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「よっ!」
元気いっぱいでやってきたkn。
私は、余命のことで頭がいっぱいで、笑顔がぎこちなくなってしまった。
しかし、それに気づかないkn。本当に鈍感だ。
“残り余命一年”言う必要はあるだろうか。
“言わない方が幸せなんじゃないか。”と言う考えが頭によぎる。
とりあえず退院することだけは伝えておこう。
「実はさ、退院することに、なったんだよね〜。」
「え!ホンマか!ついに治ったんやな!」
「まあ、ね。」
「てことは、やっと高校来れるんやな!嬉しいわ!l
満面の笑みでこっちを見てくるkn。
「そうだね!」
嬉しいと悲しいどちらの気持ちも混ざってなんとも言えない気持ちだった。
嬉しそうに私のいる高校生活を想像しているkn。
そんな彼の姿を見るのが苦しかった。
私と高校に行けるのはたった一年。高ニになったばかりの私には一緒に卒業することが出来ないのだから。
そして今日も面会時間が終わった。
「ほんじゃ、今度は学校でやな!またな!」
「うん。またね!」
結局余命のことは言えなかった。あの人の笑顔を壊すのが嫌で怖くて仕方がなかった。
もうこの事を言うのはやめよう。考えるのもやめよう。今を生きていくことを精一杯やろう。楽しもう。
そう決めたのだった。