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雰囲気が神ってる
文字だけなのに映像が頭に流れてる……! あたたかい場所に女の子が行けてよかった〜 けど、そこはどこなんだろう…
すごく鮮明に情景が浮かんでくるぞ……
次に私が見た景色は不思議な物だった。
青い空に薄く広がった白い雲が浮いていて、可愛らしい蝶が飛んでいた。
そして、私がそこに来る前は体が痛くなってしまうほど寒かったのに
なぜか今は体がぽかぽかと暖かく
冷たかった風も、丁度良いくらいに暖かく甘い花の香りを運んで来た。
道はコンクリートではなく
ふかふかと柔らかい綺麗な黄緑色の芝生だった。
そんな所で私は何故か横になっていた。
でもそんな事は気にならない位に居心地がよく、睡魔に襲われてそのまま寝てしまいそうになる。
もういっそこのまま寝てしまおうと思い目を閉じようとした時
「やっと起きた〜?」
と薄いピンク色の柔らかそうな髪の毛にぱっちりとした黄緑色の瞳を持った少年と思わしき人が突然私の視界に顔を出した。
驚いてしまいつい
「ひぇっ……!?」
と情けない声と共に肩をビクッとはね上げた。
「あ……びっくりさせちゃった?ごめんね…」
と眉毛を八の字にして言ってきた。
私はどう返せばいいのか分からずついオロオロしてしまう
すると少年はどこか察した様に話を変える。
「そうだ!お腹空いてない?ご飯作ってあるよっ!」
と言われハッとした。
走って来てからまだ何も口にしていなかったのだ。
食べたい!と伝えるのが苦手だった私は
「えっ、と…」
「(な…ん、てゆうん、だ…け)」
とまたオロオロしてしまう。
そんな私を少年はじっと優しく見つめ、待ってくれた。
私が考え初めて1分も経っていない頃だろう
私のお腹がグ〜と虫の音を鳴らした。
少し恥ずかしかったが、少年は特に顔色1つ変えずに話した。
「ご飯食べに行こっか!」
「案内するよ!ついておいで!」
と私を手招きした。
そして私はやっと体を起こすと、今さっきまで見えていなかった景色が見えた。
葉っぱを沢山生やした木々から 色とりどりな花畑、少し遠くに透き通った綺麗な川。
普段見ることの出来ない自然が一面に広がり、思わず見とれてしまった。
「綺麗でしょっ?」
といつの間にか傍に来ていた少年が私の隣から声をかけてきた。
「うん」
と返すと、少し間が空いた後
「ご飯食べたあとこの辺り案内してあげるよ!でもまずはご飯!良い?」
と少年に聞かれこくんと頷く。
すると少年は満足そうに私の手を引っ張って歩き出した。
慌てて立って隣を歩く
少年は私と同じくらいの背で、でも私より大人びた不思議な雰囲気だった。