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「——え?」
驚いた顔のまま、頭に被る白いベールを下敷きにした状態で天井を見上げる私の身体の上に、司さんが四つん這いの状態で跨る。
「赤い絨毯に、白いドレスはよく映えるな」と言うと、私の唇をキスで塞ぎ、左腕で自分の身体を支えながら、私の胸を少し強めの力で揉み始めた。
「んんんっ!」
(こ、こ、こんな場所でこれ以上なんて——流石に、駄目!)
もっと司さんが欲しいとは…… 正直想うけど、場所が場所なので、私は必死になりながら何度も彼を、今まで以上の力で押してみた。だが当然の様に押し返す事など出来るはずが無く、司さんは丹念に私の胸を揉むのを止めない。
それでも負けてなるものかと司さんの胸を押し続けていると、ギュッと閉じていた私の唇の中に、彼の熱い舌が無理やり割り入ってきた。互いの舌と舌とが触れた瞬間、ビクッと全身が震え、胸を押していた手から力が抜け落ちていく感じがする。
それどころか、全身に力が入り難くなり、私の口の中へ司さんの舌が更に深くへと入ってきた。
「…… ん、くっ…… ぁ」
まるで別の生き物みたいに、口の中で蠢く舌の動き。触れるだけのキスの時に感じたような、ほんわかした幸せな気持ちなど全く感じず、体の芯を直接弄られてるみたいな感じがする。歯茎や舌に絡みつくように動く司さんの熱い舌。胸を触っていた手は白いワンピース越しに私の胸先をくっと摘み、強めに引っ張る司さんのしなやかな指の動きに、身体が甘美に満ちて震えてしまう。
そんな敏感な部分を引っ張られたりなどしたら本当だったら痛いはずだと思うのに、気持ち良さしか感じ取れないだなんて、自分の体が信じられない。
(もっと優しくしてもらえると思っていたのに…… )
絡まる舌からたつ水音に、聴覚をも犯されながら一瞬そんな気持ちが心に湧いたが、司さんの膝が私の秘裂に当たった瞬間、そんな気持ちもすぐにどこかへ飛んでいってしまった。
「——んん!!」
司さんの膝が左右に少し動くだけで、下腹部がうずく感じがする。
「…… はぁ」
深く息を吐き出しながら、司さんの唇が私の唇から離れた。それと同時に、私の胸の中に新鮮な空気が入り込んでくる。
「息、止めていたのか?鼻で呼吸するんだ、キスする時は」
(知識としてはもちろん知ってはいたけど、そんな事、可能なの?——というか、私…… 息止めちゃってたんだ)
それどころではなかったせいか、言われるまで息をしていない事に気が付かなかった。酸欠のせいなんだろうか?頭の中が動かず、身体が痺れる様な感じがする。
「口でのキスはまだ辛そうだから、今度からしばらくはココにしようかな」と言いながら、司さんが私の着るワンピースの胸元を引っ張り、下着で覆われていた左胸をそのままに、右胸だけを露にした。
「ホント、身体は小さいのに。ね」
「き、気にしてる事言わないで下さいっ」
身長に見合わぬ大きな胸に対してコンプレックスを感じている私は、ちょっと拗ねた顔で視線を逸らした。
「俺は好きだよ」
司さんがぐっと胸の側面を押し、深く谷間を作る。そして出来た谷間に顔を埋めてきた。
「司さん…… 何か、思ってたよりもえろぃです…… 」
私の胸に埋まり、ちょっと楽しそうにしている司さんに、私は困り顔で呟いた。
「大好きな人の胸に埋まりたい願望は、誰にでもあるんじゃないか?」
「流石にちょっと解りません…… 」
そうは言ったものの、『いや、私も司さんの胸筋には埋まってみたいかも』とはちょっと思った。
「あまり、俺の素は見たくないか?もっと、優しい方がいいか?…… やっぱり」
「そ…… それは…… 」
どう答えていいのかわからない。勿論優しくして欲しい気持ちはあるが、司さんの全てを知りたいし、感じたい。さっき強めに触られた時、ゾクッとしてしまった自分もいる。布越しに秘裂を擦られた時も、もっとちゃんと触って欲しいって思ったりもしたし…… 。
私が困った顔をしていると、司さんがちょっと意地悪く微笑み、「無理に決まってるよな、唯の体はもう俺仕様になっているんだし」と言った。
意地の悪い笑みなのに、その笑みの中に甘ったるい快楽を見出してしまい、全身がぞくっとする。ギュッと左胸の先を下着越しに摘み、司さんが露になっている右胸の膨らみにキスをした。
「さっきから、司さんテンションが変ですよ?」
「仕方ないだろう?こんな場所で、花嫁衣裳を纏う妻を押し倒す機会なんて、そうそう得られるものじゃないんだ」
(花嫁衣裳?…… あ、それでこのワンピースは白いんだ)
なんて事を今更私が考えていると、司さんが私の左胸を覆っていた下着に指をかけ、ずるっと全て下へおろす。ぷるっと震えながら完全に露出状態になってしまった両胸が視界に入り、私は「ふああああっ」なんて情けない声をあげた。
そんな私をちょっと楽しそうな顔で一瞬見たかと思うと、司さんは長い舌をぺろっと口の中から出し、私の胸の先にその舌を絡ませるように舐め始めた。逆の胸先は指で軽く引っ張ったり、弾いたりして、まるで胸を玩具代わりに遊んでいるみたいだ。
「ふぅん…… んぁっ」
漏れる声が我慢できない。なんでそんなに胸ばっかり…… 。
私の胸元にある司さんの頭を両手で掴み、「ぃやっ、止めて。そんな胸ばっかり——」と声を震わせながら言うと、彼は「あぁ、胸だけじゃこっちが可哀相だったな」と言い、私の太股の方へと手を伸ばしてきた。
「ちがっ——」と言い、咄嗟に脚を閉じようとしたが、「遅い」と言いながら、先に司さんの温かい手が内腿に触れてくる。
「そんなに触れられるのが嫌か?」
内腿を撫でながら、耳元で響く司さんの低い声。嫌な訳が無い。司さんの肌を直に感じるだけで、もう全身が心地よさに溶けてしまいそうなくらいになっているのに。
(でも、場所がっ。こんな場所では——)
ギュッと目を瞑り、ブルブルと首を横に振りはしたが、場所のせいで感じてしまう背徳感が心から拭えない。
「…… 葛藤してるね。さて、唯の心はどっちに転ぶかな?」
そう囁くと、カプッと司さんが私の耳たぶを軽く噛んできた。
「ひゃぁっ」と声をあげ、震える手で司さんの服の胸元にしがみ付く。耳たぶを少し強めに噛んだり、軽く舐めたり、息を吹きかけたりとをされるたびに、全身をびくびくと震わせながら出てしまう吐息混じりの声が我慢出来ない。内腿に触れる彼の手も、優しく脚を撫で続けながら徐々に上へとあがってきている感じがする。
「弱い場所だらけで、楽しいね」
クスッと笑いながらそう囁き、司さんがそっと私の耳から唇を離してくれた。もうまともに呼吸が出来ず、肩で息をしていると、内腿を撫でていた手が純白のショーツにまで達して、ゆっくりと下へ引っ張っていく。
『イヤ』と言いそうになり、私は咄嗟に両手で口を塞いだ。あまりにも抵抗すると、司さんに本気で嫌がっているんじゃないかって思わせてしまうような気がしてきたからだ。