TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
シェアするシェアする
報告する

出てきた怪物は周りの車を投げ飛ばしたりしていて周りはぐちゃぐちゃだった。

車の中に閉じ込められて逃げれない人や

大きな瓦礫に押しつぶされて即死の人

車や瓦礫に押しつぶされて臓器や骨がむき出しの人

親が目の前で死んで泣き叫ぶ子供

恋人がすぐ隣で死んで戸惑う人

色々な人が被害にあっていた中

その中1人の学生に目がいった、

足が瓦礫で潰れて逃げれない学生。それは私をいじめるように仕掛けた元親友だったから。

私は心の中で嘲笑っていた。

(私を虐めるようにした罰よ。)

元親友と目が合うと助けを求めて叫んでいた。それを見ると何故だか笑いが堪えれなくなった。

あんなに私が助けを求めても助けなかったのに、元親友は私(魔法少女)が助けてくれると思っている。

そう思っているなら私は元親友を無視してやろうと思ってしまった。

私の顔を見ていたるりが話しかけてくる。

「あの人助けるノ?」

「助けない。助ける意味がないわ」

「そう、助けないならさっさと怪物倒そうヨ☆」

「そうだね。」

私は元親友と目が合うものの怪物の元へ走った。

後ろを振り返ると泣き叫びながら助けを求める無様な姿が見える。

その無様な姿に笑いが耐えられず『フフッ…w』と笑ってしまった。

……

怪物の目の前に来る頃にはさっきの笑いも消えてしまった。

怪物は私を見るとにたっと笑ってこの辺にある瓦礫や車中には人を私に向けて投げてくる。

交わすのは簡単だが投げられた人を助ける事は無理だろう。

私はなるべく投げられた人を受け止めて瓦礫や車の当たらない所へ避難させた。

ある程度避難させたらあとは怪物との一騎打ちだ。

怪物の足元に行って足首を切って動けなくする。 この後は昨日のように動けない怪物の目を狙ってステッキを振り下ろす。

何度も何度も

(グチャッ…グチャッ……ミチミチッ…。)

刺さる度に肉が避ける音が聞こえる、20回刺した頃には全身血まみれになっていった。

全身に付いた血と動かなくなった怪物を見てまた昨日のように吐き気が襲った。

私は吐き気を我慢しながらある程度の人を避難させてからその場を去った。

………

……

昨日もよった公園のトイレの個室では私は吐いていた。

元親友を見殺しにした罪悪感が私の頭に染み付いていたから。元でも親友だった人を助けずに見殺しにしてしまった。

私は涙とゲロで視界が見えなくなるほど泣いた。

変身が解けてもトイレでこもって泣いていた。

ある程度泣いて落ち着いたのか涙が出なくなってしまった。

心の中は泣いているのに目からはもう何も出なくなっていた。

私は赤くなった目を水で冷やして何事も無かったかのように家に帰った。

……

それから2日後

学校では元親友の席に花瓶が置かれていた。

みんな元々居なかったかのように思うほど特に学校生活に変化は無かった。

家に帰って事件の事がニュースになっていて死んだ人の名前が公開されていた。

その中にもちろん元親友の名前もあった。

元親友の名前を見るとまた涙がポロポロ出てきた。

「2日前にあった事件ですが身元がわかりました。」

「○○高校似通っていた、純野 玲奈(すみの れいな)ちゃん16歳と思われる遺体が昨日発見されました。」

「玲奈…うッ…うぅッ……。」

私がテレビを見て泣いていると玄関からインターホンの音がした。

「すみません。玲奈の母です。」

「璃莉華ちゃん話があるの。出てきてくれないかしら?」

「………。」

私は行く気分では無かったが何故か体が勝手に玄関のドアノブを押していた。

「良かった。璃莉華ちゃん出てきてくれてありがとう。」

「今日は璃莉華ちゃんに伝えたい事があって。」

「なんですか?」

「玲奈の葬式に来て欲しいの」

「え?」

「玲奈の遺言状に書いてあったの。もし私が死んだら璃莉華ちゃんを葬式に呼んで欲しいって。」

「それで今日の6時半ぐらいに来れるかしら?」

「無理しなくていいわ、もし来れなかったらここに電話して」

そういうと私に葬式場の名刺を渡して去っていった。

葬式の場所は私の家から近く歩いて10分の場所にあった。

私は顔を出してすぐに帰ろうと思って葬式できるセーラー服をベットの上に置いた。

両親に葬式に顔を出すと電話で伝えて制服に着替えた。両親も遅れて参加するとのこと。

私は少し早めに家を出て葬式場まで自転車で向かった。

……

葬式場の前には何台かの車が止まっておりその中に玲奈の親の車もあった。車の邪魔にならない所に自転車を置いて私は葬式場の中に入っていった。

中に入ると知らない人が沢山いて少し居心地が悪かった。

玲奈のお母さんを探してから5分ぐらいに見つけることができた。私は玲奈のお母さんに挨拶をしに行った。

「あの、玲奈のお母さん……」

「あら、来てくれたのね璃莉華ちゃん。」

「私玲奈から預かってるものがあるの。」

「璃莉華ちゃん宛の手紙があるの。受け取ってくれないかしら。」

「え?」

(私に手紙?何を書いてるんだろう。)

私はそれを受け取って待合室で待っていてと言われた。私は読みながら待つ事にした。

─────────────────────────────

璃莉華へ、

この手紙を見ているという事は私はもうこの世にいないのでしょう。

璃莉華に謝りたい事があったの。

あの時はあなたをいじめのターゲットにしてごめんなさい。

でも私も辛かったの、自分が助かればいいと思ってた。私がいじめられなくなったら次は璃莉華がターゲットになっていた。

何度も他の子をいじめのターゲットにしようとした。何度も何度も璃莉華を虐められないようにしようとしたけどダメだった。

本当にごめんなさい。

璃莉華がどれだけ辛い思いをしたと考えたら自分がした事が許せなくなる。

ごめんなさい。

謝って許されると思ってもいない、

でも謝らないと私の気持ちが晴れないの。

私は璃莉華の事が大好きだった。

小さな頃からずっと私の傍に居てくれて嬉しかった。

裏切るような事をしてごめんね。

でも一つだけ言わせて、私は璃莉華の事が世界で1番大好きでした。

私の分まで元気に生きてね。

純野玲奈より。

─────────────────────────────

この手紙を見るまで知らなかった。

玲奈がいじめられていたなんて……。

しかも私をいじめから助けようとしてくれてたなんて…。

昨日の事を思い出しまた涙が出る。こんなに思ってくれてたのに私はそれを踏みにじった。

そう思うと涙がポロポロと出てくる。

涙で手紙が濡れていくのが分かる。

自分一人しかいない静かな待合室で何度も読み返しては泣いていた。


投稿日 2023-02-01

この作品はいかがでしたか?

13

コメント

0

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store