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第二章『終わりへの始まり』


1992年6月11日 朝

岩手県 ◻️◻️市◻️◻️◻️◻️刑務所


あの事件から大体、約1年の月日が経とうとしていた。1年は短いという人が大勢いるが爛にとっては長く感じた。また長く退屈な1日が爛を迎えようとしていた時、1つの出来事が爛の退屈という日々を変えようと目論んでいた。


爛が部屋でいびきをかきながら睡眠をとっていると急に扉が強く叩く音と共に鍵を開ける音が同時に聞こえ警備員が俺に言った。

「前崎爛。あるお方がお前に面会をしたいと申している。部屋から出て面会室に向かえ。」

「そんな尊敬語なんて珍しい。俺は上品な刑務所に入れられたようだなぁ。1年前くらいから知っておくべきだった。」

「いいから馬鹿なことを言ってないで早く向かえ。」

「はいはい」

爛は最初からやる気なんて出てこなかった。友達なんて存在しない。いや、そもそも爛にとって友達という概念さえも存在しないのだ。

だから所詮、爛の元に来るのは刑事だけしか居ない。そしてその刑事が俺の悪事を暴いたに違いないからだ。結果は最初から分かりきっているつもりだった。

爛は面会室の中に入った。爛の目の前に座っていたのはあの事件を担当していた刑事の金山 新一郎(かねやま しんいちろう)が向かいに座っていた。爛の予想は的中しており嫌な顔をしながら席に着いた。あとは刑事からの言葉を聞くだけであった。

「早くしてくださいよ。俺だって暇じゃないんですから。」

「分かった。少し会話が弾んでから言おうとしていた思っていたのだが前置きは省こう。『爛人殺人事件』お前が起こした事件はこう言われていることは知っているな。

「・・・・・・」

金山は爛の態度に深くため息を吐くとあるひとつの質問を彼にする。

「お前、単独犯だよな。それに隠れて脱走なんてことはしてないよな。」

「はぁ?脱走?脱走なんてできるはずがないだそうが。脱走ができてりゃぁ、今頃こんなところにはいねぇよ。」

金山は深く考え込んだ。当然、爛は質問の意図が分からなかった。刑務所暮らし真っ只中なのに対して、こんな質問をするなんて有り得ない。爛が脱走したって直ぐに身柄はバレるはずなのに。

すると向かいの部屋の扉をノックする音が聞こえ、警備員一名が部屋の中に入り金山にこう言った。

「爛の部屋と監視カメラのデータの確認をした結果、脱走したって形跡が全く有りませんでした。」

「しまった詰んだか」

「おいおい。何を勝手に人の家に不法侵入してんだよ。」

「爛、すまなかった。今とある一つの事件を追っててな。犯行がお前のものと似ていたんだよ。7カ所の深い切り傷と口の裂かれ方までも全てが似ていてお前を疑ってしまった。」

それを聞いて爛は唖然とするしかなかった。爛しかできないと思われていた犯行の手口を意図も容易く真似されて爛が怒りの顔を露わにすることと同時に「はぁ?」という言葉が出るのは当たり前のことだ。最高傑作を真似されて挙げ句の果てに、偽物が本物だと言っているのと等しいからだ。

「それじゃあ俺は退くよ。またな。」

「俺もその事件に参加は可能か?」

「少し難しいが仕方がない。アレから約1ヶ月もこの事件に悩まされている。ここより前崎爛はこの事件に参加させることを許可する。」

「爛、お前はこれから俺たちと同行してもらう。」

爛はゆっくり腰を上げポッケに手を入れながら部屋を出た。その時の爛の顔つきはまるで鬼のような形相だった。


同日 昼

前崎爛 ⬛︎⬛︎警察署へ到着。


警察署の会議室に爛と金山は足を運ぶとそこには50名ほどの刑事がいた。どうやらビリのようだ。

「おいおいおい。なんで犯罪者様がここに来てんすか!?」

花辺勉(はなべ つとむ)、51歳のベテラン刑事が先頭に出るように前に出て質問をした。

「これじゃあ、俺達も殺されちゃうじゃないですか!!1番に殺される可能性があるのは俺っすよ!!」

そう花辺は爛殺害予定欄に書かれていた1人であり焦っていた。

「花辺落ち着け。こいつが誰か殺した時、即刻、緊急指名手配と死刑判決が下る。お前らは警官だ。こいつが誰かを殺した時はもう一人が通報しろ。指名手配の対象になり、好き勝手できる状態ではなくなる。だがお前らも気をつけろ。いつ犯人やこいつに襲われるか分からない。細心の注意を払え!」

「はい!!」

花辺は気に食わない顔を見せながら自分の席へ戻った。

「起立!これから朝の朝会を始める!昨日、前崎花子、58歳と前崎彰、58歳が自宅で殺害されているところを発見された。前崎花子は口元を裂かれ、7箇所の切り傷があったが、前崎彰は7箇所の切り傷に顎を切り取られている。爛の殺害予定欄に乗っていた人物が続いて殺害されている。犯人は爛と同じく感情的であったことが考えられる。先日、私たちは爛が犯人だと考え今朝、私が高橋と共に爛が収監されている刑務所へ向かい爛が過ごしている部屋、刑務所内や外の監視カメラを調べたが脱走した形跡は無くその時、爛は自分の部屋で寝ていた証拠があり犯人の欄から外れ捜査が行き詰まってしまった。ので今回は上の承諾の元、前崎爛はここからこの事件の捜査に参加することとなった。先程も言った通りこいつが人を殺せば即刻、緊急指名手配がかかると共に死刑判決が下る。怯える必要は無い。」

爛は納得がいかないような顔を見せた。爛にとって納得するのは"自由"であることだった。だが当然、爛という人物はそこの領域には居ない。爛には爛なりの考えがあるらしい。その考えは善か悪か。

「かといって何も変わることはない。捜査はこのまま継続する。これから班分けを行う。前崎爛、伊集院新次郎(いじゅういん しんじろう)は私と共に山田ひとみさんの自宅の訪問。鈴木良太(すずき りょうた)と吉田美咲(よしだ みさき)は佐々木成人(ささき なりと)さんの自宅の訪問。伊集院新太郎(いじゅういん しんたろう)と花辺勉は佐藤やよいさんと上野柊人(うえの しゅうと)さんの自宅の訪問。以外の人は前崎一家や過去に殺害された人の情報や爛の情報を一応全員調べてくれ。では解散!!」

「はい!!」

刑事一同は一斉に会議室を出て捜査へ向かった。


第二章 『終わりへの始まり』終わり



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