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「うわー!!! これも美味しい」
「ほんと、うっま」
結局、ダイニングテーブルで食べるのはやめて、ゆっくりできるソファに腰かけて、ローテーブルに食事を運んでもらった。
篤人とゲラゲラ笑い合いながら、シャンパンを開けて乾杯をし、浴びるほど飲んだ。
ルームサービスの最後、季節のフルーツタルトはいちごがふんだんに使ってあって、甘さ控えめでサッパリした味わい。12センチのホールで用意してもらったケーキには、プレートが付いていて|Happy Revenge!《幸せな復讐》と書いてあった。
「これ、どういう意味?」
「最初に言っただろ。1番の復讐は花音が幸せになることって」
「……ありがとう」
「どう? 復讐は成功した?」
ほんのり頬を赤くした篤人が私の顔を覗き込む。
「うん、大成功!! すっごく幸せ!!」
ぎゅっと篤人に抱きついて、胸にすりすりと頬を寄せた。
「じゃあ、ちゃんと言わせて」
「……うん」
篤人はすっと離れると、キスを落とす。お互いのアルコールが混ざってくらくらした。
「俺、花音のことずっと好きだった」
「……!!」
「素直に言えなくて本当にごめん。失恋した花音につけこんで、夜のサブスク契約なんかもちかけて、偽装恋愛まで強引に……」
そう言いながら、篤人は私をぎゅっと抱きしめる。背中をよしよしとさすりながら、私も話し始めた。「もういいの。私も、篤人のこと大好きだよ」
「ほんと!?」
「復讐が終わったら、この関係も終わりだと思ってた。だから、切なくて苦しくて……」
「時々悲しそうだったのは、俺のこと好きになってたから?」
私はうん、と頷いた。
「花音、好きだ。ずっと一緒にいたいと思ってる」
「……わたしも」
「俺と付き合ってくれる?」
「はい、よろしくお願いします!」
やったー! という篤人はすごく嬉しそうな顔をしている。
何度も何度もキスをして、そのままソファに押し倒された。
「ま、ま、まって! ケーキまだ全部食べてない!」
「あとでいいよ」
「で、でも片付けにくるよね?」
「明日にしてって、さっき言っといた」
篤人は優しくキスを落としてくる。トップスをぐいっと脱がされてブラが露わになる。履いていたスカートもいつのまにか剥がされて下着姿になっていた。
「明るいの、やだっ……」
「暗かったらいいの?」
篤人は部屋の電気をパチンと落とす。すっと窓の方に目を向けると、名古屋の夜景が宝石のように輝いていた。
「きれい……」
「もっと近くで見る?」
ぐっと横抱きにされて、窓際に連れていかれた。ぎゅっと正面から抱きしめられて、熱いキスが降ってくる。クロッチの脇から篤人の指がするっと入って、湿ったそこをゆっくりなぞる。
「やっ、だめ、ここじゃ」
「誰も見てないよ」
確かに、周りに建物はなく、部屋での行為はだれからも見られることはないだろう。いやいやそういうことじゃないと、抵抗してももう無駄。
脚の間に咲いた蜜花が、ゆっくり彼の手によって開いていく。
その間をくりくりと優しくいじられると愉悦に溺れた声が漏れる。 逃げたくても、彼が私の身体をすっぽり包んでいるので身動きが取れない。胸の先端と、濡れた蜜花をいじられると気持ちよくて顎を上げた。
「ちょっと待って」
避妊具をさっとスラックスのポケットから取り出すと、屹立した自分自身に彼はかぶせる。
「あっ、やっ!!」
ぐりんと向きを変えられて、大きな窓ガラスに両手をつく。腰を後ろに引かれ、お尻を突き出すような格好になる。
「夜景、見たいでしょ?」
「やだってばぁ……ああああっ!!!」
じゅるじゅるっという水音とともに、舌で花芽を弾かれて、快感が全身を駆け巡る。
「いやあああっ!! あつ、と!!」
「すごい、どんどん溢れてくる」
「お願い、早くっ……んああーーーっ!」
挿入ってきた彼の質量は、いつもよりも大きい。蜜路を擦られただけで、軽く果てる。名古屋の夜景に、いやらしくおかされる自分を晒した。
うっすらとガラスに裸の自分たちが映る。ゆさゆさと揺れる胸、気持ちよさそうな篤人の顔。薄目を開けて、それを見るだけでも興奮する。
「花音、好きだっ……」
「んんっ、あっ、わたし、もっ!!」
ばすん、ばちゅっと腰を打ち付ける音が激しくなる。その分体も揺れて、快感をただただ受け入れている自分の意識が少しずつ白くなる。
「まだ意識、飛ばさないで」
「だっ、て……あんっ、さっきから、何回もイッてる、の……っ!!」
目の前の名古屋の夜景が霞んでくる。
「ほら、だめ」
「あっ!! やっ!!」
ぐんっと漲りを引き抜いた彼が、私を正面から抱っこする。
「ベッドいこ」
「やっ!! あああーーーっ!!」
ぐいっと腰を落とされて、奥をいきなり突き上げられる。それだけで果て、しがみついたまま、白い喉を彼に見せてガクガク震えた。「動くよ」
そのまま抱っこされて、ベッドルームへと連れていかれる。途中でゆさゆさと突かれ、いやらしい声がリビングから移動する。
ベッドの上で果てしない快楽に溺れ、何度も意識を飛ばしては引き戻される。
眠りについたのか意識を手放したのかわからないけれど、気が付いたらもう朝日が昇ってきていて、隣には裸の篤人がすやすやと寝息をたてていた。
そっとベッドから出て、シャワーを浴びた。バスローブを羽織るときに、身体中についた紅い痕。前はひとつだったのに、こんなにたくさん……。
彼と恋人同士になった。その喜びを噛み締めると同時に、昨日の出来事が思い出される。
結局、燎子がどうして私を恨んでいるのか、真相は聞けなかった。いまさら理由なんて知らなくてもいいのかもしれないけれど、ほんの少しのもやもやが残る。
それでも篤人がいてくれるなら何にも心配いらない。守ると言ってくれた彼に、どこまでもついていきたい。
小さく息をついて、ベッドルームに戻る。彼の横にそっと寝転ぶと、寝ぼけた篤人にぎゅっと抱きしめられた。
「んっ……花音?」
「おはよう」
「うん、大好き」
私も、とささやいて優しくキスをして、きつくきつく抱きしめあった。
(了)