TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

軍師の嫁取り

一覧ページ

「軍師の嫁取り」のメインビジュアル

軍師の嫁取り

13 - 戦の前には酒席あり1

♥

29

2023年11月03日

シェアするシェアする
報告する


「では、お戻りは、気の向いた時に。手持ちの金子がなくなりましたら、父の元へお行きなさいまし」


「あっ、はい。しかしですね、黄夫人、姑殿に頼るのもどうかと思うのですよ」


「ならば、ご自分で、物乞いでもなさいませ。くれぐれも、馬を売ってはなりませんよ!その馬がなければ、私が離縁された時に、実家へ戻る足がございませんからね」


「あいわかりました。馬は、必守いたします」


「では、旦那様、お気をつけて、いってらっしゃいませ」


──と、これが、孔明とその妻、黄夫人こと、月英の日課だった。


時は今より、遡ること二千余年程昔。後に、名軍師と呼ばれる、諸葛亮孔明は、荊州《けいしゅう》の片田舎で、隠とん生活を送っていた。


運良く、襄陽《じょうよう》の街に居を構える、名師、司馬徽《しばき》の門下生となり、孔明は、教えを乞うため日々、師の元へ通っている。


夜の白々開けに、進んで行く孔明を乗せた馬を見送ると、月英は、欠伸をかみしめた。


隣で、同じく見送りごとを行っていた、同居している孔明の弟、諸葛均《しょかつきん》は、眠気に襲われている義姉《あね》を伺った。


「義姉上《あねうえ》、何も、毎日、兄を見送らなくとも。私が、畑仕事へ行くついでに、見送りますよ」


それがねぇ、と、月英は均へ言った。


「なんだかんだと、起こされるのですよ」


「はあ?」


「前の晩に用意しているのに、櫛が無い、帯が無いと、もおー、うるさくて、一人で身じたくできないのかしら?」


それは……。


「ええ、どうも、構って欲しいようで」


均の考えを月英は、さらりと言ってのける。


「はあ、まあ、そうですか。でも、あの口上は……」


好きな時に戻れ、物乞いしろ、離縁、と、なかなか、際どい事を言って、隣にいる、均は、ひやひやしているのだが──。


「あれぐらい言わねば、旦那様には、通じませんよ。襄陽の街は、こことは違いますからね。色々な輩がおりますもの」


「はあ、なるほど」

この作品はいかがでしたか?

29

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