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#エッチなの書けないから
m k .(nrkr
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瑠璃マリコ
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病院や医療機器メーカーなどを含む医療業界で真っ先に名が挙がるほど有名な『北尾』家の一人娘、『北尾スリエ』は、剣叶糸の『三度目の人生』で彼の婚約者となった女性だ。二十九歳にしてすでに三度の離婚歴があり、元夫たちはいずれも心を病んで離婚に至っている。
その経歴から、周囲に少なからず警戒されている人物でもある。
不妊で長年苦しんだ末にやっと誕生した『蛇の獣人』であったが故にスリエは蝶よ花よと育てられはしたが、一人目の婚約者であった『西條ソリア』とは違って、徹底的に英才教育も施された。『医療の北尾』の次期当主として医療機器の開発関係者か、もしくは何かしらの医療従事者になってもらう為にだ。
子供の頃は学校や塾だけじゃなく、何人もの家庭教師を雇っていたらしい。子供らしい遊びをする時間はあまり無かった様だが、皆無だった叶糸よりは遥かにマシだったんじゃないだろうか。
両親の望み通り医療従事者になりはしたものの、他の貴族達からは影ながら『生きる地雷』とまで言われてしまっているスリエは、幼少期に性的暴行をされた経験がある。報告書に書かれた此処だけを見れば辛い思いをしたのだなと同情を禁じ得ない出来事なのだが、内情はまるで違うのが厄介だ。
事の発端となった日。
彼女は幼馴染の少年と共に屋敷の室内で本を読んで過ごしていたらしい。その時、密かに幼女趣味を抱えていた臨時雇いの使用人の一人に目を付けられ、そのまま無理矢理暴行されてしまった。成長途中の体なうえに、初めての経験で、しかもまだ性的な知識もまともに持っていない様な時期にこんな目に遭ったなら重度の男性不審に陥ってもおかしくなかったのだが、スリエはそうはならなかった。
非常に厄介な事に『自分の事を好きな相手の目の前で、他の男と性行為をしたい』という、かなり歪んだ性癖に目覚めてしまったのだ。
ロープで縛り付けられ、床に転がされたままでいる幼馴染の前で。スリエが無理矢理見知らぬ大人に強姦されて泣き叫んでいる様子を前にして、気が狂わんばかりに動揺し、『やめろぉぉ』と必死に叫び、泣いて暴れる幼馴染の姿に興奮し、破瓜の痛みと苦しみ以上に、大きな快感を得てしまったのだ。
この日の出来事を、加害者とスリエは『良い思い出』として胸の内にしまい込んだ。その結果、不幸な事に両親は事件そのものを知る事なく終わってしまった。
そのせいで男はすっかり味を占め、貴族令嬢であるスリエに対して何度も何度も幼い体への暴行を繰り返したが、一度目以降は全て和姦でしかなかった。ただ、幼馴染の視線や泣き声が無い中での行為では割と早くに飽きて、一ヶ月程でこの男は出禁にされたらしい。ちなみに幼馴染の少年はこの日の出来事のせいで心を病み、ショックで声まで出なくなった事で入院騒動にまで至ったというのに……スリエは心配すらもしていなかったそうだ。
壊れた玩具を惜しむくらいは、したらしいけども。
スリエが赤の他人に蹂躙されているのを前にして、苦しみに歪む瞳が涙で濡れる程に快楽が深くなり、何度も何度も達してしまうもんだから、イキっぱなしになる快楽に抗えず、敢えて交際相手の前で様々な男達に彼女は抱かれ続けた。
せめてその交際相手もそういう性癖の持ち主であればwin-winの関係でお互いに幸せであっただろうに、それではつまらないからと健全な精神の相手ばかりを可愛らしい容姿で釣り上げては、不幸に叩き落としていったのだ。
侯爵クラスの貴族令嬢であれば結婚するまで清い体を守るのは常識レベルなのに、記念すべき二十歳のデビュタントの時にはもう百人近い相手と夜を共にしてしまっていたそうだ。それが見事なまでに全員『名前も顔も覚えていないくらいのどうでもいい相手』だというのだから、潔さすら感じてしまう。
そんな女性と結婚してしまった男性達が心を病み、離婚に至った理由なんぞ、もう改めて語る必要も無いだろう。
『夫』となった三人共、幼馴染の少年や過去の交際相手達と同じ目に遭わされ、心を壊して再起不能の地獄に叩き落とされた。
結局、その後は『記憶を消す』という対処療法で社会復帰を果たしていったが、その後ちゃんと幸せになれたのかはかなり疑問だ。
二十年近い単位で繰り返されている愚行だ。流石に両親も『うちの子に限って』とは思っていない……そう信じたい。
だけど、我が子可愛さで臭いモノには蓋をしてしまっているのだろう。その瞬間は『被害者』がいたとしても、結局その記憶は『治療』という名目で全て消されて『何事も無かった』ことになっているのだから。
(こんな女が『精神科医』だというんだから、随分と悪い冗談だよな……)
補佐達から送って貰った報告を読みながら、つくづく思う。確かに見目は良い方だとは言え、こんな歪んだ精神構造の持ち主に惚れる奴がそんなにもいるもんなのか?と不思議でならない。……だけど『精神科医の知識を悪用して、洗脳めいた手法でも使って好意を抱かせたのかもしれないな』と思い至った。手法はよく知らないが、上辺だけでもひとまずの信頼を勝ち取り、じっくり時間を掛けて仕込んでいけば十分可能なのかもしれない。叶糸には遠く及ばず、西條ソロアの魔力量にすらも至っていない程度の魔力しか保有していないけれども、精神科医になれたという事は多少は精神系に作用する魔法を使えるとも考えられるし。
(しっかし……続きを読むのも嫌になるくらいの、クズだな)
ホログラム的な画面を前に軽く項垂れてしまう。だけど、ちゃんと相手を知らねば正しい対応が出来ずに叶糸がまた不幸にされてしまうかもしれないぞと、心を奮い立たせて続きを読む事にした。
コメント
1件
わあ…まずエピソード重い…!でもキャラの背景がしっかり掘り下げられてて、スリエの歪み方が「そうなるしかなかった」って納得させられる構成、すごく巧いと思った。幼馴染が壊れたのに平気でいられるその精神構造、読んでて背筋が冷えたけど物語としての吸引力は半端ない…。叶糸くん大丈夫か心配になるけど続きも読むよ!アルカナの冷静な視点で救われた…😭