第1章「偽りの好意」その8
「……ついてないなー、ゴン」
「まぁ……そういうこともあるよ」
クラスメイトである筒井から出た同情の声に、修介は苦笑で応えた。
六月一二日。修介と筒井――彼らを含めた、演劇・映画学科の脚本・演出・監督コースの生徒たちは、流星堂学園敷地内にある第二講堂に集まっていた。
この学園でいう講堂は、多人数に向けて講義を行う際に使われる。
一〇〇人近い人間がひしめき合う講堂内は、かなり窮屈だ。パイプ椅子のおかげで、最低限のパーソナルスペースは確保できた状態であったが。
がやがや騒がしい中、隣同士に座る修介と筒井の会話は続く。
「せっかく今まで練習付き合ってたのに、課題発表当日を見られないなんてな」
「仕方ないだろ。作品制作の日ならともかく、特別講義だし」
「ここで『俳優コースの発表のほうが気になるので、プロの脚本家の講義休みます!』とか言ったら『何様のつ***************************
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