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#普通
野々さくら
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ありあ
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それから一同は二手に分かれて行動することになった。
美月と忍は、負傷した多摩雄を病院へ搬送する役目を引き受ける。
一方、龍河は怪異探求倶楽部の面々を連れ、教団が所有しているとされる新開村跡地へ向かい、囚われた銚子の救出を目指して車を走らせていた。
運転席の龍河は前を見据えたまま、助手席の信愛へ声をかける。
「白縫さん?」
「はい?」
「俺は運転中でスマホ触れないからさ
GPSアプリを確認してくれないか?」
そう言うと、龍河はスマホを信愛へ手渡した。
「は、はい!」
信愛は慣れない手つきで画面を開き、現在地を確認しようとする。
「今奴らはどこ走ってる?」
「えーっと・・・」
しかし、慣れないGPSアプリの操作に戸惑っているらしく、操作がおぼつかない。
「今は・・・都道206号線?ですかね
そこをを走ってるみたいです」
すると信愛は何かに気づいたように「あ!」と声を出し、アプリに書いてある文字を指差した。
「それと・・檜原街道って書いてありますね」
「檜原街道か・・・」
龍河は静かに呟く。
「やっぱり奴らは檜原村方面へ向かってるみたいだな」
その言葉に、車内の空気が少し重くなる。
「無事だといいけど・・・」
茜が不安そうに漏らすと、焔垂が苦笑しながら肩をすくめた。
「縁起でもねー事言ってんじゃねーよ」
「あ、ごめん」
「ううん・・・気にしないで」
信愛が小さく微笑むと、龍河は話題を切り替えるように口を開いた。
「それと君らには伝えとかなきゃな」
「伝えるって何を?」
焔垂が尋ねる。
「俺と編集長が何を調べていたのか」
「何か分かったんですか?」
朝陽が身を乗り出す。
「ああ・・・大体な」
「教えてください!」
さくらの声に、龍河は静かに頷いた。
「天縁教団が創立されたのは1980年
坪野康仙が20歳の時だ」
「45年前か・・・」
信愛が小さく呟く。
「そんな前からあったんだ」
茜が驚いたように目を丸くする。
「って事は今の年齢は65歳って事か」
焔垂が確認すると、龍河は短く頷いた。
「ああ・・・そうなる」
少し間を置いて、龍河は続けた。
「君らは編集部で観ただろ?95年当時の教団CMを」
「はい、観ました」
「あれに映っていたのが、当時35歳だった坪野だ」
「あの人が教祖だったんだ・・・」
茜の声だ車内に静かな納得が広がる。
「だが、それだけじゃない」
龍河の声色がわずかに変わる。
「教団が創立される10年前の1970年に
東亰都で奇妙な事が起きてる」
「妙な事って何ですか?」
さくらが首を傾げる。
「ああ。その資料がグローブボックスの
中に入ってるんだ。ちょっと出してくれるか?」
「グ、グローブボックス?」
聞き慣れない言葉に、信愛は不思議そうな顔をする。
「そこの物入れだ」
「ああ、これか」
信愛は助手席の前にある収納を開けた。
中には体力の書類が無造作に詰め込まれ、ぎっしりと積み重なっている。
「わ、書類の山・・・」
「あはは、悪い悪い。片付けてなかったな」
龍河は苦笑しながら言う。
「その中に紺色のクリアファイルがあるだろ?」
信愛は山になった書類を一枚ずつめくり、やがて一冊のファイルを手に取った。
「えっと・・・これですか?」
信愛は紺色のクリアファイルを手に取った。
「ああ、それだ。その中にある紙を取り出してくれ」
「はい・・・」
信愛は言われるがまま、中から2枚の紙を取り出す。
それは、どちらも地図だった。
「地図・・・ですか?」
「その新開村ってのが載ってるほうの地図が
1970年1月に東亰都の出版社から
発売された地図帳の一部なんだけどな?」
龍河は淡々と説明を続ける。
「次のほうには新開村が載ってねーだろ?」
信愛は2枚目へ視線を移した。
「はい、載ってないですね」
