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花月夜れん
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柴田
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#バイオハザード
そまもんた@ペア画募集
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俺とエナは、ダンジョン探索を進めていく。禁術を試したいが、このダンジョンを調べるだけでも、いろんな収穫がありそうだ。
「おっ、光るキノコだ!」
「ちょ、アルカス⋯⋯足、はや⋯⋯」
おっと、しまった。『瞬歩』を掛けたままだったか。それにしても、魔法も使わずに、俺の『瞬歩』についてこれるとは。一体どんな原理だ?
「ふー⋯⋯、はー⋯⋯、すぅー⋯⋯」
俺がキノコを採っている間、エナは呼吸を整えている。何だか不思議な息づかいだな。
「それ、何?」
「へ!? あ、あぁ、もしかして『巡息術』のこと?よく気づいたのね」
なるほど、『巡息術』というのか。武術家特有の呼吸法か?
「えっと、呼吸で体内の魔力を循環させて、肉体の潜在能力を引き出す技術なのよさ。拳法とか、刀術とかの、武術で使う呼吸法ね。ほら、武術は筋力がメインになるから、それで⋯⋯」
「へぇっ、面白いな! もっと教えてくれないか? エナ!」
「も、ももも勿論なのよさ!」
(キャーーーーー! アルカスがあたしを頼ってるぅ! これはいよいよ、脈アリに違いないのよさ!)
思わぬお宝情報ゲットだ。魔力を循環させることができるのなら⋯⋯。フフッ、もしかしたら、魔術にも応用が効くかもしれない。
エナから『巡息術』の説明を受けながら、さらに地下へと下りていく。
「アルカス、止まるのよさ! 魔物ね!」
魔物? そんなもの、どこにも見えないが⋯⋯そう思った時である。
エナは壁に手をついて、何か確かめるように触り始めた。その後、ドカンと音を立てて、一発蹴りを入れる。
「ギギャアッ⋯⋯!?」
蹴られた衝撃でその場が大きく揺れ、天井から魔物が落ちてきた。犬のような耳⋯⋯コボルトか。短剣を持っているあたり、隠れて不意打ちを狙っていたのだろう。
「よく気づいたな」
「フフン! これも『巡息術』の1つなのよさ。『水鏡瞳』っていうよ。これなら、敵がどんなところに隠れていようが、お見通しってわけ!」
ますます興味深い! 是非とも習得したい技術だ。とりあえず、呼吸法からやってみるか。まずは見よう見まねで⋯⋯。
「ふー、はー⋯⋯、っ!?」
エナの呼吸を真似してみると、素人が勝手な解釈で試したからか、肺に激痛が走った。これは難しい。
歩きながら、俺は呼吸を続けてみる。
できないのなら、できるようになるまで繰り返すだけだ。思えば、前世でもこんなふうに修行をしたっけ。あの時の俺は、まだ魔力すら扱えず、知覚するのがやっとだった。
⋯⋯うん、だいぶ様になってきているのではないだろうか。
「お、向こうに何かいる気配がするな」
「⋯⋯驚いた。アルカス、もう『巡息術』を使えるようになったの?」
「面白そうだったからな。技も教えてくれよ」
「面白そうって⋯⋯。でも、気に入ったのよさ! なら良いものを見せてあげる」
そう言うと、エナは向こうから走ってきたゴブリンの方を向き、呼吸を整える。弓は背中の矢筒に戻していた。武器無しで、どうやって倒すのだろう。
「『雨燕掌』っ!」
体勢を低くし、相手の懐に潜り込む。掛け声と同時に、エナの拳が素早く打ち込まれた。ドズンッという衝撃と共に、魔物が倒され、灰になって消滅する。
「今のが拳法の1つなのよさ。まずはこれの習得を目指すべきなわけ!」
「へぇ、弓だけじゃなかったんだな」
「当然なの! 『巡息術』は拳法、刀術、弓術を対象にした、総合武術なのよさ。いくつか流派があって、あたしは『流水武』を使っているよ」
エナはフフンッと得意げに鼻を鳴らすと、俺に背を向けて、再び進み始める。
(『巡息術』までできるようになるだなんて、これはますます運命の出会い! このまま師匠と弟子の体で仲良くなって、師弟ラブに持ち込めれば⋯⋯! 口うるさいじいちゃんも、あたしの結婚相手として認めてくれるに違いないのよさ!)
エナがまた、何かブツブツと独り言を呟いている。本当に大丈夫なのだろうか⋯⋯?
「グギャアアアァ⋯⋯!」
攻略を進め、俺たちは最奥の部屋へと辿り着いた。ダンジョンボスのブラッドウルフは、エナとの戦いですぐに倒された。
しまった! これでは禁術を試す機会が、なくなってしまったじゃないか! 俺としたことが、『巡息術』に気を取られて、すっかり忘れていた。仕方ない。また別のダンジョンを探しに行くか⋯⋯。
「これでこのダンジョンの攻略はお終いなのよさ。で、あの宝箱に報酬と、ダンジョンの核が入ってる」
「核?」
「核を壊せば、ダンジョンも崩れる仕組みになっているのよさ。さ、早く報酬を取って、ダンジョンを壊すよ! そうすれば、今回の依頼は完了ってわけ!」
なるほど、ダンジョンはただの建造物ではなく、1つの生命体ということなのか。俺がそんなことを考えている間に、エナは嬉々として宝箱の方へと歩いていった。
宝箱の縁に手をかける。その時だった。黒い一筋の斬撃が、エナへと飛んでいった。
「エナ、避けろ!」
「へ?」
俺は慌てて飛び出し、エナを庇う。そのまま勢いよく、前のめりに倒れた。先程までエナがいた場所は、地面がスパリと切られていた。
「アークウィッチ!?」
「おぉ何だ、真ボスか?」
宝箱の真上には、黒いローブを深く被った人型の魔物が、フワフワと宙に浮いている。コイツは中々に強そうだ。
「アークウィッチとは、どういった魔物なんだ?エナ」
俺はワクワクしながら、エナに質問する。しかし、中々返事が来ない。よく見ると、エナの拳が僅かに震えている。一体どうしたのだろうか。
「⋯⋯っ、大した魔物じゃないのよさ! アルカスは、先に外に出て待ってればいいわけっ!」
「え? でも、俺も見てみたい⋯⋯っ!?」
そう言い返そうとした瞬間、エナがいきなり、俺に距離を詰めてきた。体勢を低くし、俺の腹に手を翳す。これは『雨燕掌』か。
「⋯⋯ごめんね」
ドカンッと俺の体に衝撃が走り、そのまま後ろへとふっ飛ばされていく。あっという間にエナの姿は見えなくなり、俺はダンジョンの道を逆走していくことになるのだった。
コメント
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うわ、今回めっちゃ面白かった!エナの「巡息術」かっこよすぎるし、アルカスが即座に真似して習得し始めるの、主人公の成長速度エグいなw でもその後のエナの強制送還には「えっ!?」ってなったわ。アークウィッチって何者?エナの過去に関係あるのかな…続きが気になる!