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グビッ グビッ
コンビニ横の、公園の明るいベンチ。
やっぱ、うちは缶ビール派だな。
午前3時。
「あー、そろそろ帰るかー……」
…う……うぁ…………あれ…………
……んん……ん……ねむ
――――
カッポカッポッ…………
「こら!わらしべ!馬のシッポ触るなって言ったべ!」
……ん?……ん??……馬のひづめ……?
「坂谷宿まで行ってくんねぇ。」
えっほ えっほ…………
……えっほ?…………かご屋?
ダリは、目を覚ます。
…………は?……江戸時代?
――――
「ははっ!びっくらしてねぇで、中に入んな!」
茶屋から、髷を結い着物を着た男が声を掛ける。
舗装されていない道路の一本道。両脇は鮮やかな田畑……
そこに、一件の茶店。そこの主人に声を掛けられた。うちは、言われるがまま、茶店に入る。
あれ?外にいた時は、土や田畑の匂いがあったのに、暖簾ひとつ潜ると何も匂わない……
――――
「ほれ、まずはこれだ。」
縦長の湯呑み、湯気の立つ白く濁った液体?
どぶろく……か?
独特の、何かの根っこのような匂い……
ゴクッ
「サヨの根だ。ここらあたりで自生してる。薄紅色の小花が咲く。この根が土中で腐葉土によって生まれた微生物と融合し、最終的には酒の元になる。」
ゴクッ
なんだろう…日本酒というより、無濾過(むろか)ワインって感じ…このサヨの根って複雑味が凝縮されてるって感じがする…美味しさの、満員電車…?
――――
ゴクッ ゴクッ
「じゃ、これだ。」
のぺーっとした餅…。 のぺー…
なんか、匂いも…ぼんやり。
……ん?
かすかに匂う……嗅いだ事のない匂い。
「香辛料?」
「ほう、ヤント実の薄ぅーい匂いを嗅げるかね」
――――
パクッ
ぐぐぅう……
餅が、喉で広がる。
ゴクッ
ここで理解出来た……サヨの根の酒が。
餅も、のみ込んで満員電車に加わってる。
みんなを運ぶ、満員電車…………
みんな……を…………
おいしさ……はこ……