零音「実は…俺達はとある施設から脱走してきていて……。」
博麗霊夢「とある施設?」
零音「そこで俺達はモルモットとして飼われていて……」
博麗霊夢「…モルモット?随分と酷い扱いなのね?」
零音「最初は俺達もなんの疑いもなく施設で過ごしていたんです。家族だと思ってたから……。生まれた頃からずっと一緒だったし…。」
博麗霊夢「そうなのね。」
零音「はい…。でもある日…俺見てしまったんです……。」
博麗霊夢「見たって何を?」
零音「…アイツらが…研究者のヤツらが…今までの仲間を全員 ゛改良 ゛して幻想郷に ゛兵器 ゛ として放っているって事を……。」
博麗霊夢「は……?それって人間兵器……って事よね…?」
零音「…(こく」
博麗霊夢「そんな……。酷い…。え?でもどうして??どうして貴方達は兵器として幻想郷に放たれているの?」
零音「…理由までは知れなかったんですけど…。俺はそんな現実を知ったから…だからもう二度と…仲間を…家族をそんな目に遭わせたくなくて…だから仲間と2人で脱走して…でも…内通者がいて…。陸斗が…。」
博麗霊夢「…大体の理由は分かったわ。取り敢えず涙を拭きなさい。」
零音「…はい。」
博麗霊夢「…教えてくれてありがとう。この問題は私が解決するわ。」
零音「え…?」
博麗霊夢「紹介が遅れたわね。私はこの幻想郷で巫女をしている博麗霊夢よ。お察しの通り此処は私の神社であり家なの。この幻想郷を束ねている。と言っても過言ではないわね。異変解決とかもしているからこういった類の話には慣れているのよ。」
零音「そうなんですね…凄い…。」
博麗霊夢「取り敢えず,落ち着くまでは私の神社で貴方達を匿うわ。但し。危険なことは絶対にしないこと。ましてや仲間を助けるために街に行こうだなんて考えないこと。どうしても行きたい時は私か,魔理沙に言う事ね。」
零音「魔理沙…って誰ですか…?」
博麗霊夢「あ〜…説明してなかったわね。取り敢えず魔理沙の所へ行くわよ。」
零音「は、はい」
博麗霊夢「魔理沙〜?居るかしら?」
博麗霊夢「ゲホッゲホッ……ゲホッゲホッ…。もう。またなの?魔理沙。」
零音「〜〜〜っ…。(すごい煙……。)」
霧雨魔理沙「いやぁ〜…悪りぃ悪りぃ。魔法に失敗しちまってなぁ……。今度こそ上手くいくと思ったんだがなぁ〜…。」
博麗霊夢「もう。しっかりしなさいよね。」
霧雨魔理沙「なはは…。すまねぇな…。それよりその後ろにいるやつは誰だ??」
博麗霊夢「嗚呼,紹介が遅れたわね。この子は私の家で訳ありで保護している零音よ。」
霧雨魔理沙「ふーん?そうか!というか何か用があってきたんじゃないのか?」
博麗霊夢「嗚呼,そうだったわ。実はね……」
霧雨魔理沙「なるほどなぁ〜…。っし!!分かった!引き受けるとするか!」
博麗霊夢「ほんとに?嬉しいわ。私も中々異変解決やら何やらで抜けれることが少ないのよね。」
霧雨魔理沙「そーゆ時こそ私に任せておけ!なんだぜ!」
博麗霊夢「全く…そーゆ時ばかり頼りがいがあるんだから…。」
零音「あの…よろしくお願いします!」
霧雨魔理沙「おうよ!」
博麗霊夢「変な奴だったけど良い奴だったでしょ?」
零音「は、はい。」
博麗霊夢「まだ緊張してる?」
零音「あー、えっと…。ははは…。」
博麗霊夢「大丈夫よ。みんないい人達ばかりよ。そうだ。紅魔館にも行きましょう。」
零音「紅魔館……?」
博麗霊夢「そう。 ゛吸血鬼 ゛ の姉妹が住むお屋敷よ。」
零音「゛吸血鬼 ゛?!」
博麗霊夢「そっか。当然貴方は外の人間だから吸血鬼なんて見たことないのよね?」
零音「はい。」
博麗霊夢「まぁ…少し変わって…いや…かなり変わってるけどいいヤツらには変わりないわよ。」
零音「そうなんですね」
美鈴「zZZ…」
博麗霊夢「相変らずこの門番は寝てるのね…。まあいいわ。入りましょう。」
零音「そんな…勝手に入っていいんですか?!」
博麗霊夢「大丈夫よ。いつもそんな感じだから。」
零音「ええ…。」
博麗霊夢「此処が紅魔館の中よ。」
零音「なんて言うか…凄いですね…。」
博麗霊夢「そうでしょ??特にこのー」
零音(え?今一瞬時が止まって…)
???「全く…貴方も懲りませんね…毎度毎度…。」
博麗霊夢「流石ね…咲夜。」
十六夜咲夜「それで??今日はどのような御用で……あら?そちらの方は?見覚えないですね。」
博麗霊夢「嗚呼,この子は訳ありで私の家で預かっているのよ。」
十六夜咲夜「成程…そんな事が…。お辛いですね…。私も似たような境遇なのでお気持ちお察しします。」
博麗霊夢(そういえば咲夜も過去はそうだったわね…。)
十六夜咲夜「お嬢様に用があるのよね?案内するわ。」
博麗霊夢「ええ。助かるわ。」
レミリア・スカーレット「ふぅん…成程ね…。まさか私の知らないうちに外の世界ではそうなっていたなんてね。」
零音(この人が吸血鬼の…想像よりずっと若いような……?)
