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ひとしきりキスを交わし続けた二人。
侑が突如瑠衣を抱え上げ階段を上っていくと、寝室のドアを勢い良く開けた。
ダブルベッドの端に座らせ、瑠衣の服と下着を一枚ずつ丁寧に脱がしていった後、侑も身に纏っていた物を全て剥ぎ取ると、白磁の身体を抱きしめた。
「…………俺の言動で……ずっとお前を苦しませて……すまなかった。さっきも言ったが……俺はお前を性欲を満たすだけの玩具などと思っていない。勘違いではないし、思わせぶりではない……」
侑は瑠衣の唇に、触れるだけのキスを落とす。
「…………この一週間ずっと……瑠衣の温もりを感じたくて……堪らなかった……」
侑は愛しい女の体温を感じ取りながら、小さな頭に触れる。
瑠衣を抱きしめながらベッドに横たわせ、ベージュブラウンの髪に唇をそっと落とす。
「…………俺は……お前と一緒にいると…………ホッとするんだ」
布団を引き寄せ、瑠衣を再度抱きしめていると、互いの体温が馴染み、溶け込んでいくのが分かる。
瑠衣が恐る恐る腕を伸ばし、引き締まった侑の頬に触れた。
「響野先生……」
瑠衣が呼び掛けると、侑が今までにないほどの穏やかな眼差しを向けて彼女を包み込む。
「…………何だ?」
「私……先生の事……………好きでいても……いいですか……?」
好きでいてもいいか、と聞かれ、侑は静かに瞠目する。
互いの想いを確かめ合ったのに、どこか臆病になっている彼女に侑は愛おしさに震えた。
と同時に、この先も瑠衣とずっと一緒にいたい、側にいて欲しいと切に願う。
「…………いいに決まっているだろ」
瑠衣は顔を見上げて、侑の視線に交差させながら改めて想いを伝えた。
「先生…………好き……」
「…………瑠衣……好きだ……」
侑が触れるだけのキスを瑠衣の唇に焦らすように落とす。
互いに全裸のままなのに、まぐわう事なく、ただ抱擁するだけというのは二人にとって初めての事だ。
侑も瑠衣も、身体の繋がりだけではなく、ようやく想いも結ばれたと実感する。
二人は愛おしい存在と体温を感じながら、いつしか眠りの海に堕ちていった。