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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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妹は、才能のあるウマ娘だ。


日本ウマ娘トレーニングセンター学園。

才能豊かな天才達が集まる最高峰のウマ娘育成学園。


そこに合格することはとても凄いこと。

そこに入って勝ち上がるってことは、そう安易な気持ちで出来ることじゃない。


相当才能のある、選ばれしウマ娘だけが出来ることだ。


だけど、俺の妹はそれをやってのけた。

俺の指導の元。新人トレーナーの俺でもわかるぐらい完璧な走りだった。


デビュー戦を生で見た時、胸の高まりが止まなかった。


『俺の妹はあんな走りをするんだ、誰にも越えられないような完璧な走りを……!』


あの完璧な末脚、レース勘、仕掛けるタイミング……

全て完璧な走りを妹は披露した。


その日から俺は一日中勉強をしてた。

あの走りを鈍らせないために。

妹の成長を見るのが楽しくて、妹を本物の“帝王”にするために、ただただ努力した。


そのうちに、妹は目標を挙げた。


『“無敗の三冠”をとって、名前を売るんだ』


“皇帝”シンボリルドルフ以来誰も成し遂げることのなかった、“無敗の三冠”という大きな夢を。

妹はそう言うと、張り切ってトレーニングコースに走って行った。

妹が初めて自分で決めたことだ、張り切ってトレーニングに取り組んでやらなきゃ。

俺は一人、自室で勉強を四六時中やった。

休む間もなく、以前の倍以上の時間勉強してた。

妹からは、何度も『たまには休んでね』と言われたが、俺はひたすらに勉強した。

自分のことは何も考えなくて、ユリノがレースで勝つことだけを考えて。




───皐月賞の、一週間前のことだった。


その頃には俺の体調にも影響が出てきて、頭痛やクマが出てきた。

同期や先輩、妹には必要以上に心配された。

俺はそんなこと気にせずに、妹に一生懸命指導した。


坂路ダッシュ2本目に入る時、俺は妹の靴に穴が空いているのを見つけた。

妹にそのことを伝えると、まだ大丈夫と言って走り出したが、俺は妹を止めて妹の靴を買いに行くと言った。

その時、妹はありがとう、と少しだけ微笑んだ。




「ありがとうございましたー!」


ウマ娘専用スポーツ店から出て、賑やかな商店街が目に入る。


────そういえば、今日は俺とユリノが初めて出会った日だっけ。

そうとなればプレゼントを買わなきゃな、と商店街を歩いてみる。


キャアアアア!!!



「───!?」


後ろから大きな悲鳴が聞こえて、慌てて振り返る。

振り返った先には、黒い服の男がナイフを振り回し、通行人を次々と刺していた。


その男は俺を睨みつけると、俺に向かって走ってくる。

やばいやばい。逃げなきゃ…!俺……!

そう思ったが、俺の足は恐怖で動かなかった。


男はどんどん俺に近ずいてくる。

やばい……俺…死ぬのかな……!?


ザクッ。


男が体当たりして俺の体をナイフが刺した。

その反動で俺は地面に打ちつけられた。


「やばいよ……!どうしよう……!?」

「と、とりあえず、誰か!!警察呼んでよ!!」

「うわぁぁあん!!お父さあぁぁん!!」


通行人たちの泣き叫ぶ声が聞こえた。


「早く救急車!!この人、ナイフ貫通しちゃってるから!!」


そう言って俺に駆け寄る人もいた。





白の花の花言葉 【ノベル】

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コメント

4

ユーザー

あ、イラストの才能と小説の才能があるのね、神だ

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