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#あやかし
がくじゅつてき・あかげ
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ねこさん⛄️
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ふぃる汰
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星桜かい
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館を全部案内して、その後2人にはお昼を作ってもらった。お肉ごろごろビーフカレーとゆで卵入りコールスローサラダ、大変いいですね。 4人分作ってもらって、どうせだから皆で食堂で食べようかとなったんだけど、ヤカを呼んでみてもやっぱり出てこない。矢車ちゃんも薄荷ちゃんも困った顔をした。
「どうしましょうか?」
「お昼いらなかったんでしょうか?」
私は言った。
「お昼は食べたいと思うから、ご飯は2人が見えないところに置いといてあげて。とりあえず厨房の隅でいいかな、私も、来たばっかりの頃は見ないようにしないとヤカ活動してくれなかったから」
「じゃあ、隅に置いておきます」
そういう訳でお昼。皆で食べようって言ったけど、一応矢車ちゃんも薄荷ちゃんもお昼休みの時間なわけだし、雇用主と一緒のご飯で気詰まりしないかな? まあ、今日は指示しておきたいことあるし、ランチミーティングということにしてもらおう。
私はカレーを飲み込んでから宣言した。
「あのね、午後私は確実に熱を出すので、食べたら寝ます」
2人ともびっくりした。
「「ええ!?」」
私は言葉を重ねた。
「5時までにやっといてほしいことは言っとくから。調べ物をいくつかしてほしいの、書斎のパソコン使っていいから」
薄荷ちゃんが聞いてきた。
「その、体お悪いんですか?」
「うーん、その、二十歳の時に過労で倒れてから体力がゼロになっちゃってね……ちょっと歩きすぎると熱が出るの」
2人とももっとびっくりした。
「それなのにいろいろやってくださったんですか!?」
「それならもっとゆっくりやってくださってよかったのに!」
そんなこと言われてもな。
「だって必要だし……午後やってほしいこと話すね」
私は話した。今後必要なものの調べものをしてほしいこと。2人の勉強に必要なもの探しや、今後の買い物に適したスーパーとドラッグストア探しなど。私は2人に聞いた。
「Wordはあんまりみたいだけど、メモ帳でいいから文章打てる?」
薄荷ちゃんは「メモ帳……?」と脇にあったメモを見た。そ、そのレベルか……。
矢車ちゃんは元気に言った。
「メモ帳で打てます、タイピングちゃんとできます!」
「じゃあ、メモ帳でいいからわかりやすいようにまとめといて。17時までに私のGmailに添付して送って。GmailのアドレスはあとでLINEで送っとくから」
「はい!」
薄荷ちゃんは情けない顔で矢車ちゃんに言った。
「矢車ちゃん、あとでちゃんと教えて……」
矢車ちゃんは薄荷ちゃんの肩をぽんぽんした。
「大丈夫だってば、慣れればなんてことないって」
薄荷ちゃんはさらに情けない顔になった。
「でもなんにもわかんない、このメモ帳とは違うの? 添付って何?」
大分ITスキルに開きがあるな……。
私は言った。
「早くできちゃって、それで私が起きてこないときはヤカもいるから。何か聞いて、わかりやすいところに紙とペン置いて、しばらくそっちを見ないようにしとけば何かしら書いてくれるから」
「わかりました!」
「はい……」
食べ終わって、後片付けは任せて、私は自室に戻った。すると床からヤカが染み出て、白シーツを被った人型になった。
{ちゃんとした料理を作ってもらえて何よりだ}
「うん、おいしかった。ヤカも食べたでしょ?」
{きちんと調理されていて消化しやすく、熱量と微量要素に富んでいて大変よかった}
「味は?」
{人の味覚というものはピンと来ない。後天的学習で人はこれをおいしいと思うというのはわかるが}
「え、そうなの!?」
味ピンとこないの!?
「それなのに毎日あんなおいしいもの作ってくれてたんだ……」
{人がおいしいと感じるものはわかるんだ}
「そうなんだ……ごめん、私熱っぽいから寝るね」
{え、そうだったのか、すまない、大丈夫か!?}
「寝れば平気、2人が何か聞いてきたら紙に書いてあげて」
ベッドに倒れると、ヤカが布団をかけてくれた。
16時に起きて、メールを確認したら添付ファイル付きのが送られてた。ちゃんとやれるじゃん、少なくとも矢車ちゃんは。
ヤカは館全体を把握してるみたいなので、椅子に座っていたヤカに私は聞いてみた。
「いま二人とも何してるのかな?」
{今は館の空気入れ替えをしてもらっている、指示を求められたので指示した}
「そっか、私はファイルチェックするから」
情報科目の教科書の入手先については、Amazonの商品ページのURLが貼られていた。YouTubeの、良さそうな塾講師の情報科目授業動画のURLもある。この辺で品揃えの良さそうなスーパーとドラッグストアは、歩いて10分くらいの最寄り駅、港栄台の駅ビル内にあるとのこと。WordとExcelの勉強するのにちょうどいいスペックのノートパソコンは、「メモリ8GB、SSD256GBのやつで中古のお手頃価格です」とAmazonの商品ページURLが貼ってあった。おお、ちゃんとできてる!
