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好きになるわけないのに

1 - 第1話-ふざけてるわけじゃない

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2025年06月01日

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💙「おまえ今日も声デカすぎ!」


🧡「え〜?しょっぴーが小声なだけやろ?」


バラエティの収録中。ゲストで渡辺と向井が呼ばれた。いつもみたいに、向井は渡辺に突っかかって笑いをとっていた。


ファンもスタッフも、これがいつものSnowManって知ってる。

だけど、その瞬間カメラが回ってないとき──

向井の視線が、ふと優しくなることに気づいてる人は、多分ほとんどいない。




「カットです!」


スタッフの声とともに、一斉に緊張が解ける。


共演者の人達が「おつかれー!」と散っていくなか、渡辺は楽屋のソファに座り込んでため息をついた。


💙「…疲れた」


🧡「しょっぴー、最近ちょっと無理してへん?」


隣に腰を下ろした向井が、自然な手つきで渡辺の水を差し出す。

ほんのちょっと、指先が触れた。


💙「ありがと」


🧡「おん」


それだけ。でもその一瞬の優しさに、渡辺の心が少しだけ揺れる。


🧡「俺がいじり過ぎたんかもな。ごめんな」


向井が不意に真面目な顔で言う。


💙「別に。慣れてるから」


🧡「そやな。でも、しょっぴーのしんどい顔、あんまり見たくないからさ」


冗談じゃない。ふざけてもない。

まっすぐな目を向けられ、渡辺は目を逸らすしかなかった。


💙「……変なやつ」


ぽつりと呟くしょっぴーに、俺は「ははっ」とだけ笑った。



🧡 (俺がこんなに本気なん、しょっぴーは気づいてないよな)

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