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めかぶぷりん
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ある日のことだ。阿部は2人を招集した。
💚「康二、佐久間。ちょっと実験に協力してもらってもいいかな?」
🧡「なになに?」
🩷「俺も?」
💚「うん。3日にかけて実験するよ 」
向井と佐久間は水槽からあげられ、阿部の実験室に移動しソファに座らされた。
しばらく待っていると阿部が実験用バットを持って入ってきた。
💚「まず、1日1粒カプセルを2人に飲んでもらう」
バットの中には色の違うカプセル。よくある薬が入っているようなものだ。
🧡「こん中何が入っとん?」
💚「血」
🧡🩷「ちぃ!?」
💚「血! わかる? 血!!」
🧡「千と〇尋やんけ」
💚「各日で飲むカプセルはそれぞれ違う人物の血液が入ってる。効果があるか、効果があったとしてどれくらい持続するかとかを見るよ」
🧡「なるほど…」
🩷「飲むだけでいいの?」
💚「うん。体調に変化がないかも観察させてもらうからそこは正直に答えて欲しい」
🩷「はーい」
こうして阿部の簡単な実験が始まった。
【1日目】
🟥カプセルA
向井:変化なし
佐久間:変化なし
【2日目】
🟦カプセルB
向井:変化なし
佐久間:変化なし
🧡「2日飲んで何も変わらんのやけど……これホンマに意味ある?」
💚「全ての実験で成果が得られるとは限らないよ。そういうのを含めて実験なんだ」
🩷「今日も飲むんだよね?」
💚「うん、これで最後。はい、飲んでね」
【3日目】
🟨カプセルC
2人はもう慣れたようにカプセルを飲んだ。
💚「はい、じゃあいつも通り水槽内で待機ね。なんか違和感があったらすぐ言ってね」
向井と佐久間はいつもみたく水槽内でくつろいでいた。
🩷「阿部ちゃんの実験、なんなんだろね」
🧡「全く分からへん。特に気分悪なることも無いし……」
🩷「あべちゃんの為になれてるかな……」
🧡「さっきも言うとったやん。絶対成果が出る訳ちゃうて!あんま気にせんでええと……おも……う…ゲホッ……ぅ゙… 」
🩷「康二?どしたの?」
🧡「なんか……息が……しづらいっていうか……」
🩷「っ……、康二1回出よう!捕まって!」
佐久間は向井に自分の腕を掴ませ水面に上がる。
そして呼び出しボタンを押した。すぐにスピーカーから阿部の声がした。
💚「はい、どしたの?」
🩷「康二が!息しづらいって言ってる!」
💚「すぐ行く。康二を水槽からあげといて!」
佐久間は向井を水槽からあげているうちにすぐにバスタオルを持った阿部が入ってきた。
💚「康二、どっか痛い?」
🧡「いや、痛くはないけどなんか…変な感じ……」
💚「今は息できる?」
🧡「全然できる」
🩷「康二……!鰓が薄くなってる…!」
🧡「えっ、あれ?……うわっ」
向井の首にあった鰓がみるみるうちにスゥっと閉じ消えていく。
鋭利な歯は少しずつ丸みを帯び始め、脚の鱗がパラパラと剥がれ落ちていく。
🧡「鱗が……!」
そして尾鰭もどんどん小さくなり人間の足の指が見えてきた。
🩷「あべちゃんこれ……!」
阿部は持っていたバスタオルで向井の下半身を隠してやる。
そうしているうちに数ヶ月ぶりの人間の脚が完全に姿を表した。
🧡「脚が……戻った……!?」
💚「やっぱりね…」
💚「32分か。よし、しばらく様子見だね。着替え持ってくるよ。……興味深い結果が出たね」
しばらくすると目黒が阿部の研究所にやって来た。