レミリア・スカーレット「零音…とか言ったかしら??取り敢えずあなたの身の安全は私達スカーレット一族も保証するわ。」
零音「ありがとうございます。」
レミリア・スカーレット「ふふ。遠慮はいらないわ。こう見えても私は500年も生きているのよ?」
零音「5…500……?!」
十六夜咲夜「お嬢様はこの紅魔館の主でもあられるのよ。」
零音「当主…?って事ですか?」
レミリア・スカーレット「ええ。まあそうなるわね。そして能力としては ゛運命を操る程度 ゛ の、能力を持っているわ。」
零音「能力…?って何ですか?」
レミリア・スカーレット「能力というのはね。一人一人に与えられたいわばステータスみたいなものよ。ちなみに咲夜は゛ 時間を操る程度 ゛ の,能力よ。」
零音(時間を操る…。だからさっき時間が一瞬止まったのか…。)
博麗霊夢「ちなみに私は
゛空を飛ぶこと ゛ つまりは ゛無重力 ゛ということよ。」
零音「無重力…。」
レミリア・スカーレット「因みに私の妹のフランは ゛ありとあらゆるものを破壊する程度 ゛ の,能力よ。」
博麗霊夢「因みにさっき紹介した魔理沙の能力は ゛魔法を操る程度 ゛ の,能力よ。」
零音「凄い…皆さん色々な能力を持っているんですね…。」
レミリア・スカーレット「まあ。この世界。幻想郷で生きていくにはある程度の能力は必要になるわね。」
零音「そうなんですね…」
博麗霊夢「とまぁ。こんな感じよ。そろそろ神社に戻りましょうか。零が目覚めているかもしれないし。」
零音「そうですね。」
レミリア・スカーレット「零って子はまだ目が覚めていないの?」
博麗霊夢「ええ……そうなのよ…。余程施設にいた頃に苦しめられていたのね…可哀想に…。あんなに小さい子が…。」
零音「……。」
十六夜咲夜「取り敢えず,今日はもう遅いですしお2人をお送り致します。お嬢様。」
レミリア・スカーレット「ええ。そうね。頼んだわ。」
十六夜咲夜「では。私はこれで。」
博麗霊夢「ええ。ありがとうね。咲夜。おやすみなさい。」
零音「ありがとうございます。」
博麗霊夢「さて…と。今日はいきなり色々な場所に連れて回ったから少し疲れたかしら?」
零音「いえ…色々な方と出逢えたので楽しかったです。」
博麗霊夢「そう。なら良かったわ。明日も早いし,今日はもう寝ましょう。貴方たちの布団はそっちの部屋に出してあるわ。」
零音「ありがとうございます。霊夢さん。おやすみなさい。」
博麗霊夢「ん。おやすみ。」
零音(今日は色々なことがあったな…。ゆかりさんと出会って,霊夢さんに、魔理沙さん…レミリアさんたちに会って…
みんないい人達だったな…。)
零音(……。)
零音(だからこそ…なんとしてでもこの幻想郷を守らないといけないな……。こんなにいい人達ばかりなのにここの人達が悲しむようなことは絶対に避けないといけない……。とりあえず今日はもう寝るとしようかな。これからのことは明日起きてから考えよう…。おやすみ…零……。)