TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

翌朝瑠璃子は大輔の寝室で目を覚ました。時計を見ると午前9時を過ぎている。

そこで瑠璃子はハッと思い出す。


(本を読んでいるところまでは覚えているけどその後の記憶がないわ……)


そこで無意識に隣を見ると隣に大輔がいたので驚く。


(私ったら先生がいるのに先に寝ちゃったんだわ……初めてのお泊まりだったのにバカバカ!)


瑠璃子は自分の行いを悔いる。


それから瑠璃子は隣で寝ている大輔の寝顔を観察した。

少し伸びた無精ひげがワイルドだ。こうして改めてみると大輔はかなりのイケメンだった。

その時大輔が目を覚ます。


「おはよう…」

「先生すみません、いつの間にか寝ちゃってました」

「ハハッ、子供みたいにぐっすり眠っていたな」


大輔は微笑みを浮かべながら瑠璃子の唇に軽くキスをすると起き上がる。


「さぁて、せっかくの休みなんだから今日も楽しむぞ」


大輔は瑠璃子の頭を優しく撫でると寝室を出て行った。

瑠璃子も慌てて飛び起きると後に続いた。


瑠璃子は朝食にご飯と味噌汁、そして焼鮭と卵焼きの朝食を作った。大輔は味噌汁の味が口にあったのか美味しいと言っておかわりをする。

食後はコーヒーを飲みながら少しテレビを観た後、今度は二人でパンデミックを題材にしたボードゲームを始める。

二人とも医療職なのでここは絶対に譲れないと真剣に勝負をする。その結果あっさりと大輔が勝ったので瑠璃子はがっかりしていた。


それからもう一本映画を観た。今度はしっとりした大人の恋愛映画だ。

ラストはやはり切ないシーンだったので瑠璃子はまたしても号泣する。そんな瑠璃子に大輔は昨夜と同じようにそっとティッシュを渡した。


映画が終わるとお昼時を過ぎていたが、まだ二人共お腹がすいていなかったので昼食の代わりに軽くティータイムをする事にした。

瑠璃子が持ってきたティラミスの残りと大輔の家にあった冷凍ワッフルを温めてジャムを添える。

今日の夕食はレストランへ行くのでこのくらいがちょうどいい。


二杯目のコーヒーを飲み終えると、瑠璃子はまた本を物色する。大輔の本棚には医学書等の専門書の他に様々なジャンルの本が並んでいて宝の宝庫だ。

瑠璃子はその中から読みたい本を一冊選ぶと、薪ストーブの前のふかふかのラグの上に寝転がって本を読み始めた。


瑠璃子が夢中で本を読んでいると横に気配を感じる。いつの間にか大輔が片肘を付いて瑠璃子の隣に寝転がっていた。

瑠璃子が「どうしたの?」という顔をして大輔を見ると、大輔は顔を近付けて瑠璃子の唇を塞いだ。

大輔のキスはとても優しい触れるようなキスだった。それから今度は瑠璃子のおでこ、瞼、鼻、そして頬に次々とキスを浴びせる。


「フフッ、先生くすぐったい……」


瑠璃子はくすぐったくて逃げようとしたが、大輔に捉えられて仰向けにされてしまう。

大輔はゆっくりと瑠璃子に覆いかぶさると情熱的なキスを始めた。


「せっ……先生っ……」


キスは徐々に激しくなり二人の息遣いも荒くなっていく。大輔の溢れ出る情熱を瑠璃子は止める事は出来なかった。

長いキスの後大輔は一度唇を離してから瑠璃子を優しく見つめる。そして再びとろけるようなキスを始めた。

キスと同時に大輔の手のひらが瑠璃子の柔らかな身体の上を彷徨い始める。


大輔の愛撫は瑠璃子をすぐに狂わせる。その手慣れた手付きは大輔の経験が豊富である事を示していた。

その巧みな手の動きは中沢とは比べものにならない。


(あぁっ……すごい……)


