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「おーいおいおいおいおい!まさかまさかの!ルコさんじゃねーか!」
クロエはルコサに気付いたら真っ先に近寄り__
「今まで何してたんじゃゴラァ!」
「ぐぇ!」
笑顔で見事なドロップキックをかました。
「しかも何だその格好!白いローブ神父かよ!」
「こ、これは、ちょっと色々あってね」
ルコサは起き上がって埃をはたきながら言う。
「しかし、ルコ、久しぶりだな、何年ぶりだ?」
「キーくんにだけは言われたくないよ」
「ハハ、確かに私が言えたことではないな」
「ルコも言えないけどな……」
「オリバも久しぶり!」
「久しぶりルコ……」
そう、冒険者時代は本来、私はこの四人でパーティーを組んでいた。
「んで?何でこんなところに?」
「いや~ちょっと話が長くなるけどいい?」
「いや、手短に話せ、殺すぞ」
「神の指示」
「やっぱりいい、ゆっくり話せ」
「だよなぁ、さすがに神はそこまでしてくれないかぁ」
ルコサは良くわからないことをいいながら教会の前にあるボロボロになった石像の前へ移動して話し出す。
「まず神の存在って信じる?」
「ルコさんやぁ、それをお前が言うか?よくアバレー王国でギャンブルしてきて負けて。「神も仏もいねぇ」って裸で言ってた奴がよぉ?」
その話も懐かしいな。
アバレー王国ではギャンブルが盛んでそこの依頼を達成してはルコサは毎回の様にその日に溶かして帰って来てたっけな。
「いや〜そうなんだけど……ここ最近、なんとな〜く教会に行きたくなってさ、そしたら祈りを捧げろって言われたから捧げたわけよ〜」
「それで?」
「なんというか、そしたら信じてもらえるか解らないんだけど神からの声が聞こえてさ。どうやら神の加護をもらったらしい俺」
「すまん、何言ってるのか解んねぇ」
神の加護?
またコイツはこんなオカルトを信じてるのか……
「お前ら絶対信じてないだろ」
「わーったわーった、で?本当は何でここに居んだよ?」
「神の導きって言ってるじゃんかぁ面倒くさい」
だめだ、こいつはもうダメだ。
「はぁ……んじゃ、まぁどっちでもいいけどよ、その神様はなんて?」
「解んないんだよね、ここに来いって指示だったんだけど……俺もまさかお前らに会うことになるとは思わな__」
ルコサが言い終わる前に突然屋根が崩れてきた。
「な、なんで!?」
「危ない……!」
オリバルが落ちてきた屋根を粉砕する。
「た、たすかったよ」
「ルコさんよぉ、これも神の導きかぁ?俺には神がルコを殺し__」
神がルコサを殺しにかかってる、そう言うのを途中で遮る。
「__いや、ほら見て」
そう言って崩れた屋根の方を指差すので見上げると……
「隠し部屋?」
「どうやらそうみたい、で、神がそこを見ろって俺には言ってる様に見えるけどなぁ」
「偶然だろ」
「そうかな?」
なんだ?ルコサが譲らないのは珍しいな?
クロエが普段からめちゃくちゃプライドが高くて負けず嫌いなのはみんな知ってる。
良い所でもあり悪い所でもあるのだが……
反対にルコサの方は自分が負ければ終わるものはすぐに終わらせる性格だ……なのに今回は珍しく譲ってなかった。
「まぁ、見るだけ見てみるか」
全員装備についている【風魔法】を使用して隠し部屋に入る。
部屋の壁にはびっしりと文字らしきものがかかれているが見たこともない文字だ。
「えーっと、何々?」
「読めるのか?」
「なんか色々書いてるけど今俺が読めるのはこれかな?」
【伝説の勇者の力により魔王を封印】
【魔王復活の時、それ即ち女神の復活】
【女神が復活せし時、封印解かれた者たちにより世界に『終わり』を持たらすだろう】
「ほーん、何で読めんの?」
「ん?神の加護」
便利だな神の加護。
「ま、字はよく分かんないけどよ、この絵は俺でも見えるぞ」
そう言って見えるのは山の中に龍が眠っているのが描かれてる壁画。
他にも火山の中に鳥が眠っている物。
山に亀の頭と足が書いてある物。
台風の様な風の絵の中に4本足の魔物が書いてある物。
その四つが大きく描かれていた。
「そりゃ、文字じゃなく絵だからね」
「あ?殺すぞ」
「この絵……」
良く見ると確かに見覚えがあるような……
「あ?キーさんなんかあんのか?」
私は龍が眠っている山の上に描いてある白い花を見る。
「……クバル草?」
「それってーと良くメルピグが食ってるあの草か?言われてみれば確かにそう見えるな」
「そうなると、ルコサの言っていた事が気になるな」
「え?どれ?」
「明らかにこの壁画は【魔王】か『封印解かれた者』を描いた者だろう?」
「あぁ!なるほど!」
「お前……自分で読んでて気付いてなかったのか……」
相変わらずコイツは馬鹿だ……
「じゃ、そこに行こう!これも何かの縁だし、お前らも来てくれるよな?」
「どうしてそうなる……元々クロとオリバは開拓の依頼をしてるんだぞ?」
「だから?」
「そちら側が優先だと言ってる」
「じゃあ俺だけ先行っとくね?」
「手伝ってはくれないのか?」
「あーめんどくさいからパス」
コイツのめんどくさがり屋も相変わらず変わってないな!
「じゃぁここでルコとは別れると言う事だな」
「いや〜相変わらずお前達は俺の事がよく分かってるみたいだね、んじゃ、またどこかで」
「じゃぁな」
「あばよ」
「さよなら……」
「ちっとは引き止めろよ!」
とか言いながらも足を止めずにどっか行くお前も相変わらずだよ。
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「さて、っと……神様、俺はどうしたらいい?」
【ーーー】
「え!?山!?おいおい……まさか……」
【ーーーーーー】
「うへぇ!?一応聞きますけどあの山に眠ってるのって__」
【ーーーーー!!!】
「分かりました分かりましたよ!言う通りにします!」
【ーーーー】
「はぁ……確かにこの加護のおかげでほとんどの魔法が使えるんだけど神様ほんと人使い荒いよ」
そういってルコサは転移魔法陣を展開してその場から消えて行った。