TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
トリスタがサバイバーになった話。

一覧ページ

「トリスタがサバイバーになった話。」のメインビジュアル

トリスタがサバイバーになった話。

24 - 第24話 (ゴストリ注意)

♥

20

2022年01月25日

シェアするシェアする
報告する

僕の元々いた場所に戻ろうと足を動かす度、鼓動が速くなり、息が荒くなる。


「はぁ…はぁっ…」


いつの間にか手も震えてきた。


「落ち着け僕…ここは僕のいた場所だろ?」


何とか心を保つのに必死だった。


「部屋に行って、ベッドに入って眠るだけなんだ。そんな簡単なことをするだけでいいんだ。怖がる必要なんてない。」


彼女に会いたい…。


「ダメだ!あの子のことは考えるな…」


僕は自分で自分の頬を叩いた。

痛みが広がるに連れ、自然と震えが収まった。


「よし。行こう。」


まっすぐ背筋を伸ばして、ステージを歩くように優雅に歩く。

月明かり(スポットライト)に当てられながら、とびきりの笑顔を見せて。

いつの間にか部屋の前まで来ていた。


「…あ」


また手が震えてきた。


「落ち着け…」


ここまで頑張ってきたんだ。

僕は最後の最後で諦めるような男じゃない。

ここで根性を見せてやれ。


「はぁ…」


一息ついて、部屋のドアレバーを押した。

ギィィと音がして、真っ暗な僕の部屋が視界に入る。


「何にも変わってないな…」


電気のスイッチを押して、ベッドに腰かけようと近づいたその時。


「トリスタ?」


今一番聞きたくない声が背後からした。


「ご…ゴスフェ…」


「トリスタ!!」


彼は僕に飛び付いてベッドに押し倒した。


「トリスタ…会いたかった…もう本当に、いつまで僕を弄んだら気が済むの?トリスタ」


「は、離して!」


「嫌だ!離すもんか!僕がどれだけ君の事を思ってたのか、トリスタには分かんないよね!?」


「分かるわけないだろ!?」


それに、分かっても知らないふりするかも…。


「僕は君を愛してるんだ!君もそうだろ?あの時僕を受け入れたじゃないか!」


「あ、あんな事されたのに…愛してるだって!?勘違いも程々にしてよ!受け入れてなんかない!君の一方的な愛を、僕に押し付けないで!!」


思っていたこと全てを言った。

もう懲り懲りだ、こんな事。

と、思った瞬間、彼に握りしめられていた腕の力が更に強くなった。


「痛っ」


「そっか…そうか…なるほどね。よぉく分かったよ。」


良かった…理解してくれたんだ。


「君はまだ誰のものかも理解してないって事をね。」


「え?」

トリスタがサバイバーになった話。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

20

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