大輔の手はいつの間にか瑠璃子の素肌を捉えていた。気付くと瑠璃子の口からは甘い吐息が漏れている。

大輔のキスは瑠璃子の耳、そして首筋を伝い段々と下へと下りていく。その繊細な唇の動きに瑠璃子はすっかり翻弄されていた。


「んっ……はぁっ、だ、ダメです先生っっ……」


その声を遮るように大輔の唇は再び瑠璃子の唇を塞ぐ。

くぐもった声は静かになり瑠璃子は抵抗を諦めた。


大輔は器用に瑠璃子の服を脱がせると、あっという間に瑠璃子を下着姿だけにしてしまう。

その姿を見た大輔の瞳は感動に打ち震えていた。


瑠璃子はとても美しかった。


そこから大輔は更に情熱的になる。


シーンと静まり返った静寂の中で、二人の男女の肌がぶつかり合う音と激しい息遣いだけが響いていた。

時折薪ストーブがパチパチと音を立て、裸でもつれ合う二人の傍では優しい炎が揺らいでいた。


瑠璃子は初めて感じる大きな快感の渦に飲み込まれながら切ない声を上げていた。


「あっ……先生っ……」

「……瑠璃ちゃん…愛しているよ……」

「私…も……愛して…….います」


そして二人は絶頂まで上り詰めると同時に果てた。

あまりにも強い快感を受け、瑠璃子はしばらくの間ぐったりとしていた。


少し時間を置いた後、二人はまたもつれ合う。

大輔の逞しい腕に抱かれながら瑠璃子は今女としての悦びを感じていた。

大輔に愛される事により、瑠璃子は女としての自信をすっかり取り戻していた。


(ああ……今私は愛されている……先生に愛されているんだわ……)


再び絶頂を迎えた瑠璃子の頬には、悦びの涙が伝っていた。



その後しばらくして瑠璃子は目を覚ました。瑠璃子の身体は大輔にすっぽりと包まれていた。

裸で抱き合う二人の上には毛布が掛けられている。瑠璃子が眠った後大輔が持ってきてくれたのだろう。

傍には暖炉もあるので二人の身体はポカポカとしていた。


あまりにもギュッと抱き締められているので大輔の唇が瑠璃子の鼻に触れている。大輔からは爽やかなシェービングクリームの香りが漂っていた。とても安らぐ香りだ。

大輔の身体は思っていた以上に筋肉質だという事が今日初めてわかった。外科医という職業は体力勝負なので日々筋トレを欠かさないのだろう。部屋の隅にあるダンベルを見て瑠璃子はそう思った。


大輔とのセックスはとても情熱的だった。彼のテクニックにすっかり翻弄された瑠璃子は今初めて女としての悦びを知ったような気がしていた。情熱を込めて自分を愛してくれた大輔の事が瑠璃子は愛おしくてたまらなくなる。

そして瑠璃子はスヤスヤと眠っている大輔の顔をじっと見つめた。その寝顔は穏やかで満たされたような顔をしている。


夕暮れが迫る大輔の家は相変わらず静寂に包まれていた。

木の香りと薪ストーブの柔らかな温もりに瑠璃子はすっかり癒されている。ここはまるで天国だ。


その時大輔が目を覚ました。目を開けて隣にいる瑠璃子を見ると言った。


「うーん…寝ちゃったな」


そして大輔は瑠璃子にキスをする。そのキスはしばらく続いたが大輔は名残惜しそうに唇を離してから時計を見て言った。


「おっと、レストランの予約に間に合わなくなっちゃうな。瑠璃ちゃん、一緒にシャワーを浴びよう」


大輔はそう言って瑠璃子を抱き起すと手を繋いでバスルームへ向かった。


バスルームでは大輔が瑠璃子の全身を洗ってくれた。瑠璃子が自分で洗えますからと言っても大輔は聞かない。

洗ってもらう最中、瑠璃子は大輔の繊細な手の動きに思わず反応してしまう。そこで大輔は瑠璃子の手を壁につかせると、もう一度後ろから激しく瑠璃子を突いた。


バスルームを出ると、今度は大輔がフワフワのバスタオルで瑠璃子の身体を拭こうとしたので瑠璃子は笑いながら言った。


「先生、自分で拭けます」


しかし結局は大輔に全部拭いてもらった。

瑠璃子は着替えを済ませると先に大輔にドライヤーを譲った。

瑠璃子がリビングテーブルの前の床に座り込んでメイクをしていると、大輔がドライヤーを持ってやって来た。大輔は瑠璃子の後ろのソファーに座ると両脚で瑠璃子を挟んでから瑠璃子の髪にドライヤーをかけ始める。


「先生にそこまでしてもらうなんて、なんだか子供に戻ったみたいだわ」


瑠璃子は可笑しそうに笑う。


「いいんだ。僕はずっとこうしたかったんだから」


大輔は嬉しそうに微笑んでドライヤーを当てる。



出掛ける準備が整うと、大輔は先に車のエンジンをかけに行く。

その後を追い瑠璃子も玄関まで行った。その時、玄関脇にある等身大の鏡が目に入る。


瑠璃子が鏡を覗くと、そこには大輔に愛されてすっかり肌の色艶が良くなった最高に美しい瑠璃子の姿があった。

loading

この作品はいかがでしたか?

863

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