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ナミも腰ふりストーカー男もちゃんと仕事しなさい‼️ 2人がとってもお似合いなんだけどな〜

ついに月曜日ー!!凛ちゃん朝から奈美と腰振り男に絡まれたけど、反撃はこれからよ🤣行け行け凛ちゃんー!!
まだ張り合おうとする奈美と西岡が痛過ぎる… 哀れなお🎠🦌ペア👫
月曜日、凛はいつも通り会社へ向かった。
電車の吊革につかまり、流れる景色を眺めていると、自然と頬が緩む。
颯介との夢のような時間を思い返すたび、胸の奥がふわりと温かくなる。
自分が颯介の婚約者になったという事実が、まだどこか現実味を帯びていなかった。
昨日はあのあと、二人でシャワーを浴び、颯介は凛を送りがてらブランチに連れていってくれた。
秋晴れの澄んだ空の下、カフェのテラス席でゆったりと食事を楽しみながら、穏やかな時間を過ごした。
ストーカー被害のことなどすっかり頭から消え、凛は久しぶりに心から幸せな休日を味わった。
にやにやしたまま外を眺めていると、車掌のアナウンスが降車駅の名を告げる。
凛はようやく我に返り、気を引き締めた。
(だめだめ……仕事モードに切り替えなくちゃ!)
そう自分に言い聞かせ、電車を降りた。
社内に入りデスクのあるフロアへ向かうと、いつもより早く奈美が席にいるのが目に入った。
(珍しいわね……)
そう思いながら席につき、パソコンを立ち上げてメールをチェックする。
すると、背後から声がした。
「二階堂さん、おはようございます」
振り返ると、奈美が立っていた。
凛は驚きを悟られないようにしながら挨拶を返す。
「おはようございます。今日は早いですね。どうかしましたか?」
「実はちょっとお話があって……少し廊下でいいですか?」
「……分かりました」
凛は嫌な予感が当たったと感じたが、奈美が何を考えているのか知りたかったので、素直に従った。
フロアにはまた人がまばらで、二人のやりとりに気づく者はいない。
廊下の突き当りまで行くと、奈美が切り出した。
「私、真壁さんのこと、諦めませんから」
あまりに直球な宣言に、凛は思わず目を見開いた。
(ずいぶんストレートに来るじゃない……)
「いったい何の話?」
「とぼけないで! あなたも真壁さんを狙ってるんでしょう?」
「何を言ってるの? 私と真壁さんは仕事で組んでるだけよ」
「嘘つき! そのネックレス、彼に買ってもらったんでしょう?」
奈美は凛の胸元を忌々しげに睨みつけた。
「どうしてあなたがそんなこと知ってるの?」
直球には直球で返す……それが気の強い凛のやり方だった。
「そっ、それは……」
奈美が言葉に詰まるのを見て、凛は心の中で大きくため息をついた。
「想像するのは自由だけど、それで絡むのはやめてくれない? 仕事の相談ならいくらでも乗るけど、こういう個人的な話をあなたとするつもりはないの。それに、今日は月曜で忙しいし……もういいかしら?」
「………」
何も言い返せない奈美を見て、凛は冷たく言い放った。
「じゃあ、戻るわね」
凛が去っていく背中を、奈美は悔しそうに睨みつけていた。
ぶつぶつ文句を言いながらデスクへ戻ると、ちょうど同期の理恵が通りかかった。
「おっはよう、凛! どうしたの、朝からぶつぶつ言って」
「ううん……ちょっとね……」
「さっき廊下で沢渡さんと話してたでしょ? 何かあったの?」
どうやら見られていたらしい。
「うん……ちょっと『不動産王』のことでね……」
「ああ、彼女、凛が真壁さんと組んでるのを妬んでるんだってね~」
「理恵、なんで知ってるの?」
「総務じゃ有名だよ~。彼女、真壁さんが来社する日を聞いて回ってたみたい」
「そうなの?」
「うん。でも、最近はあまり聞かなくなったな~……諦めたのかな?」
「どうなんだろうね……」
(そりゃそうよ。自宅まで把握してるんだもの……)
「それより、その後どう? 真壁さんとは順調?」
にやにやしながら少し声のトーンを落として、理恵が聞いた。
(まだ理恵には婚約のことは言えないわね……)
そう思った凛は、表情を変えずに答えた。
「仕事のほうは順調に進んでるよ」
「そっか~。ふふん」
隣席の社員が出社してきたので、理恵はそれ以上踏み込まずに話題を変えた。
「私もさぁ、凛に刺激を受けて今アタック中なんだ」
「えっ、そうなの? いつの間に!」
「マッチングアプリで上玉に当たっちゃってさ~」
「うそうそ、どんな人?」
「一部上場メーカー勤務の知性派理系イケメン男子! 38歳。オタク系だから女の影ゼロ! どう? 今度こそいけそうじゃない?」
「いい、いい! 理恵、理系男子好きだもんね」
「うん。今回はちょっと手ごたえ感じてる」
「そっか~。それなら頑張らないと! 応援してるよ」
「イエッサー!」
理恵は笑顔で敬礼し、その場をあとにした。
ちょうどそのタイミングで、今度は西岡が姿を現した。
「二階堂ちゃん、おはよう!」
(げっ、腰振りストーカー男来た~~~!)
凛は今日から西岡に冷たく接すると決めていたので、そっけなく挨拶を返した。
「おはようございます」
「あれ? なんか今日冷たくない?」
(よくまあ平然と声をかけられるわね……)
凛は呆れながら、冷ややかに返した。
「気のせいですよ。それより何か御用ですか?」
「用っていうか……ほら、アレ! ちょっと相談に乗ってほしくてさ~。彼氏がいるのは重々承知だけど、一杯やりながら話聞いてくれないかなあ~。女性の意見が必要でさ~」
その図々しさに、凛は怒りで血管が切れそうになったが、必死にこらえた。
「忙しいので無理ですね。沢渡さんにでも頼んだらどうですか?」
突然奈美の名前が出たので、西岡はピクリとした。
「えっ……なんでそこで沢渡さんが?」
凛はにやりと笑い、小声で言った。
「社内で噂になってますよ~」
西岡の顔がみるみる青ざめる。
「えっ……噂って? どういう……?」
「それは、ご自身の胸に手を当てて考えてください」
そのとき、凛を呼ぶ声が聞こえたので、彼女は席を立った。
「すみません、では失礼!」
凛はさっさとその場を離れた。
残された西岡は、顔面蒼白のまま固まっていた。
(社内で噂に……? やばい……どうしてバレた?)
額に汗をにじませながら、西岡はそそくさとその場を立ち去った。