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「日本?」
「なぁ、日本?」
「日本さん?」
「ねぇ、ナイチ?」
「ねぇ、日本〜?」
「おい、日本」
どうしてこうなったんでしょうか。私の周りには私の名前を呼ぶ”獣”ばかり。こんなことになるはずじゃなかったのに。
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私の名前は日本。海外と交流の高い会社で働いている。収入もよく、毎日、新しいことに出会えるとても”素敵”な会社だ。
「日本さん大丈夫ですか?少し休んではいかがでしょうか?アハハ(ⅹ△ⅹ;)」
そう話しかけてくれたのは、同僚のドイツさん。彼はとても優しくて気遣いができる。そして仕事もできるという、いわゆる優秀社員だ。そんな優しい彼は笑いかけてはいるが、引きつった口と目元の濃い隈が万全の状態じゃないことを表している。
「日本〜!ドイツ〜!了承貰えたんね〜!」
「「ほんとですか!?」」
嬉しい報告をしてくれたのは、同僚のイタリアさん。イタリアさんはいつも明るくて友好的な人だ。まぁ、ドイツさんや私と同じで目元の隈は濃いけれど。
「これで少しは仕事休めるでしょうか?」
「そうなんね!休めるといいなんね!」
「そうですね。考えるだけで、想像が膨らみます!」
私たちは、休みを貰えることに期待を膨らませ今日の残業に入った。今日もこの硬いソファで寝ますか。寝床を確認してオフィスにあるお風呂でシャワーを済ませる。私たちは順々に入り、エナジードリンクを飲んで仕事を始める。やはり、これがご飯に限ります。これがないと残業なんてできませんもの。
「日本さん、この仕事の事なのですが、相手先のお方からこんな連絡が届いてきてます。」
「あ!後、了承は貰ったんねけど、相手先の会社にもう何十回か顔出しして、社長同士で話し合って、そこから、契約していくらしいんね!」
どんどん積み重なっていく仕事。やることリストを見たがもうパンパンすぎて、次の紙にいってしまう。
「ドイツさん、これは、このような感じでお返ししてください。お願いします。
イタリアさん、了解しました。後でどのような順番で相手先の会社にご挨拶しに行くか決めましょう。決めたあとは、どのようなお土産を持っていくかも話し合いましょう。」
「「わかりました」んね!」
いる会話をしたあとは、みんなでそそくさと仕事に戻っていく。今日の残業が幕をあげた。
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「ふわぁ(*pω-)。O゜」
「んぁ( ¯꒳¯ )ᐝおはよなんね」
「……………………まだ、寝たい(ง ˘ω˘ )วネタイです」
私たちは、1時間だけ眠り、また仕事に戻った。今の時刻は3時で仕事は10何個あるうち7個終わらせた。まだまだあるから休むことなんてできないんですけどもね…
カチャッ
ドイツさんがエナジードリンクの蓋を開けている。それで何本目だろう。3本くらいはいっていそうだなぁ。私は自分の机の上を見る。そこには2本のエナジードリンクの残骸と大量の資料が置いてある。これを見るとやる気を無くしてしまう。
ということで、
エナジードリンクを飲もう!
「イタリアさん!エナジードリンクを1本ください。」
やはり、やる気を出すためにはエナジードリンクが必要!なんだかエナジードリンクのことを考えるとやる気が湧いてきます。
「わかったなんね!ほら、日本、エナジードリンク!ioたちの”やる気の源”なんね!」
「ありがとうございます!」
イタリアさんは明るい声で話しているが、目がガンギマっていてなんとも言えない顔をしている。イタリアさんは私にエナジードリンクを渡すと、すぐさまパソコンに向き合い格闘を始めた。
私もこれを飲んだら、すぐに仕事を始めよう。蓋を開けて、ひとくち飲む。少しだけピリッとする味を楽しんで、仕事リストを見た。
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ピヨピヨ(•ө•)
鳥の鳴き声が聞こえた朝。私たちは仕事を何とか終わらせ朝食のコーヒーを飲む。
疲れたあとのコーヒーもこれまた美味しい。あったかくて甘い、コーヒーをひとくち飲んでいると、イタリアさんがキラキラとした目で見てきた。
「日本!それ甘いコーヒーなんね??ioも飲みたいんね!」
「いいですよ(* ˊ꒳ˋ*)
はい、どうぞ」
私がコーヒーを渡すと、イタリアさんは自分のコーヒーを渡してくれる。ニコッと笑ってくれたので飲んでいいと言うことでしょう。
そろりとひとくち飲むと…
「苦っ!!!!」
なんですか!!この苦さは!?私はイタリアさんのコーヒーを自分の顔の前にして凝視する。
「ぷはっ(´^ω^`)」
「ふふ(*´艸`)」
イタリアさんにドイツさんまで、私の行動を見て笑うだなんて…
恥ずかしくて今すぐにこの場から逃げ出したい気分です。
そういえば、イタリアさんはどうなんでしょうか?こんなに苦いものを飲んでいて、私のを飲んでるんですから、私とは真逆で「甘っ!!!!」ってなるのでは??
期待を込めてイタリアさんのほうを見ると…
「これはこれで、甘くて美味しいんね✨」
「美味しそうに飲んでる!?」
私の期待は打ち砕かれ、また2人に笑われてしまいました。おかしいですね??ほんと。
「ちなみにドイツさんはコーヒー甘い派と苦い派どちらなんですか?」
「私は、苦い派ですね。朝にブラックを飲むと眠たくならずに、進んで仕事出来るんですよね( ˙꒳˙ )」
「なるほど…」
ドイツさんのコーヒーを見るとイタリアさんよりも真っ黒。
…これは絶対苦いやつだ。
私は、ドイツさんが差し出そうとしてきた手をアハハと苦笑いをして遮る。
これは飲んじゃいけないやつだし…仕方ないよね。
仕事が終わってから、雑談を交わして、仕事が始まる時間まで待つ。この時間が1番幸せなんだよ。
アハハと笑ってみんなで幸せを噛み締めていると…
社長がやってきた。
私たちは、和んでいた雰囲気を一気に凍らせ背筋を伸ばす。そして社長に対しお辞儀をして待つ。
さっきまでの明るい雰囲気が…
「おいおい(^_^;)そんな感じにしなくていいって言ったじゃねーか。」
「「「すいません💦」」」
「それより、日本。お前に話がある。今から社長室に来い。」
「え、私ですか?
わかりました。準備して来ます。」
「いや、いい。今すぐにだ。」
今すぐに…
その言葉に少し緊張をしながら私はイタリアさんとドイツさんに別れを告げ、
社長…アメリカさんについて行く。アメリカさんの背中を見ていると、なんだか緊張してくる。
私は何を言われるのだろうか?
緊張した様子で私はアメリカさんの後を追った。