何でだろう、もう絶対にしないと誓ったのに。二度とこんな思いはしないと誓ったのに。
でもだめなんだ
毎年夏になるとあの記憶が蘇る。
なんでそうなったんだっけ?
私は、小さい頃から優等生で何も不自由のない幸せな人生を送っていた。でも高校生の頃テレビで殺人事件について特集されている番組を見て「殺人犯はどんな気持ちだったんだろう?」そう思った。
それをきっかけに本や、ネットで犯罪心理学についてよく調べるようになった。
調べていたらいつの間にか
「私も人を殺してみたい」
そう思うようになっていた。
本当はダメなんだって分かっていた。
ネットで調べていたら本当に怖いと思うことがたくさんあった。
「本当に殺していいのかな?」
そう思うことも何度もあった。
でも「人を殺したい」という誘惑には勝てなかった。
あれは夏の蒸し暑い夜だった。
どうやって殺すのが一番かな。
何度も何度も考えたせいか分からないけど恋人は想像よりもあっさり死んだ。その時「人間って意外とモロいんだな」そう思ったことをよく覚えている。恋人を殺したした後、私が殺したと分からないようにし、急ぎ足で帰った。その時は今までの人生で体験したことが無い、とても不思議な気持ちだった。きっとその気持ちを言葉に表せる人はこの世にいないただろう。同時に「あぁ、私がやったんだ。」という達成感に襲われた。それから今に至るまでたくさんの人を殺した。
特に夏は恋人を殺した時の記憶からもっとあの気持ちを味わいたい、そう思うようになっていた。
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