最後に、「Excelの事本当に何も分からないので、この動画で基本の基本を勉強したいです」と合ったので、そのURLに飛んでみた。大手企業所属VTuber (Excel日常的に使ってる)が、同じところに所属しているVTuber (Excel何もわからない)に実際の操作を交えつつ説明している。おお、いい動画じゃない! 自分から勉強しに行こうとする積極性も◎!
ヤカが言った。
{今2人とも空気を入れ替え終わった}
「じゃ、私行くわ」
2人は本館にいて、この後どうしようかと相談してるところだった。私が行って、「調べものよくできてるじゃない」と褒めると矢車ちゃんははにかんだが、薄荷ちゃんはしょぼんとした。
「私なんにも分からなくてえ……矢車ちゃんがやってくれてるの見てただけでえ……」
そうか……。私は矢車ちゃんに言った。
「矢車ちゃん、自分でやるのが早いんだと思うけど、薄荷ちゃんにも手を動かさせて教えてあげてね。今の時代、ITスキルないとどこ行っても困るから」
「は、はい」
「明日は午前に仕事してもらって、午後は矢車ちゃんが見て勉強したいって言ってた動画見てもらって、それから、自分に合いそうなExcelとWordの教科書を探してもらいたいんだけど、いい?」
「「はい!」」
「で、教科書探すのは薄荷ちゃんに手を動かしてもらってね、矢車ちゃんは教える係。いい?」
薄荷ちゃんは緊張した顔で「が、頑張ります……」と言った。矢車ちゃんも「ちゃんと教えます!」と宣言した。
すると、天井から、紙切れと封筒が落ちてきた。ヤカか。開いてみると、こう書いてあった。
{明日か明後日買い物に行って欲しい、買ってほしいものは以下にまとめてある}
その後に買い物メモが書いてあって、封筒は買い物用に新規に申し込んだクレジットカードだった。
「あ、使ってもらう用のクレカ届いてたんだ、ありがとヤカ。じゃあ、これ使えるように設定しとくから、買い物はこれ使ってね」
矢車ちゃんが聞いてきた。
「お買い物の予算はどれくらいですか?」
「んー、そんなにケチらなくていいけど、ぼったくり価格のは買わないでほしいな。その辺はよく吟味して」
「わかりました」
薄荷ちゃんと矢車ちゃんは顔を見合わせて話しだした。
「矢車ちゃん駅前行ってみたいんだよね? 明日お買い物行く?」
「行く!」
「じゃあ私その間空気入れ替えと、お洗濯と、水回りのお掃除やっとくね」
「じゃ、私帰ったら2人でお昼作ろう」
ヤカがまた紙切れを落とした。
{水垢落としは週一でいいが、水回りはいくつかあるので、そちらのよいように適当に毎日に分散して磨いて欲しい}
なるほど。2人に読ませると、薄荷ちゃんが言った。
「じゃあ、明日はとりあえずお台所のシンク磨きますね」
私は言った。
「じゃ、今日はこんなところでいいかな。ちょっと早いけど、上がってもらっていいからね」
「はーい!」
「ありがとうございます!」
2人は西館の勝手口から帰っていき、すると、ヤカが姿を現して言った。
{夕飯は17時過ぎになる、これから作る}
「あ、ありがとう、ごめんね、忙しいよね」
{半分はもう作ってあるから、それは温めるだけで大丈夫だ}
その言葉通り、夕飯はすぐに出た。ポトフ、バゲット、ポテトサラダ、あとは、鮭のソテー? なんだろうこれ、鮭の切り身に卵味の衣がついてて、でもサクサクという感じではなくて、でも衣のおかげで塩味をよくまとってる。ちょっとチーズ風味もある。
「この鮭、なんて料理? おいしい」
{ピカタだ。粉チーズを入れた溶き卵をつけて焼いてある}
「へえー、そんなんあるんだ」
ヤカは被ったシーツの中にポテトサラダを入れて言った。
{今日は人が多くて楽しかった}
「あんなに姿見せるの嫌がってたのに?」
{私は基本的に見るだけの存在でいたい}
「そんな、私は壁になりたいみたいな」
いや、館の壁に染み込んでるんだからまさに壁か、この人。
疲れたけど、割と充実感がある。指示出すとか教えるとかっていうのも久々だなあ、バイト戦士の時は日常だったけど。
あとは、午後もちゃんと活動できるようになりたいな……ITスキル、私が教えられるところは教えたいしね。
コメント
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うわあ、このエピソードすごく好きです……! 読んでてじんわり温かくなりました🥀🤍 矢車ちゃんと薄荷ちゃん、2人のコンビほんとにいいですよね。ITスキルの差に焦る薄荷ちゃんを矢車ちゃんが「大丈夫だってば」って励ますところ、優しくてズルい……。主人公たちが、ちゃんと2人を育てようとしてるのも伝わってきて、いい関係性だなあって思います。 あとヤカが「味はピンと来ない」って言うシーン、ちょっと切なかったです。毎日あんなにおいしいもの作ってるのに、味覚ってないんだ……って。でも「人がおいしいと感じるものはわかる」ってフォローがあって、すごくヤカらしいなって。 今回は「教える」「任せる」「成長してもらう」っていうテーマがすごく丁寧で、この先2人がどう変わっていくのか楽しみです🌙