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#普通
野々さくら
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ありあ
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面会を終えた一同は、白縫家へ戻るとリビングに集まり、彼女から聞かされた話を一つひとつ整理していた。
静まり返った部屋で、最初に口を開いたのは焔垂だった。
「な、なんだよ・・修理固成って・・・」
その言葉を聞き、さくらは信じられないという表情を浮かべる。
「まじ・・・」
茜は腕を組みながら首を傾げた。
「なんか神話の中に飛び込んだみたいな気分」
信愛も深く息をつく。
「私も規模が凄すぎて理解が追いついてない」
龍河はソファにもたれながら静かに言う。
「まぁ、この話はヤツの推測でしかないけどな」
朝陽は視線を落としながら呟いた。
「でも仮に本当に修理固成を実現しようとしてるとして
私たちに出来る事って何があるんでしょうか?」
茜も小さく頷く。
「た、確かにそうだよね・・・」
すると、さくらが不安そうに口を開いた。
「阻止しようにも、どうやって修理固成を
やろうとしてるのかも分からないしね」
信愛はふと、ひなたの言葉を思い返す。
「それに教団は、ある目的の為に
お母さんの力が必要だって言ってたし」
部屋の空気がさらに重くなる。
「そのある目的が修理固成だったとして
教団はお母さんをその修理固成の何に
利用しようとしてるのかも気になる」
朝陽は腕を組みながら唸った。
「何か更に謎が深まったって感じですよね」
茜も思い出したように続ける。
「しかも教団は一度はお母さんの事をメディアを使って
『インチキ』って言って迫害してるんだよね?」
首を傾げる。
「そんなお母さんの事が今度は必要だなんて
やってる事が矛盾しまくりじゃない?」
龍河もその疑問には同意した。
「確かにそれは気になるよな」
信愛は静かに頷く。
「茜の言う通りだよね」
その時、銚子がゆっくりと口を開いた。
「考えられる理由があるとすれば『ふたつ』ね」
全員の視線が銚子へ集まる。
「ふたつって?」
信愛が首を傾げる。
「まずひとつ目が──」
一拍置き、銚子は静かに続けた。
「ナワバリ様の体の中に
荒魂を封じ込める『術者』としての役割」
焔垂は納得したように頷く。
「なるほど」
そして続ける。
「神を顕現させたいって思ったからって
誰でも実現できる芸当じゃないですからね」
信愛も小さく頷いた。
「確かに・・・」
さくらが呟く。
「お母さんならそれが出来ると思ってるのかも」
銚子は続ける。
「ふたつ目が──」
一呼吸置き、静かに言った。
「『ナワバリ様』としての役割」
その言葉に、茜が思わず声を上げる。
「え!?」
朝陽も驚いたように目を見開く。
「それってつまり・・お母さんを磔に?」
銚子は静かに頷く。
「でしょうね・・私を縄で磔にして
器として利用する為とも考えられるわ」
朝陽は息を呑んだ。
「あ、そっか──」
考え込むように視線を落とす。
「ナワバリ様になる人の体が、神の荒魂に
耐えれなかったら、苦労して顕現させても
肝心の修理固成が出来なくなりますからね」
龍河は神妙な面持ちで言葉を継いだ。
「って事は、教団の連中はまた何かを
仕掛けて来る可能性があるって事ですね」
銚子はゆっくりと頷いた。
「その可能性は高いかと・・・」
龍河は頭を掻きながら呟く
「その何かがわかるんなら、まだ
やりようがあるんだけどな・・・」
重い沈黙が部屋を包み込む。
ひなたの口から語られた真実によって、彼らはようやく敵の輪郭を掴み始めていた。
だが同時に、その輪郭は新たな謎を次々と生み出していく。
◇ ◇ ◇
都内某所の古びた日本家屋の一室。
薄暗い部屋に静寂が漂う。
障子越しに差し込むわずかな光の中、一人の男が慌ただしく坪野のもとへ駆け込んできた。
「教祖様!」
坪野は穏やかな表情を崩さぬまま、その男へ視線を向ける。
「どうされました?」
男は一礼し、報告を始めた。
「白縫信愛と白縫銚子、そして例の
雑誌記者が霊貴冥孤に接触したようです」
坪野の眉が僅かに動く。
「霊貴冥孤に?ですが彼女はの身柄は
現在・・狗頸拘置所にあるはず
簡単接触できるとは思えませんが?」
「はい・・どうやら警察に太いコネがあったようで
それを利用して、面会をしたようです」
その報告を聞いた坪野は、静かに目を閉じた。
「なるほど・・そうでしたか・・・」
やがてゆっくりと口を開く。
「そうなれば、霊貴冥孤の口からナワバリ様に
ついて詳しく聞かされた可能性がありますね」
別の男が低い声で続けた。
「それに霊貴は頭が切れるヤツです、もしかしたら
『我々の計画』についても勘づく可能性もあります」
坪野は小さく頷いた。
「確かにそうですね・・・」
坪野は慎重に問い掛ける。
「始末・・・しますか?」
しかし坪野は首を横に振る。
「いえ、その必要はありませんよ・・・」
男は思わず目を見開いた。
「え!?ですが──」
坪野は静かな口調のまま続ける。
「我々の計画が成功した暁には、どの道全員死ぬんです」
そのあまりにも冷淡な一言に、部屋の空気が凍りついた。
「焦る必要はありません」
幹部男は深く頭を下げる。
「ああ、そうでした。申し訳ありません」
坪野は穏やかな笑みを浮かべながらも、その瞳には冷たい光を宿していた。
「ですが、あなたの言う通り、我々の目的について
勘づいている可能性もありますからね、我々に
残された猶予がそう多くはない事もまた事実です」
男は神妙な面持ちで頷く。
「そう・・・ですね」
坪野は静かに立ち上がった。
「計画よりは少々早いですが──」
部屋にいる全員を見渡し、決断を下す。
「最終段階に移行しましょうか」
男たちは一斉に姿勢を正した。
「では──」
その言葉を遮るように、坪野は力強く頷く。
「そうです」
誰一人として異を唱える者はいなかった。
計画は、ついに後戻りのできない最終局面へと動き始める。
白縫信愛たちが真実へ近づく一方で、教団もまた、その歩みを加速させていた。
コメント
1件
いや〜、重たい空気がずっと続いてたけど、銚子さんが「ふたつ」の可能性を挙げたところがめっちゃ刺さったわ。特に「ナワバリ様としての役割」で自分が磔にされるかもって冷静に言うとこ、怖いけどカッコよかった。教団側も最終段階に動き出して、次どうなるか気になりすぎる🔥