俺の手の中にはさっちゃんの切符が残った。
電車が出発しても、切符は消えない。
さっちゃんがいなくても切符は消えない。
これはさっちゃんが無事だということを示しているのだろうか。
あの化物たちをかいくぐり、目的の場所へと向かっているというのだろうか。さっちゃんは。
ぐるぐると彼の今を想像してみて、ふと気がついた。
「いまなら」
そう口から転がり出た。
金髪が怪訝そうに首を傾げる。
俺はそんな金髪に一歩近づいた。
「いまなら……いまならまだ連絡がつくんじゃないか」
金髪は少し目を瞠ったあとで、小さく溜息をついた。
「あんた、さっちゃんの連絡先を知ってるんだろ。いまなら」
「連絡してどうなる?」
俺の言葉を遮った金髪の声は、やけに落ち着いていた。
「どうなるって、心配じゃないのかよ」
「さあな。まあ、仮に心配しているとして、連絡して何か役立て*****************
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