人間の脚に戻っている向井と目が合うとすぐさま駆け寄ってきた。
🖤「康二!その脚……!」
🧡「めめ、なんか……戻ってん…」
💚「めめいらっしゃい。恐らくまた人魚に戻っちゃうと思うんだけどね……。まだふっかが来てないけど初めちゃおっか」
🩷「俺もここに居てもいいの?」
💚「いいの。大事な実験結果の報告なんだから」
全員が阿部に注目するなら、阿部は淡々とパソコンを操作しながら話し始めた。
💚「今回の実験のことだけど、前にめめが話してくれたことがヒントになったよ」
🖤「俺が?なんか話したっけ」
💚「1回康二が『脚が戻った』って言ってたって話してくれたでしょ」
🖤「あっ」
それは向井を目黒の家で匿っていた時のこと。
🖤「康二、夜中に1回だけ人間に戻ったって話したじゃん?」
🧡「覚えとったん…?」
🖤「うん」
💚「人間に戻る前にめめとキスしたって話も聞いてさ。しかもめめの舌が切れてたって言ってたから恐らく深いヤツ」
🖤「俺そん時の記憶がホントに抜け落ちてて。あん時康二もはぐらかしたから定かじゃなかったけど」
💚「康二、どう?」
🧡「あん時、めめが俺の歌声聞いたんやと思う。それで振り向いたらめめが倒れとって……そんで……急にめめにチューされた……っ」
💚「照れないで聞いてるこっちまで変な気分になるから笑」
🧡「ベロまで入ってきて……!」
🖤「康二ちょっとふざけてるよね?笑」
🧡「めめとの初チュー記念やったのにぃ……!」
🖤「ほんとごめんって笑」
🧡「いや、元は俺の歌のせいなんよ笑」
💚「はいはいイチャイチャはそこまで」
💚「そのキスが人間に戻るキッカケになったと仮定する。キスで康二の体内に入ったものってなると恐らく唾液か舌の傷から流れた血液。
どっちかが、康二の細胞の中の人魚因子に反応したんじゃないかなって思って」
💚「みんなから貰ったサンプルを使って俺の方で実験してね。その結果、人魚因子は唾液じゃなくて血液の方に反応していることが分かった」
💚「つまり、人魚から人間に戻る為の鍵は、
人間の血というわけだ」
💚「そこで、今回の実験をしたわけだけど……
3日間2人にはカプセルを飲んでもらった。中身が血であることも言ったね」
🩷「もしかして…」
💚「今日飲んだカプセルCの血は、めめの血なんだ」
🧡「めめの⁉」
💚「うん。キスの話があったからめめの血で康二が戻るのは納得だけど…」
🩷「…俺は何ともない」
💚「そう、佐久間にはまるで効果がない。
つまり、重要なのは「誰の血を飲むか」だ。もしかしたら、ドナーのように相性があるのかもしれない」
🧡「なるほど…」
💚「俺が過去に見たことのある奇病でさ、今回の康二たちと似たような細胞を見たことがあるんだよね…」
🧡「その病気はどうやって直したん?」
💚「それがね…病気を直したのは薬じゃなくて「愛」だったんだよね…」
🖤🧡🩷「「「愛???」」」
💚「いわゆる『恋患い』だったんだ。両想いになることで病気が完治するっていう…」
🧡「え、俺のこれ…恋患い?」
🖤「康二が俺のことめっちゃ好きでこうなってるってことであってる?」
🧡「えぇ⁉なんかそれはずいんやけど!」
🩷「まってまって!でも俺人魚になったとき恋なんかしてなかったもん!」
🧡「ほな違うか…笑」
💚「まだなんも言ってないよ笑
でもめめの血で康二が人間に戻ってる時点で単なる相性というよりは、「愛」の方がなんか信憑性が高いんだよね」
🩷「愛する人の血で病気が治る…おとぎ話みたい」
🧡「でも血はちょっと生々しいで?笑」
