テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
青はどこまでも広がっていった。 赤い光も、川の青も、紫の空も、その上に大きな広がりを得て輝きを増している。
私の胸は軽く、身体がふわりと宙に浮かんでいるようだった。
「楽しかった?」
白い髪の少年が笑う。
「うん!」
私は両手を広げ、風に舞いながら答えた。
「やっと外に出られた気がする。……ありがとう」
「でも、行ってしまうのね」
黒い髪の少女が少し寂しそうに言う。
「風は止まれないもの」
私は笑って首を振った。
「流れ続けるから風でいられるの」
二人は顔を見合わせ、声を揃えて笑った。
「じゃあ、またね」
「次のお客さまを待ちながら、わたしたちはここにいる」
その笑みを最後に見て、私は窓へ駆け出した。
吹き込む風に身を委ねると、身体は軽やかに宙を舞い、空へと溶けていった。
館を振り返ると、重たい窓は開かれたまま。
カーテンが大きく膨らみ、白夜の館に新しい息吹が満ちていた。
雲の上を渡りながら、私は笑った。
ここからどこへ行くのかはわからない。
けれど、風はいつだって自由だから。
2,531
四十田 祢音(純蓮)
76
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!