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瑠衣の望みを受け入れていいのだろうか?
俺に抱かれる事で、拉致された時の出来事を思い出したりしないのだろうか?
そんな疑問が侑の中で浮かび上がるが、彼は彼女の意思を確認するために改めて聞き返した。
「…………俺に……抱いて欲しいんだな?」
瑠衣は無言で不器用に頷くと、侑は立ち上がり、『ちょっと待ってろ』と言い残し、階段を上がっていく。
一分もしないうちに戻ってきた彼の右手には、避妊具のパッケージ。
「前に言った通り、今日はバスルームでお前を抱く。いいな?」
「…………」
沈黙したまま瑠衣が頷くと、侑は彼女の身体を支えながら立たせ、バスルームへ向かった。
***
脱衣所に入った瞬間、瑠衣は侑の着ている服を脱がしに掛かった。
上背のある彼の纏っている服をうまく脱がせられないのか、彼女は苦戦しているようだ。
どちらかというと受け身の瑠衣が、積極的に侑を欲している様子に、オスの獣欲に火が灯された。
「瑠衣……っ」
彼の身体に絡みついている白磁の腕を剥がし、侑が真剣な眼差しを向けながら瑠衣の衣服を素早く引き剥がしていく。
瑠衣をあっという間に裸体にした後、侑も手早く服と下着を脱ぎ放つと、細い括れを抱き寄せ、頬に手を添えながら唇を貪った。
「んうっ……」
侑の舌が瑠衣の口腔内で妖しく蠢き、歯列と歯茎をなぞり小さな舌を絡ませる。
リップ音と吐息、時折響く濡れた音は、二人の舌同士が淫らに戯れ合っているようだった。
時間を忘れてしまいそうな長い口付けに、重なり合った唇から瑠衣の甘美な吐息が零れ、床に落ちていく。
彼が唇を離すと、濃茶の瞳を潤ませながら、色欲を孕ませた面差しを向けている瑠衣。
侑も鋭い瞳の奥に宿る欲情を湛えながら、彼女を視線で突き刺す。
「…………俺がどうなっても……知らんぞ?」
侑は避妊具と華奢な手を取り、バスルームのガラス戸を開けると、シャワーの蛇口を全開にさせた。