「君はまだ誰のものかも理解してないって事をね。」
「え?」
なに言ってるの?
僕は誰ものでもないし、ましてやゴスフェのものでもない。
「まぁいずれ分かることかも知れないけど、僕にも限界があるからね。戻ってきてくれたお祝いと、あの日の続きを兼ねて…
今から君を愛す(抱く)。」
「ま、待って…」
もう思い出させないで…!
「嫌だ!やめて!ゴスフェ!」
「君の瞳に映るのは僕だけでいいんだ!そして君もそれを望んでよ!さぁ、口を開けて?」
ゴスフェは懐から何かを取り出した。
白い固形物…薬?
「嫌だ…離せっ!!」
僕はゴスフェのお腹辺りを思いっきり蹴った。
「かはっ…!」
逃げないと…!
ドアレバーに手を掛けようとした瞬間、
先に扉が開いて…
「トリスタ!?お前戻ってきてたのか!?」
息を切らしながらそういった者は、トラッパーだった。
「トラッパー!助けて、ゴスフェが!!」
「ちっ、アイツ…!お前は俺の部屋に行け。場所は分かるな?」
「う、うん」
「そこで待ってろ。」
「分かった…!」
僕は逃げるように彼の部屋に向かった。
「さてと…ゴスフェ、お前いつからそんなに狂ったんだ?」
「邪魔しないでよ、トラッパー。くそっ…足が腹に直撃するなんて思ってもみなかったよ笑それにしても可愛いなぁトリスタは…」
「俺の質問にだけ答えろ。お前、一体どうしたんだ?」
「どうしたって?僕はいつも通りだよ?」
「俺からしたらお前は狂ってる」
「狂ってなくちゃキラーは勤まらないでしょ?」
コイツ、話が通じてないな…。
「悪い、言い方を間違えた。なぜそこまでトリスタに執着できる?」
「執着なんてそんな汚い表現しないでよ。僕らは愛し合ってるんだ。トリスタは僕が居ないと生きていけないし、僕もトリスタが居ないと生きていけない。」
勘違いにも程があるだろ…誰を好きになるかは否定しないが、これはさすがに止めないと。
「俺に助けを求めたトリスタの目は、完全にお前を拒絶してたぞ?涙も流してたし、体も震えていた。」
「それは僕に会えて嬉しかったからでしょ?もういいかな?僕はトリスタとお話がしたいんだ。君とのお喋りは堪らないし。」
一言多いなコイツは。
「待て。ここを出るなら俺に傷を一つ着けてから行け。」
「…本気で言ってる?」
「嗚呼。」
「ははっ!面白いこと言うね。いいよ?やってやる!」
これで時間稼ぎが出来たらの話だが…トリスタは大丈夫だろうか。
「ここじゃ狭すぎる。場所を変えるぞ。」
「そうさせて貰うよ。トリスタの部屋がボロボロになるのは僕も見たくないし。」
そう言った瞬間、いつの間にか別の場所に俺たちはいた。
ここは、儀式をする場所?
「どういことだ!?」
まさか…
《なんだか場が盛り上がっているいるようでな。私からのプレゼントだ。存分に楽しませてくれ》
本当にコイツはただ娯楽のための遊び道具として俺たちを見てるな…ま、今回は礼を言おうか。
「嗚呼。」
「一瞬で終わらしてあげるよ。」
さてと…殺るか。
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