テラーノベル
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12月。今年も、いよいよ終わりを迎える。
「今年も一年、目標だった年計を達成する事が出来た。またチームとしても……俺達がトップの成績を残す事が出来た。みんな、よく頑張ってくれた。ありがとう。」
「やったね!最優秀チーム賞取ったぞー!」
「いろいろと、バタバタな一年だったがな。」
「今年は米不足で農家さんも大変だったからねー。」
――――
「と、いう事で……金一封出たので……今日は朝までやるか?」
「やたー!」
「呑み収め……ですね!」
「私、三件目に行きたいとこあるんだよね!」
「さて、じゃあ今日をさっさと終わらせちまおう。」
――――
四人は業務を早めに終わらせて、
倉稲魂命(うがのみたまのみこと)を祀る、被官稲荷神社へ。
五穀豊穣と商売繁盛への感謝を、年末に捧げる。
そして、宴会開始。
ちょっと高めの個室専門居酒屋からスタート。
「で、ソラ。この前、いくつ豚足喰ったんだ?」
「んー……8つかな……」
「ははは!おい、それ二頭分じゃん。」
「いやー、その時美味い!って思ったらそれしか喰わないんですよ-。」
――――
「ソラさん、翌日の話!」
「あー、翌日起きたらおでこが脂でピカピカ……」
あはははは!!
「さーて、今日ハマるのは何なんだろうな?ソラ!」
結局、この日は朝7時に解散。
それぞれが、電車に揺られて帰っていく。
――――
ソラも、家に帰る。
「まーだ、呑めるね。」
午前9時。
冷蔵庫から冷酒のボトルを取り出す。
茶碗に注いで──
グビッ。
「あぁー、旨いなあ……」
アテは……っと。
冷蔵庫を物色。缶詰、切り昆布。
「よし、これでいいや。」
切り昆布の入ったタッパーを持って、コタツへ戻る。
グビッ。
日本酒と切り昆布。
「こりゃ、たまんないよね……」
――――
もう一杯。
グビッ。
ちょっと伸びをして、ソファにもたれる。
時計を見る。午前9時。
「結構……、今日……飲ん…………」
どれだけの時間が経ったのだろう。
――――
ソラは、異空間にいた。
真っ白な部屋。
どこまでも続いている長い部屋。
その中に、不似合いなくらいの赤ちょうちん屋台。
その、一席にソラはいた。
――――
鉢巻きを巻いた、人の良さそうな大将。
「いらっしゃいまし!まずは、どうぞ!」
これ、家で使ってる茶碗じゃん……
午前9時。
茶碗の中には、紫一色に近い液体が湯気を立てている。
大将の顔をのぞき見る。
「飲みな」
――――
ゴクッ
富山……いや、新潟か……極上の日本酒だ……
ゴクッ
ん……喉に引っ掛かる微妙な甘さ。
「これ……秋田…………」
「んだねぇ。」
大将は、そう笑顔でソラを見る。
――――
「秋田の奥締だ……。」
ゴクッ
味と香りが立つ。しかも深い。
「昔、この酒を買ったのを忘れた野郎が、そのまんまにしててな……何年か経った後に気付いて飲んだら……とんでもなく旨くなってたって、はは。昔話だ。」
ゴクッ ゴクッ
「ぷはぁー、うめぇ!!」
「へへ、そうかい。じゃ、次のを。おっと、その前に料理だな。」
――――
大将は奥に入ると、小鉢を持ってソラに差し出す。
「あいよ、ヘスお待ち。」
山菜……? パクリッ
ん……苦味がある。でも甘さもあって……
これ、ほとんどわらびなんだけどなぁ……この一緒に入ってる茎が分かんない。これが複雑さを醸し出してる。
「ほぅ……舌が肥えてるねぇ、はは」
ソラは、素直に面白い味だと、まとめた。
――――
「その茎は、ネセだ。山の上に自生してる。」
ネセ……
合わせるなら、焼酎だ……麦が良いな。
「ふふ、だろうな……ほれ、麦焼酎だ。」
ゴクッ ゴクッ ゴクッ
「っつあぁ……合うわぁ、これ。」
幸せ感じてるかも、ふはッ
ゴクッ
あ………………ねむ……
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