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「俺の中では…………奈美は……人生で初めて…………一目惚れした女だ……!」
ついに豪は、奈美に想いを打ち明けた。
覆い被さったまま、噛みつくように彼女の唇を奪う。
微かに開いた花弁に舌を捩じ込み、ヌチュヌチュと濡れた音を立たせて、無我夢中で小さな舌を絡め取った。
歯茎をなぞり、大きく舌を蠢かせ、奈美の口腔内を犯していく。
口角から唾液が溢れ、唇がベトつき、全てを喰らい尽くす獰猛な口付けには、余裕すらない。
こんなキスを交わすのは、豪にとって、初めての事だった。
獣と化していた彼を、理性が呼び戻し、我に返させる。
奈美の唇を、そっと食んだ後、豪は彼女の顔から離した。
黒い瞳を睨みつけるように見据え、ベッドの上で取り囲むと、彼女は黒い瞳を潤ませている。
「本当は今すぐにでも…………奈美を抱きたい」
彼の言葉に、少しずつ目を見開いていく奈美。
ベッドで身体を弛緩させたままの彼女を抱き寄せ、額に唇を落とした。
「だが、君が俺に求めているのは、クンニだけの関係だろう。好きでもない男とセックスしても、君が虚しくなるだけだ」
豪は顔を背け、また一つ、大きくため息をつく。
「…………カッコわりぃな……俺……」
情けない声で呟き、彼女に微苦笑しながら顔を向けると、奈美は瞠目したまま静かに涙を流している。
艶やかな唇をうっすら開き、ゆっくりと首を横に数回振った。
「違う……。違う…………の……」
か細い声音で、否定の言葉を繰り返す彼女。
(こんな口調で言われたら、抱きしめたくなってしまう……!)
豪は冷静を装い、穏やかな声で聞き返す。
「何が違うんだ?」
獰猛だった彼は鳴りを潜め、冷静な自分へ戻っていた。
「…………怖かったの……」
奈美が言ったのは恐らく、先ほどの行為の時、豪が乱暴な口調だった事を指しているのだろう。
「すまなかった……。俺もかなり取り乱して、君には、また怖い思いをさせてしまったな……」
豪は、素直に彼女へ謝罪した。