💚「まだ調べてみないとわかんないけどね。ちなみにさ、1日目と2日目に飲んだカプセルに入ってた血は誰のだと思う?」
🧡「普通に考えたら…あべちゃんとふっかさんとか?」
💚「おっ、いい線いってるね。1つは俺。でももう1つはふっかじゃないんだ」
🩷「じゃあ誰の…」
💜「やほ~~~おまたせ」
そこへ話を遮るように深澤が入ってきた。
🧡「ふっかさん!」
💚「ふっか遅い、全部説明終わっちゃった」
💜「ごめんって。迎え行ってたら遅れちゃった」
🧡「他に誰かおるん?」
💜「そうそう、実験に使った血液の提供者がね。入ってきていいよ~」
深澤の声で部屋の自動ドアが開いた。そこにいた人物を見た瞬間、向井は思わず立ち上がった。
🤍「……康二くん」
🧡「…ラウ!!」
入ってきたのはラウールだった。深澤の頼みで人魚に関する嘘の情報を流し、一時的に世間を騒がせた。
NGLの人間がラウールに近づく可能性を考えてしばらく目黒たちとは距離を置いていた。
💚「ラウールありがとう。大丈夫だった?」
🤍「うん!岩本くんがずっと守ってくれた!」
💜「照にはボーナスだな笑」
🧡「ラウール…」
🤍「康二くん、俺のせいで2人を離れ離れにさせちゃったの……ずっと謝りたかった。ほんとにごめんね」
🧡「ラウのせいなんかとちゃう。ラウは何も知らんかっただけやん。あん時は俺が……」
🤍「言わないで。どうしても謝りたかったの」
🖤「ラウールも色々協力してくれたんだよ。最初にふっかさんに康二のこと相談したのもラウールだったし」
🧡「そやったんや…ありがとう、ラウ」
🤍「めめには負けるかもしれないけど……俺も康二くんにずっと会いたかった」
🧡「……!」
🤍「康二くん……無事で良かった…!」
ラウールの目からじんわりと涙が浮かび上がっていた。ずっと抑えていた自責の念と安心感が反動で湧き上がってきたのだろう。
🧡「ラウール……!」
ラウールはチラッと目黒を見た。
目黒は深澤から聞いたラウールの言葉を思い出す。
────🤍『康二くんとまた会えたら…ハグの1回くらいは許してね』
律儀なヤツだ。目黒は微笑んで頷く。
🖤「いいよ」
ラウールが向井に抱きついた瞬間、涙が一筋流れた。体の大きいラウールの腕の中に向井がすっぽり収まる。
🤍「良かった……康二くん…、ごめんね… 」
🧡「ラウールありがと…!辛かったやんな…ありがとう」
向井は子供をあやすようにラウールを撫でる。部屋中に暖かい空気が流れた。
再会を噛み締めた後、 阿部が声をあげた。
💚「さあ、康二が人間に戻ってる間に臨床データを取りたい。悪いけど康二、協力してくれるかな?」
🧡「もちろん!」
💜「ラウールはこっちきて。話聞かせてもらうよ。照からちょっと聞いたけど、色々あったっぽいね」
🤍「うん、ふっかさんの予想通りNGLの人達が接触してきたんだ」
💚「めめ、まだ時間大丈夫?佐久間を水槽に連れていくのお願いしてもいい?」
🖤「大丈夫。佐久間くん、捕まって」
🩷「うん、ありがとう…!」
少しずつではあるが、研究が進んでいく。向井が完全に人間に戻る日もそう遠くはないのかもしれない。
あとがき
読まなくても️⭕️
前の話すぎて恐らく忘れられているかと思うのですが、向井さんの歌声で目黒さんが我を失い、向井さんにキスをするという話がありました。
その日の夜に人間に戻ったというエピソードは人間に戻る為のヒントになる伏線だったという訳です。
【恋心に鱗】EPISODE2-2・EPISODE2-3
でおさらいが出来ます。
初期の話すぎて作者自身が忘れそうでした。
コメント
1件
もうまじでこの作品好きすぎる🫶🏻︎💕︎︎