「私にも見せて」
後部座席から身を乗り出したさくらが地図を覗き込む。
「あ、確かに載ってないね」
朝陽が腕を組みながら考え込む。
「合併して無くなった感じですか?」
「まぁ、普通はそう思うよな」
龍河は一度頷き、すぐに言葉を続けた。
「けど・・・どうも違うみたいなんだよ」
「違うって言うと?」
焔垂が眉をひそめる。
「その後の方の地図はな、地図帳発売から
僅か1ヶ月後に発売された『修正版』なんだよ」
「い、1ヶ月後!?」
信愛が思わず声を上げる。
「やけに短くない?」
茜も驚きを隠せない。
「ああ『一部表記に誤りがあった』
ってのが理由らしいんだがな」
龍河はバックミラー越しに皆の反応を見ながら続けた。
「にしては妙だ」
車内に静かな緊張が流れる。
「1ヶ月って短いスパンで修正するのもおかしいが
最初に発売された地図帳は東亰都が自主回収したんだ」
「じ、自主回収!?」
焔垂が目を見開く。
「自主回収って・・日本にある全ての地図帳を?」
朝陽が信じられないという表情で尋ねる。
「ああ・・そうだ。コストだって
かなりの額がかかるはずなのにな」
その言葉に誰もすぐには返事ができなかった。
やがて茜がぽつりと口を開く。
「村を間違えて表記するってそんな不祥事なの?」
「そんなヤバい事には感じないけどなぁ」
さくらも首を傾げる。
龍河は静かに息を吐いた。
「編集長はその新開村は何か大きな国家の陰謀に
巻き込まれたんじゃないかって予想してる」
「こ、国家の陰謀!?」
朝陽の声が裏返る。
「ほら、陰謀論とかであったりするだろ?『疫病が
蔓延した村に火を放って証拠隠滅する』みたいな話」
「まさか!この新開村が!?」
焔垂が息を呑む。
「その確証はない」
龍河は即座に否定した。
「けど、可能性としては
あり得なくはない。そう考えてる」
重苦しい沈黙が車内を包む。
しばらくして、さくらが静かに問いかけた。
「でも、仮に新開村が本当に焼かれてた
村だったとして・・教団とどんな関係が?」
龍河は少し考えるように視線を前へ向けたまま答える。
「そこまで調べるには時間が足りなかった」
そして、意味深な一言を続ける。
「けど、その新開村が坪野が
産まれ育った村だったとしたら?」
「坪野の!?」
信愛は思わず息を呑んだ。
朝陽も腕を組みながら静かに頷く。
「なるほど・・それで人を恨んで・・・」
龍河は小さく首を振る。
「まあ、これは俺の仮説でしかないんだがな」
焔垂はゆっくりと考え込みながら口を開いた。
「でも可能性としてはあり得なくはないですね」
そしては年代を頭の中で整理する。
「1970年で言えば坪野が10歳の時・・」
その言葉に、自ら答えへたどり着くように続けた。
「その時に生まれ育った村を焼かれた坪野人や国を恨んで修理固成を企てた・・そう予測できますね」
「ああ・・・」
龍河は短く頷いた。
しかし、さくらは納得しきれない様子だった。
「でも何で焼かれたんだろ?」
茜も複雑そうな表情を浮かべる。
「そうだよね。馬場さんの予想通りに
疫病のせいだったとしても、ちゃんと治療
すれば助かった命だったかもしれないのに」
「そうですよね・・・」
朝陽も静かに同意する。
龍河はハンドルを握ったまま前方を見据えた。
「そこは分からない」
焔垂はポケットからスマホを取り出した。
「ちょっと調べてみるか」
すぐにGoogolアプリを開き『1970年 出来事』と検索する。
その様子を見た茜が苦笑する。
「いや、そんなすぐヒットする?」
焔垂は肩をすくめた。
「何事もやってみなきゃ分からねーだろーが」
すると画面をスクロールしていた焔垂の指が、不意に止まり、 何かを見つけたように「あ!」と声を上げる。
コメント
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×××さん、第282話読みました!龍河たちが新開村へ向かう車中、地図帳の自主回収の話がめっちゃ気になる…。1970年に何があったんだろう。教祖の生まれ育った村が焼かれた可能性とか、ゾクゾクする展開だわ。焔垂がGoogle検索し始めたところで終わったから、続きが早く読みたい🔥