──そうは言っても、ただ待っているのはやはり辛い。自分の友人がいじめの対象となっているなら尚更……──
私にはいつも一緒に下校している鈴華(りんか)という仲のいい友人がいる。今日は保健委員会があるらしいので待っているのだが、いくらなんでも遅すぎるので様子を見に行った。しかし、そこに鈴華の姿は無かった。慌てて靴箱を見に行くと、鈴華の靴は既に無くなっていた。
(すれ違ったのかな?でもおかしいな、今まではどんなに遅くなってもここでちゃんと合流して帰っていたのに)
そう思いながらもその日私は下校をすることにした。
──そのときはまだあんな光景が目の前に広がるなど私には到底考えることはできなかった。
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