに曇る。
「未解決事件調査隊が
打ち切りになったのが96年なんだけどね?
それと同時にメディアからも姿を消したから
今何処で何をしてるのか全く情報がないんだ」
「打ち切りって・・・」
朝陽が引っかかったように呟く。
茜も同じ疑問を抱いたらしい。
「でも視聴率が38%もあったんでしょ?
そんなオバケ番組が何で打ち切りなんかに?」
その問いに、忍はすぐには答えなかった。
先ほどまでの懐かしそうな雰囲気が消え、その顔にどこか重いものが浮かぶ。
「それがね──」
忍は静かに口を開いた。
「御船愛子が原因で
『やらせ疑惑』が浮上してしまったんだ」
「え!?」
信愛の声が、部屋に響いた。
未解決事件を100%解決へ導いたという、信愛の母親かもしれない伝説の霊媒師。
そんな彼女にかけられた『やらせ疑惑』という言葉が、新たな謎となって信愛たちの前に立ちはだかった。
コメント
1件
×××さん、こんばんは、あおいです🤍 今回もじっくり読ませていただきました。信愛さんと御船愛子さん、顔が似ているだけじゃなくて、どちらも霊媒師っていう共通点──これが「ただの他人の空似」だと片付けられない違和感を、少しずつ確信に変えていく流れが絶妙でした。特に「100%解決」という数字が、すごく胡散臭いのに、でもやっぱり気になってしまう引力を生んでいて。そこから「やらせ疑惑」という新たな謎が出てきたところで続くのが、もう気になって仕方ないです。 信愛さんが自分の母親かもしれないと向き合う瞬間の、何も言えなくなる感じがとてもリアルで、胸が締め付けられました。続きを楽しみにしていますね🌷