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私の学校には、夜になると入ってはいけないという教室がある。
理由は誰も知らない。
ただ、黒板が消えないとか、夜に音がするとか、そんな噂だけ。
私は、いつも通りの日常を送っていた。
明日はテスト。
たくさん勉強しなきゃいけない。
でも…ノートをその教室に忘れてきてしまっていた。
取りに行かなきゃ。
私は、一人ぼっちで静かな廊下を歩いている
怖い…けどまだ何も起こってない。
着いた…
中は普通だった。
机も椅子も、ちゃんと並んでいる。
「早く取って帰ろ」
ロッカーを開けた、その時。
――カン。
チョークが落ちる音。
黒板の前に、
さっきまでなかった文字があった。
「まだいる?」
心臓が、どくんと鳴る。
見なかったことにして、
ドアへ向かおうとした瞬間、
――ガラッ。
黒板の文字が、
勝手に書き換わる。
「なんで見たの?」
教室の後ろの席から、
椅子を引く音。
振り向くと——
誰もいない。
でも、一番後ろの席の机の上にだけ、
新しいノートが置いてあった。
表紙には、
自分の名前。
ゆっくり開く。
一ページ目。
《今日も、来てくれてありがとう》
二ページ目。
《次は、いつ来る?》
背後で、
誰かが息を吸う音がした。
振り向く前に、
教室のドアが、内側から閉まる。
――ガチャ。
黒板に、最後の文字。
「もう、帰らないよね」