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「なんだ?どうかしたか?」
龍河がバックミラー越しに焔垂に尋ねる。
「1970年って『大阪万博』の年みたいですね」
Googolの『AIの概要』の欄には以下の文が書かれていた。
◇ ◇ ◇
1970年(昭和45年)は、大阪万博(EXPO’70)が開催され、高度経済成長期の日本が国際化と大量消費社会へ大きく転換した年だ。
大阪府吹田市の千里丘陵で1970年3月15日から9月13日まで開催された。テーマは「人類の進歩と調和」であり77カ国が参加。
当時の最高記録である約6422万人の入場者を記録し、約4兆9509億円(当時)の経済効果をもたらし、日本の高度経済成長を象徴する一大イベントとなった。
なお、1940年に東京で「紀元2600年記念日本万国博覧会」が計画されていたが、戦争の影響で中止された為、1970年の大阪万博が実質的な日本初開催となった。
◇ ◇ ◇
「なるほど・・大阪万博か・・・」
龍河は納得したように頷く。
しかし茜だけは違うようで、焔垂を見下したように鼻で笑う。
「大阪万博ってあれ?個人情報抜かれるヤツ?
バカだね〜・・・あれガッツリ今年じゃん」
そんな茜を焔垂はうんざりしたように見つめる。
「茜・・一回マジで怒られた方がいい」
龍河は検索結果を眺めながら、小さく頷いた。
「大阪万博ってな。今年を
合わせて2回開催されてるんだよ」
思いがけない事実に、さくらは目を丸くする。
「そうだったんですか!?」
「1970年と2025年にな」
「知らなかった・・・」
朝陽は画面を覗き込みながら首を傾げた。
「『月の石』とか『太陽の塔』とかのヤツですか?」
龍河は指を鳴らした。
「そうそう!それだ!」
信愛は感心したように朝陽を見つめる。
「朝陽くん詳しいね」
朝陽は照れくさそうに肩をすくめた。
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
159
「前にテレビで見た事があるだけですよ」
「なるほど」
龍河は焔垂へ視線を向けた。
「八乙女くん?大阪万博はいつから
いつまでの開催だったか書いてないか?」
龍河の問いに焔垂は再びスマホへ目を落とす。
「えー・・・っと『3月15日』から
『9月13日』って書いてありますね」
「3月15日からか・・・」
龍河はハンドルを力強く握り締め、何かを思案する。
その表情に気付いた信愛が、不思議そうに尋ねた。
「どうかしたんですか?」
龍河は静かに顔を上げた。
「もしかしたら、大阪万博が理由だったんじゃないか?」
「大阪万博が?」
「新開村が焼かれた理由だよ」
さくらも信愛も、意味が分からないという表情で顔を見合わせる。
「大阪万博が理由ってどういう意味ですか?」
龍河は確認するように問い返した。
「新開村に疫病が蔓延して 焼かれた
って説が正しいって前提で話すぞ?」
信愛は静かに頷いた。
「はい・・・」
龍河は焔垂へ指示を出す。
「八乙女くん。大阪万博の
来場者数と経済効果を調べてくれ」
「わかりました」
焔垂はGoogolで検索を始めた。
しばらくして画面を見つめたまま口を開く。
「えー・・っと、来場者数は6400万人で
一日の最大は83万6千人みたいです」
「うわぁ~、そんなにすごい数だったんだ」
茜は思わず感嘆の声を漏らす。
焔垂はさらに続けた。
「今年の大阪万博が2900万人
らしいから、2倍以上の数っスね」
龍河は静かに頷く。
「経済効果はどうだ?」
「約4兆9509億円です・・ほとんど5兆円っスね」
「そんな凄かったんだ」
信愛も驚きを隠せない。
龍河は目を閉じ、ゆっくりと言葉を整理した。
「なるほどね・・経済効果さえも今年以上だったわけか」
信愛は首を傾げる。
「この数字がどうかしたんですか?」
龍河は皆を見回しながら、慎重に口を開いた。
「国は新開村の『村民の命』と『約5兆円』って
『経済効果』を『天秤』にかけたんじゃないかな?」
「どういう意味ですか?」
コメント
1件
×××さん、こんにちは。今回のエピソード、大阪万博の経済効果と新開村の悲劇を天秤にかけるって龍河さんの考察、すごく重くて胸に刺さりました。歴史の裏側にそんな視点があるんだなって。登場人物たちの反応もそれぞれ違って、信愛さんの驚きとか焔垂くんの冷静な調べ方とか、その場の空気が伝わってきました。続きが気になります。