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⚠文下手!!設定崩壊多々あり!!
それでもいい方は見てください。
「貴方が人間だからよ。」
頭の理解が追いつかなかった。人間だから?そんなの理由にならないだろう。なったとして、何故私だけなんだ?様々な疑問が頭に浮かび、疑問だらけになっていく。混乱、というべきか、困惑、動揺しているのに気づいたレミリアは、
「順を追って話しましょう。」
と言った。
「理由は人間だから、というのは事実よ。けれど、それならば人間の種族である霊夢や咲夜が私と同じ運命を歩まないのは何故なのか……って思っているわよね?」
魔理沙は頷いた。至極当然な疑問だった。
「確かにその通りよ。でも、貴方達には決定的な違いがあるわ。…霊夢は巫女。咲夜はメイド。そして貴方は…”魔法使い”。」
「本来魔法使いというのは、パチェのように生まれ持ったのものか、アリスのように後から捨虫の術と捨食の術を習得してなるものの、先天的か後天的なものの二つ……これは貴方も知っているでしょう?」
「ああ、知ってるぜ。」
「先天的か後天的…という違いがあっても、あの二人は種族としての”魔法使い”。そして貴方は職業としての”魔法使い”。そうでしょう?”普通の魔法使いさん”?」
「……ああ。…つまりどういうことだ?」
「魔法使いは本来職業としてなるものでは無い。だから貴方の寿命が短くなったということよ。」
「魔法使いで使用する魔力の量と質は、他のものとはまるで違うわ。巫女は人間が出来る職業だから身体的に不可はかからない筈よ。でも魔法使いは人間が出来るように創られてなんていない。なぜなら種族として存在するものだから。だから人間には負担が大きすぎる。膨大な魔力と繊細に操作する為の集中力。ましてや魔法使いの為の魔力なんて質が違いすぎる。」
哀しそうな顔をして、レミリアは言った。
「……なるほどな。もう、戻れないのか。」
魔理沙は察した。もう、生きる術なんて残されていないことを。職業としての魔法使いが駄目ならば、種族としての魔法使いになればいいんじゃないか、そう思った。けれど、捨虫の術と捨食の術をこの短期間で完璧に習得するには不可能に等しいのだ。その魔法について記されたグリモワールは沢山ある。見つけることが困難な訳では無い。習得するのが難しいのだ。才能がない私が短時間で習得するのは根本的に不可能な話な上、百歩譲って習得したとして私の余命が延びるとも限らなかった。……なぜなら、もう力を使い過ぎているから。
「病気じゃないから、私の余命は”確定”してしまっている。…そういうことだろ?」
「……ええ。……その通り、よ。」
哀しそうな顔だった。苦しそうな顔だった。そりゃそうだよな。身近な人間に、お前はもう死ぬ、助からないんだ、なんて告げるのは、精神的にキツイだろう。それに、本人に告げてもいいのか、自分の判断が間違っているのかもしれない、と大きな不安に駆られていただろう。それでも私に正直に全てを告げてくれた、この幼いが大人びた吸血鬼に心の中で感謝した。
「……ありがとな。」
その言葉を聞いて、赤い瞳から雫が伝った。一滴の涙だった。彼女は涙を拭いながら、ゆっくりと小さく頷いた。私の気持ちを理解してくれたのだろう。
全てを知った私は、今、心の底から安心している事がある。それは……
霊夢に、 私の余命を、
伝えていなかったこと
だった。