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「そうだ、一番大事なプレゼント忘れてたよ」
「まだあるんですか!?」
「うん」と言いながら、司さんはチャペル内にあるベンチの上にいつの間にか置いていた紙袋の前まで行き、中から白い薄手の長い布を引っ張り出してきた。
「何です?それ」
不思議に思い、その様子を見る。
「ちょっとまた、目を瞑ってくれるか?」
言われるままその場から動かずに目を瞑ると、私の頭の上で何かもそもそと司さんがやっている。ピンだろうか?ちょっと髪に何かが引っかかる感じも。
「何をしてるんです?」
「もうちょっと待ってくれ。こういうのは…… 慣れていなくて」
答えにならぬ返答しかもらえず、司さんが何をしているのか気にはなったが、そのまま目を開けずにじっとしていると、顔の前と髪の後ろに何かがフワッと被さってきた。
「いいよ。ゆっくり目を開けてもらえるか?」
優しい声で司さんはそう言うと、そっと私の左手を取った。
「…… これ?」
(目の前が白い)
「ベール?」
「そうだよ、『チャペル』に『白い服』ときたら、やっぱりこれがないとな。俺がグレーのスーツなのはまぁ、ご愛嬌って事で諦めてくれ」
嬉しそうな顔でそう言うと、司さんが私の手を引き、チャペル内にある祭壇の前までゆっくりと歩いて行く。一段、二段と階段を少し上がり、祭壇の前まで着くと、司さんが私の両手を取りギュッと強く握ってきた。
ふぅと息を吐き出し、司さんが真剣な顔を私へ向ける。
「…… 『汝日向唯は、この男日向司を夫とし、良き時も悪き時も、富める時も貧しき時も、病める時も健やかなる時も、共に歩み、死が二人を分かつまで愛を誓い、夫を想い、夫のみに添うことを、神聖なる婚姻の契約のもとに誓いますか?』」
私に向かい合い、真剣な声で司さんが告げた。
「…… だったかな?自信ないけど、確かこんなセリフだったよな」
肩を軽く竦め、司さんが自信無さな顔をする。
「映画とかでしか聞いた事無いけど、そんな感じの言葉だった気がします。私も全然自信はないですけど」
「じゃあ、唯は…… 『誓いますか?』」
「——ち、誓いますっ!!」
場違いな程大きな声で、私は即答した。そんな私に向かい司さんはクスッと小さく微笑むと、頭にかかる白いベールを持ち上げ、それをゆっくり私の後ろの方へとやった。
「では、『誓いの口付けを——』」
そう言い、司さんが私の顎に軽く手を当て、上を向かせる。言葉を合図にする様に、互いに引かれ合う唇と、ゆっくり瞼も閉じられていく。
私が精一杯の背伸びをすると、司さんは高い身長を私に合わせるように腰を折り、そっと優しく唇を重ねてきた。予想以上に柔らかくて、温かい彼の唇の感触を直に感じ、嬉しさにぶるっと身体が震える。きっと、何度も重ねてきた唇なのだろうけど、それを思い出せない私は、彼にどう反応を返して良いのかわからない。
ギュッと瞼を強く閉じ、完全に受身でいると、司さんの右手がそっと私の頬を優しく包んだ。
「震えてる…… 。嫌、だったか?」
少し離れた唇が動き、司さんが囁く。少し不安そうな声色で、私は申し訳ない気持ちになった。
「き…… 緊張はしてます」
「もう敬語はいらないんじゃないか?今の唯も、もう…… 心も身体も、俺の『妻』なんだろう?」
ほんの数センチ顔を動かしただけでも再び唇が触れてしまいそうな距離のまま、司さんがいつもよりも低い声で言った。
「そう、ですよね。でもっまだ慣れていないせいか…… やっぱりなんだか、急に普通には話せなくって」
「まぁ、いいか。そんな唯にもそそられるし」
(そ、そそられる?——え?今、『そそられる』とか言った?)
司さんの柔らかい物腰や、気遣いに溢れた普段の姿からは想像出来ぬ言葉に、ただただ驚いた。そんな私の気持ちのブレに対して司さんはクスッと軽く笑うと、私の腰をグッと抱き寄せ、彼はお尻に手を回してきた。
急にお尻を触られ、恥ずかしさと驚きとで私は「きゃあっ!」と叫んでしまう。
「可愛い反応だな」
そう言いながら、お尻を撫で続ける司さんの手の動きに身体が反応してしまい、変な声が出そうになりはじめて必死に堪える。
他に誰もいないとはいえ、ここは神聖なるチャペルの中だ。
「駄目ですよ、こんな場所で変な所触っちゃ——」
私は必死に司さんの胸を押し、抵抗した。
「駄目じゃないよ」
彼が間髪入れずに私の言葉を否定する。
「夫婦間の愛を、姦淫だと裁く神はいない」
言葉と同時に、司さんの手が私の着る白いワンピースのスカートを捲り、ショーツ越しにお尻を撫で始めた。
(——やだっ、そこばかり!)
「やぁっ!」
頬を真っ赤に染め、グッと司さんの事をまた押してみたけど、全然びくともしない。司さんがショーツの左右をずらし、私のお尻の割れ目にそれを食い込ませる。
「いい弾力だな、美味しいそうだ」
クスクスと楽しそうに笑い、今度は内股の方へ司さんの手が入ってきた。
「そこは——」
「何だ、やっぱりね」
司さんの指がクッと上にあがり、股間にまで食い込む下着に触れた。
「もう下着が濡れてるよ?唯は、イヤラシイ奥様だな」
耳元で意地悪く囁く声。優しい声色ばかり聞いていたせいか、司さんの声だとは思えない。
「子供みたいな身体なのに、ココはこんなにして…… 」
「つ、司さんがお尻だとか触るからっ!」
恥ずかしさを誤魔化すように、私は大きな声を出してしまった。
「お尻をちょっと撫でただけで、こんなふうに濡れる子はそうそういないよ?」
「え…… そ、そうなんですか?」
耳年増ではあるが、流石にそういう事には疎い。本当の事なのか、冗談なのかわからない。
「あぁ。唯はイヤラシイ子だから、こんな風に感じちゃってるみたいだけどな」
湿るショーツ越しに、司さんが軽く指を動かして私の秘裂を擦る。
「んあっ」
無意識に出てしまう嬌声に、司さんが嬉しそうに微笑んだ。
「ココは、俺を忘れてはいないみたで安心したよ」
動く指に呼応するように、下腹部から少しづつ聞こえ始める卑猥な水音。
くちゅ…… とたつ音はとても小さな音だというのに、チャペル中に響いているんじゃないかという不安が胸に湧く。
「直接触って欲しいんじゃないか?こんな布越しじゃ、あまり気持ちよくはないだろう?」
「そ、そんな事は…… なぃ…… です」
嘘だ。
記憶にはなくとも、体が司さんを覚えてる。
求めてるのがわかる。
……確かに、気持ちいい。
——気持ちはいいが、布越しに触れられるだけじゃ物足りないって、直接触って欲しいって、もっと奥も触れて欲しいって主張するように、秘裂のナカがヒクついているのが自分でもハッキリわかってしまう。
「素直じゃないな、唯。恥ずかしいからか?」
司さんはそう言うと、私の内股から手を離し、ギュッと強く抱き締めてくれた。その事に嬉しくって、司さんの身体から感じる彼の気持ちに応えようと、私も彼の背中に腕を回して抱きつき、『司さん』って名前を呼ぼうとした瞬間——
私の身体は、チャペルの中央に敷かれているヴァージンロードの上にゆるりと押し倒されてしまった。